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番外編① 危険です。間違いなくこの場所は危険です。

今日から付き合い始めた私と総長。

お酒を飲んだ後のカップルが、夜に彼氏の家に遊びに行って。

その後にすることといえば………(ゴクリ)。



これってもしかして、かなりマズイ状況なのでは………!?



いえ、私もアラサーで貞操を気にする年齢ではありませんし。総長とはもう付き合っていて(今朝からだけど)、さらに結婚までほぼ確定している状況なのですから(かなり無理やりだったけど)。

総長とそういう関係になるのはやぶさかではないというか、むしろ興味津々ではあるのですが。

でも、今日はダメです。なぜなら………




今日は「鉄壁完全ガードパンティ」だから!!




というのも、今朝、総長の家を出て猛特急で自宅まで帰り、猛スピードで出社準備をしまして。クローゼットの中から慌てて取り出した下着を、よく確認もせずにそのまま身に着けていたらですね。


おへその下らへんまで布地がある「冷え性対策パンティー」を履いていたのです。


お腹からお尻まですっぽり覆って包み込んでくれる大変布面積が広い温かいヤツです。ちなみに色はベージュです。年季が入っているのでヨレヨレです。


くっ………、せめてもう少し布面積が小さいオシャレパンティでしたら心置きなく総長との大人なラブを楽しめたかもしれませんが、この「お腹完全ガードの鉄壁パンティ」でエロスな展開に突入するのは女子としてアウトです。


私が悶々としながら青くなっていると………



「そんなに警戒しなくても、いきなり襲ったりしねぇよ」



総長が呆れたように言いました。

いえ、総長を警戒しているというよりは自分の女子力のなさにガッカリしているのですが、ここは誤解してもらっていた方がいいでしょう。私のちっぽけな乙女心のために。



「本当ですか?」



ですが、油断は禁物です。総長はエロスな展開に持ち込むのに慣れている感がします。顔は怖いくせに女慣れしたタラシ属性を持っているケシカラン男です。

何としても今日は「絶対にエッチ無しよ☆」という雰囲気に持っていかなければ。



「なんなら、俺の本音を聞かせてやろうか?」



総長の本音………つまり心の声という事ですね。どういう仕組みなのかわかりませんが、総長は心の声を調整している節があり。私に聞かれたくない事は、私の前では考えないようにしているらしいです。


総長をじっと見つめながら、頭の中に直接響いてくる心の声に耳を傾けると………




『抱きてぇ抱きてぇ抱きてぇ抱きてぇ抱きてぇ』




襲う気満々じゃないですか!!

危険です。間違いなくこの場所は危険です。早く離脱しなければ。



「長官、私、今から帰らせていただきます」

「悪ぃ悪ぃ、冗談だ。お前が嫌がってるのに襲ったりしねぇから、ひとまず中に入れよ」

「本当ですか?」

「あぁ、本当だ」



なんとなく腑に落ちないものがありますが。

思えば今までも総長は心の声で私をからかいながらも、無理矢理私を襲うなんてことはありませんでした(多少強引なことはありましたが)。

ここは総長を信じて中に入りましょう。



『と、油断させといて押し倒すところまでがマストだな』



「長官!どっちなんですか!?」

「さぁ、どっちだろーな?」

「私をからかわないでください!」

「俺はいつでも本気だが?」

「どこがですか?いつも私で遊んでいたじゃないですか!」

「そー言われれば、そんな気もしてきたな」


「か え り ま す よ ?」


「冗談だよ。ほら、アンズが前に気に入ってたワインあったろ?あれ仕入れてるから、飲んでけよ」



まったく、こんな時にお酒の好みを把握されていると弱いですね。

総長は危険ですが、美味しいワインを逃すのは惜しすぎます。




結局、美味しいワインに釣られた私は、靴を脱いで部屋の中に入り。総長から「テキトーにソファーに座ってろ」と言われまして。L字のソファーに腰掛け、黒猫ちゃんと戯れながら待っていたら………。


