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長官を襲うチャンスっすよ


「いえ、そうじゃなくて!長官、熱があるみたいなんです!!」

「「「え?」」」



これ、意識朦朧で倒れているパターンです。身体中熱いですし、間違いなく高熱です。いけない。すぐに休ませないと。



「あー、そういえば長官、昨日ずっと外で雨に打たれてたらしいっすよ」

「えー、昨日ってスゴイ大雨じゃなかったですかー、何やってるんですかねー」

「まぁ、色々と頭を冷やしたい事でもあったんでしょ」



それって、もしかして昨日、あの後ずっと外にいたって事ですか!?昨日は総長と別れた後、雨がますます酷くなって雷までなっていましたけど!?そんな中で外にいたら体調を崩して当然ですよ!



「あ、アンズさん、重いでしょ。代わりますよ」



私が青ざめていると、ニックさんが私から総長を剥ぎ取り肩に担ぎました。



「長官、クラム長官、聞こえますか?熱あるみたいなんで今日はもう家に帰って休んでくださいね」

「あぁ?俺は大丈夫だ」



先程まで朦朧としていた総長ですが、意識が戻ったようですね。

少し安心しました。



「あ、アンズさん。今から長官を家に連れて行きますから、一緒に来てくださいよ」

「わかりました。荷物とってきますね」

「ニック、余計な事すんじゃねぇ」

「そうは言っても長官、スゴイ熱っすよ」

「このくらいの熱どうってことねぇ」

「それふらついて倒れた人がいうセリフじゃないです」

「うっせぇ、今すぐ俺を下ろせ」

「長官。俺にこのまま担がれるのと、お姫様抱っこで運ばれるのとどっちがいいんすか?」

「・・・・・・・・」



スゴイ。あのニックさんが総長を言い負かしてます。ちょっと感動です。

って、そんな事を考えている場合ではありません。今は総長です。


荷物を持って、後のことをシルヴィアさんとエスメちゃんに頼んで。



「こっちは大丈夫だから、長官のことヨロシクね」

「アンズさんの午後の有給申請は私がしときますよー」

「2人とも、ありがとうございます」



2人にお礼を言ってから、もう一度ニックさんのところに戻ります。



「準備できたら俺の手握ってください」

「え?」

「あ、違いますよ。変な意味じゃなくてですね。俺のスキル“空間魔法”なんで。簡単に言えばテレポートできるんすよ。今から長官の家まで移動します」

「ニック、アンズに触んじゃねぇ」

「長官、こんな時にヤキモチ焼くの勘弁してくださいよ。………あー、だったらアンズさん。俺の腕に触ってください。それでもなんとかいけますんで」

「は、はい。よろしくお願いします」



テレポートなんて初めてです。少しドキドキしつつニックさんの腕に触れると。

一瞬空間が歪んだかと思ったら、身知らない場所に着いていました。

ここは、総長のマンションの玄関でしょうか。



「にゃぁ~」



廊下の奥から毛並みの綺麗な黒猫がやってきました。

首には以前総長と一緒に出かけた時に選んだ赤い皮の首輪がついています。

という事は、この猫は黒猫ちゃんで、この部屋は総長の部屋で間違いないようです。



「黒猫ちゃん。元気だったっすか?長官倒れたんで休ませるために連れ帰ってきました。中に入っていいっすか?」

「にゃぁ~」



ニックさんが律儀に黒猫ちゃんの許可(?)をとった後、靴を脱いで家の中に入っていきます。



「お邪魔します」



私も後をついて中に入ったのですが。


ここが総長が住んでいる場所ですか。本や書類が多いですが、割と綺麗に片付いていますね。男性の一人暮らしの家って入った事がほとんどないので、つい気になってキョロキョロと見回しちゃいます。


あ、リビングに黒猫ちゃん用のクッションや遊び道具が置かれています。

私の家にある自分用クッションより高級そうなのがちょっと複雑な気持ちですが、なんだかんだで総長って黒猫ちゃんを可愛がってるんですよね。


って、こんなにジロジロ見たら失礼ですね。



「あ、アンズさん。長官は解熱剤飲ませてベッドで寝かせときましたね。昨日寝てなかったっぽいんで、しばらく寝たら落ち着くと思いますよ。長官、基本的に頑丈なんで」

「そうなんですね。良かったです」

「それじゃ、俺帰りますから。後よろしくお願いします」



え、ちょっと待ってください。

ニックさんが帰ったら総長と2人きりになっちゃうじゃないですか。いくら病人とはいえ、さすがにそれは色々と不味いのでは。それに今総長と2人きりなのは気まずいですし。なにより総長の家初めてだから何がどこにあるかもわかりませんし。



「待って!ニックさんも一緒に看病するんだよね?」

「えー、男の看病とか嫌っすよ。アンズさん一人でよろしくお願いします」

「でも………」

「アンズさん、いいっすか?今から長官と2人きりって事はですよ?」

「う、うん」

「長官を襲うチャンスっすよ」

「えぇぇぇ!?」



ちょっと待ってください。

私が総長を襲う!?どうしてそんな発想になるんですか?意味がわからないんですけど!!


「まぁ、それは半分冗談ですけど。長官、強引だしいつも振り回されてるんじゃないですか?」


う、否定できません。

確かにいつも私が長官に振り回されています。


「だから長官が弱っている今こそ、アンズさんが長官を振り回したらいいですよ!」


私が長官を振り回す?そんな事できない気がするのですか。



「それに、長官となんかあったんでしょ?長官わかりにくいかもですけど、スッゲー落ち込んでたんで。早く仲直りしてあげてください」



う、確かに何かありましたけど。

でも、どうやって仲直りしたらいいかわからないというか。

そもそも総長はもう私の事は好きではなくなっていると思いますし。


「それじゃ、俺行きますね。明日長官とアンズさんが2人揃って休んだら有給処理しときますんで安心してください!」


そう言って爽やかに笑った後、ニックさんはテレポートで消えちゃったんですけど。



えっと…私、この状況で今から何をすればいいのでしょうか?




次回でラストです。

間に合えば本日の夜に更新予定です。



総長のスキルが出てきてないのに、ニックのスキルが出てくる謎。


アンズ「そういえば、長官はどんなスキルなんだろ?」

ニック「絶対に見ないほうがいいっすよ!エゲツないんで!!」


そして総長のスキルは最後まで出てこない予定です(え?)。

そのうち、番外編とかで…出てくる…かも(震え声)

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