総長と黒猫
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こんにちは、皆さん。
どうやら、私アンズは悪魔だって裸で逃げ出しそうは強面鬼総長から好かれているようです。
好かれています、と断定できないのはまだ確信がないからです。
ただ決定はしていないのですが、かなり黒に近い気がします。今日も職場に行ったらですね…
「アンズさん、ちーっす!」
出ました、お調子者のニックさんです。
若い雰囲気というかイケイケなノリが苦手なのでやや警戒していたのですが、
「見てくださいよ、アンズさん。コイツ!」
「にゃぁ〜ん」
なんと、ニックさんの腕の中にはモフモフで可愛い子猫が!
はぁぁ、モフモフはいいですよね。癒されます。
それにしてもこの子猫、クリクリの大きな金色の瞳にピンと尖った三角のお耳。全身真っ黒でスラリと伸びた長いしっぽ。まるで某ジブリに魔女と一緒に登場する黒猫ですね。うん、可愛いです。
「わー、可愛い。抱っこしていい?」
「どうぞ」
子猫をそっと抱っこすると、腕の中で丸まります。やけに人に慣れてますね。めちゃめちゃ可愛いです。
「でも、この猫どうしたの?」
「徴税課の建物の前に箱に入れられて捨てられてたんスよ。俺、こーゆーの弱くて拾ってきちゃったんですけど、ウチは姉が猫アレルギーで。アンズさんのトコはどうっすか?」
「うーん、飼ってあげたいけど、ウチのアパートはペットは禁止だからなぁ」
さて、可愛い子猫ちゃんをどうしましょうか。
2人で悩んでいると総長が出社してきました。
「おい、ニック。テメエ、なんだその猫は!」
「あ、クラム長官、お疲れ様っす!実はですね…かくかくしかじかで…というワケですよ!」
ニックさんの説明を聞いた総長の眉間のシワがグググッと深くなりました。
ニックさんが隣でヒイィっと悲鳴をあげています。
総長、ニックさんが怯えているからその顔やめてあげてください!
「バカか、もう一度捨ててこい!」
「そんなあああぁ、クラム長官、お願いっすよおぉぉぉ。長官のマンションならペットOKだったじゃないっすかぁああ!」
ニックさんが泣いて鼻水垂らしながら総長に抱きついています。
ニックさんは総長を怖がっている割には命知らずというか、総長に懐いているんですよね。なんだかんだで2人は仲良しです。
「俺が生き物なんて飼えるか!ってか、飼い方もわかんねぇつーの!!」
「でも長官、ペット飼ってると女子にモテるっすよ!俺家で猫飼ってるんだ(キリッ)とか言って、女の子を家に連れ込み放題っすよぉぉぉ!」
「んな事する必要ねぇ!」
「アンズさんだって猫好きっすよおおぉ。ここで猫を見捨てたらアンズさんも悲しむっすよおおおぉぉ!」
んん?
なんだか変な方向に話がいっていませんか?
私は総長が猫を飼わなくても軽蔑したりなんかしませんよ。
それに総長、基本的に動物から怖がられる体質じゃないですか。
騎士団で暴れ馬と評判の気性が激しい馬も、総長のヒト睨みで厩舎の隅に縮こまってブルブル震えていましたし。
前に街に「ヘル・ハウンド」という犬型の魔物が出現して暴れまわっていた時も、なぜか騎士団から要請を受けた総長が出ていき睨んだだけで「キュイーン、キュイーン」と悲惨な声で鳴き出して。お腹を見せて服従のポーズをとっていましたし(その後、魔物はあっけなく騎士団から討伐されました)。
動物は本能で強者を見分けると言いますし、それだけ総長が強いって事なのでしょうか。でも動物から怖がられて思う存分モフモフできないなんて、人生の半分は損していますよね。そう思うと、なんだか総長が可哀想に思えてきました…(哀れみの目)。
と、失礼な事を考えていたら、総長が私の方を見て尋ねてきました。
「おい、アンズ」
「はい」
「お前、猫が好きなのか?」
猫が好きかどうか。
はい、好きですね。
モフモフは人類の癒しです。
それより総長、胸元にニックさんの鼻水がついてます。早く拭かないと汚いですよ。
「はい、好きですよ」
「そっか」
「ほら、俺が言った通り、アンズさんも猫好きでしょ?」
「うっせぇ!テメぇは黙ってろ!」
ニックさんが総長から小突かれました。
すごい勢いで床に顔面が衝突しましたが、大丈夫でしょうか。
「ちっ…わかった。その猫は俺が面倒見てやる」
総長が頬を指でかきながら、子猫をヒョイとすくいあげました。
子猫が総長を怖がって震え上がり失禁しちゃうのではないかと心配しましたが、「にゃ~ん」とご機嫌な声を出しています。
そのまま総長の腕の中に抱かれ、総長の手を舐め始めました。どうやら総長の事を気に入っているようです。ふふふ、黒いオーラを漂わせている総長と真っ黒な猫だなんて、なんだか魔王と使い魔みたいですね。
それに…うん、やっぱり総長は優しいです。
顔は怖いし動物からも恐れられますが、なんだかんだで弱いものを放っておけないんですよね。
「長官、ありがとうございます」
「あぁ?別にお前に礼を言われる筋合いはねぇよ」
素直じゃないところが、なんとなく可愛いなぁなんて思っているのは秘密です。
こんな優しい総長の下で働けて私は幸せです。
『よし、猫という理由があればアンズを家に誘えるな』
って、総長!下心で猫を飼うのはヤメてください!!
アンズ 「そんな理由では絶対に総長の家に行きませんからね!」(でも、誘われたら結局着いていく)