ワインとおつまみを持った総長がやってきました。


ちなみにおつまみは「チーズとハムと総長の手作りらしい貝の白ワイン蒸し」です。さすが、総長。完璧に私の好みを把握しています。

美味しいワインに美味しいおつまみ。

このダブルコンボの誘惑に勝てる人がいるでしょうか、いやいません。



「さ、飲むか」

「はい、乾杯しましょう」



お互いワイングラスを合わせ、ワインをいただきます。

あぁ、やっぱりこのワインは美味しい。美味しいお酒を飲むと、疲れた心が癒されますよね。

そしておつまみも美味しい。特に総長の手作りが美味しい。最高です。

前にも思いましたが、総長は顔は怖いのに料理が上手ですよねぇ。いい。料理上手な男性っていい。


美味しいワインと美味しい料理に気分が急上昇していきます。


ふふふ、それにしても、やっぱり総長は純粋に私と一緒に飲み直したかっただけなんですね。疑ってスミマセン、総長。それなのに私ったら変に意識して総長を警戒して恥ずかしいですね。総長は根本的にはいつも私に優しかったですし。むしろ私の頭の中の方が煩悩だらけなような。申し訳ないです。





………なんて思っていた時が私にもありました。





総長と飲み直し始めて約1時間後。



なぜか、現在。



私は総長からソファーに押し倒されており。



私の頬に手を添えた総長の顔が。



段々と下に迫ってきている最中です。





あ、あれ?確か私はさっき、追加のワインを取りに行こうと思って立ち上がったところでふらついて。

それで総長に支えられたはずなのですが………。




そこからなぜにこのような体勢に!?!?!?




って、今はそんな事を考えている場合ではありません。

パンツ!今日の私のパンツは「鉄壁ガードパンティ」です。こんな物を総長に見せるわけにはいきません。



「ダ、ダメです、長官!」



両手を前に出して総長を押しのけようとしたら、あっさり両手とも総長に捕まえられ。

さらに、捉えられた両手を頭の上で一つにまとめられて、ソファーに縫い付けられ。



「何がダメなんだ?」



猛禽類を思わせるような、それでいて情欲を孕んだ瞳で総長から見下ろされ。


あ、これ、日本の漫画で見たことがあります。この後エロスな展開に発展するヤツです。ですが、今回ばっかりはこれ以上エロスな展開には持っていかせるワケにはいきません。

ノー・モア・エロス!絶対にエッチ無しよ☆

これが私の合言葉です。



「長官、私が嫌がるならそういう事しないって言ったじゃないですか!」

「んな事言ったか?」

「言いました!」

「記憶にねぇな」



それ不正がバレた時の政治家のセリフですよ!

というか、会話しながらも段々と総長の顔が間近に迫って………。

ダ、ダメです!ノー・モア・エロス!絶対にエッチ無しよ☆

今日だけは総長の好きにはさせません!!



「長官、今日はダメです。理由は言えませんが、とにかく今日はダメなんです!」



私が必死にお願いすると、下に迫っていた総長の顔がピタリと止まりました。



()()()?」

「はい、()()()、です」

「生理………じゃねぇな」

「確かに違いますけど、なんで長官がわかるんですか!」

「細けぇ事は気にすんな」

「気にします!」


本当になんで総長が私の生理まで把握してるんですか。色々と把握されていて怖いんですけど。って、言いながらも徐々に顔を近づけてくるのやめてください。

ノー・モア・エロス!ノー・モア・エロス!絶対にエッチ無しよ☆



「生理じゃねぇ。でも今日はしたかねぇ、か」

「はい」

「理由は?」

「言えません」

「そうか、わかった」



そう言って、私の間近にまで迫っていた顔を離してくれました。

良かった、どうにかあきらめてくれたようです。

これで私の「鉄壁完全ガードパンティ」を見られずにすみます。




「なら、お前をその気にさせれば問題ねぇな」





って、全然あきらめてないじゃないですかぁぁぁ!!




本性が完全にバレたので、全力でアンズで遊ぶ総長(大人げない32歳)。

ファンサービスとは一体………。



総長 「アンズ、ファンサービスにならねぇだろ。そろそろ覚悟決めろ」

アンズ「絶対に嫌です!(鉄壁ガードパンティは守り切ります!)」

総長 「仕方ねぇ、奥の手を使うか」

アンズ「(嫌な予感しかしない!)」


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