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まさか総長にそんな趣味が…(ゴクリ)

「お待たせしました」


今並んで座る私と総長の目の前にはイケ爺様が持ってきた四角の箱があり、この中に総長からのプレゼントが入っているはずです。


男性からのプレゼント。


普通だったら心がワクワクとときめく素敵イベントのはずなのですが、先程の総長の心の声




『これで遠慮なくアンズに虫除けの首輪をハメれるなァ』(ドス黒い声&ドス黒い笑み)




を聞いてから、本当に首輪が入っているんじゃないかと思うと別の意味でドキドキが止まりません。そういえば職場でニックさんと首輪の話をしていた時も猫耳&猫しっぽ&首輪付きで女豹ポーズの私を想像していましたし。



まさか総長にそんな趣味が…(ゴクリ)



いえ、いくら総長といえどさすがに人に本物の首輪なんてつけるとは思えませんが。そこはまあ異世界ですし。私の考え及ばない常識があるかもしれないというか、首輪に鎖を付けられ「オラ、このメス豚がぁ!薬漬けにして風俗に落とすぞっ!」的な展開が待っている可能性が(注 アンズの偏ったヤクザイメージ)。


いえ、総長に限ってそんな事があるワケないです。ええ、そうですとも。



「どうかされましたか、お若いレディ?どうぞ箱を開けてください」



イケ爺様に促され、ドキドキしつつ震える手でボックスを開けると、中には私が選んだ一粒ダイヤが………あれ?ダイヤが2つありますね??



って、これピアスじゃないですか!



普段オシャレらしいオシャレをしない私ですが、唯一ピアスだけはちょっと奮発した物を身につけていたりするんです。とは言っても、こちらの世界で購入した物ではなく日本でつけていた物なのですが。


うわぁ、私が普段からピアスつけているから、それでピアスを選んでくれたんでしょうか。




「あの、触ってみてもいいですか?」

「お前のだからな。好きにしな」




ピアスを手に取り見てみると、ピアスのキャッチ部分が黒い鉱物(黒曜石でしょうか?)を加工し小さな花の形になっており、耳の裏側から見てもオシャレなデザインになっています。


表から見たら光り輝く一粒ダイヤ。裏から見たら真っ黒でシックな花の黒曜石。しかもこの黒は総長を思わせる色で。






「すごく、嬉しいです」







表の一粒ダイヤは私が選びましたが、裏面の黒曜石は総長が選んだものなのでしょう。

総長が私の事を考えながら、このピアスを選んでくれたのかと思うとそれだけで嬉しさが込み上げてきます。



「そりゃ良かった。ほら、つけてやるよ」



総長の筋張った手で元々付けていたピアスを外され、丁寧な手つきで新しいピアスをつけてもらいます。男性にピアスをつけてもらうのは初めてなので変な感じですね。


でも、総長からもらったピアスを総長の手で付けてもらうのは、くすぐったい気持ちになるというか、とても嬉しいです。


イケ爺様に渡された鏡でピアスを確認すると、私の耳に光り輝くピアスが。

なんだかこのピアスを付けているだけで、総長を近くに感じる気がして胸の中がじんわりと温かくなってきます。



「長官、ありがとうございます。私、大切にします」



総長にお礼を言うと、一瞬ほっとしたような表情になり




『値段で断られかけるとは思わなかったが、なんとか受け取ってくれたな』





それから、真剣な表情で言葉を続けました。



「アンズ、ピアスのダイヤには自動発動する結界魔法が付与されているし、黒曜石には俺の魔力も込められている。いざという時にお前を守ってくれるから、なるべくいつも身につけといて欲しい。………お前の素性を知ったヤツがお前を狙ってくる可能性もあるからな」



私の素性………私が異世界人って事ですね。私自身には何も特別な力も知識はないので、戦闘チートも知識チートもできませんから私を狙う意味なんてないのですが。唯一少し変わった力といえば女神様から頂いた“自分に好意を持っている人の心の声が聞こえるスキル”くらいですが、今のところ総長の心の声しか聞こえませんので悪用されるはずないですし。


でも、変な事を考える輩はどこにでもいますものね。気をつけるに越した事はないのでしょう。



「わかりました、できるだけ常に身につけておくようにします」



狙われるかもというのは少し怖いですが、でもそれ以上に総長が私の事をそこまで考えてくれていたというのが、ものすごく嬉しいです。


私は、私が思っている以上に総長から大切にされているんですね。




『よし、これでもしもの時でもアンズを守れるし………ついでに他の野郎も牽制できるな』




って、総長、そっちが本音ですか?

そんなに心配しなくてもアラサーの私を口説こうなんてする人はいませんよ。


ふふふ、総長って意外に心配性なんですね。





『さらに………これで俺の魔力でいつでもアンズの居場所を探知できるし』




ん?





『その気になれば私生活のアレコレを盗み聞きできるようになったワケだが………』





んん?





『この事は絶対にアンズに知られないようにしないとな』





………総長、全部聞こえてますよ?

というか、やっぱりこのピアス返していいですか?




■■流れが悪くなるのでカットした裏設定シーン(読まなくてOK)■■


「お若いレディ。クロム様は悪魔の再生師として名高いお方。たとえ一粒ダイヤが本物だったとしても全く財布は痛みませんので素直に受け取られるのが吉かと」


何ですかその「悪魔の再生師」という厨二病くさい通り名は。なんかもう今日は色々とお腹いっぱいなので新しい設定を盛り込まないで欲しいのですが。


「あぁ?ダセェ呼び名しやがって。破産寸前の職人を安くで買い上げただけだ」

「またまた、ご謙遜を。クロム様が投資した者は必ずと言っていい程その後成功すると有名ですぞ」

「返ってきてねぇ金もある。それ以上に当たった数ヶ所のリターンがでけぇだけだ」

「ははは、実は私も事業を畳もうとしていた時にクロム様に助けて頂いた口でして」

「魔法付与に関しては一級品の腕持ってんのに平民相手にぬるい仕事してるからだろ。テメェ程の腕があるなら貴族相手に大金踏んだくっとけばいいんだよ」


なるほどなるほど。説明ありがとうございます。


つまり総長は徴税課で提出された納税報告書をもとに事業がうまくいっていない人を見つけ、腕がいい人や将来の可能性が高い人に投資されていた、という事ですね。

日本の場合で言えば、暴落した株を安くで買い上げたり、事業コンサルしたりしているイメージでしょうか。で、総長が投資した人やお店が大きく成長し、投資金の何十倍ものリターンが入ってきている、と。


■■ カットここまで ■■


というワケで、総長はかなりのお金持ち。

総長が投資した職人の中には世界各国に輸出する程有名になった人が数人おり、そこからのリターンが毎月けっこうな額入ってます。


ちなみに投資で得た収入なのでその分支払っている税金も恐ろしい金額に………(投資で得られる所得税は税率が高い設定)。総長は税金対策を全くしてないので収入の半分以上は税金で収めてるけど、本人はそれでいいと思ってます。


あと、総長が落ちぶれかけた職人や平民にアフターケア(就職支援の案内や場合によっては個人投資)しているので、本来なら得られなくなる税金が得られるように復活しており、この国の税収も右肩上がり状態。


………といった裏設定があるのですが、今後出すかどうか分からないのでこちらで書いてみました。いくつかあった小説の終わらせ方案をやっと本日1つに絞ったら、裏設定全く関係ないものになったので(ついでに数日前にアップした総長の過去話も関係ないものになった…orz)

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