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3話

みとりの実家

緊張する…でも聖奈の頼みだし。チャイム鳴らすか

「はーい!どちら様?ってみとり?」

「久しぶり…とでも言えばいいかしら。母さん」

「急にどうしたの?」

「聖奈に会いに行ってくれと頼まれたからきたのよ」

「とりあえず家に入りなさい!」

「分かったわ」

数分後

「心配してたんだよ。一人暮らしは大丈夫か不安で…」

「あまり大丈夫ではなかったわ。どこぞの誰かさんが聖奈から実体を抜き取って私の意識回復に使ったんだから」

「あれはみとりの為に!それに聖奈も許可出してたし…」

「ただ聖奈を唆しただけでしょ」

「そ、それは…」

「私の為を思ってるなら聖奈に実体を返して上げてよ。親ガチャはずれもいい所だわ。って電話?誰よ…もしもし」

「みとりちゃん!」

「聖奈?!」

「髪留め、見てご覧」

「これは…」

「小型盗聴器だよ」

「はぁ。何を急に」

「お母さんに酷い事言ってるでしょ?」

「嘘をついても無駄ね」

「もし私が自殺したら実体は強制的にみとりちゃんのものになる。言ってる意味は分かるよね?」

「脅しかしら?」

「脅しだよ」

「分かったわよ」

「聖奈から?」

「そうよ」

「なんか言ってた?私の事怒ってなかった?」

「怒ってなかったわよ。安心しなさい」

「はぁ…よかった」

「あの…さっきは酷い事言って悪かったわ。ごめんなさい」

「どうしたの!急に!」

「聖奈に怒られたのよ。盗聴されてたらしくてね」

「聖奈ちゃん…」

「今日は沢山親孝行するわ。聖奈に頼まれたしね」

たまにはいいかもね

「ご飯作ったわよ」

「ありがとう!嬉しい」

「あ、ありがとう」

数時間後

「私はそろそろ帰るわ」

「夜道は気をつけてね」

「分かったわ」

夜道

薄暗いわね…早く帰らないと

「えい!」

「だれ?!」

「わ、た、し!」

「聖奈のお母さん?!」

「何用ですか?」

「そうね…単刀直入に言うわ!聖奈の実体を返しなさい…!」

やっぱり…聖奈のお母さんが持ってるのはナイフね

「いいですよ。このナイフで私を刺してください。止めませんのでご自由に」

「え?!」

「私はずっと思ってたんです。聖奈に失態を返したいと…でも自殺なら聖奈は悲しむ。他殺なら自殺よりは聖奈が感じる絶望の量を少しは減らせます」

「なんか殺す気が失せたわ」

「あなたはそれでも母親ですか?」

「あら?どういう事?」

「なんで私を殺して聖奈の実体を取り戻すチャンスがあるのに殺らないんですか?」

「なんでって…」

この人、頭に血が上ってたのね

「死にたくても死ねない。贅沢は言えないですがせめて死ぬなら聖奈の傍で死ねたら幸せだと思ってます」

「みとりちゃん…」

「安心してください。あなたが殺そうが殺さなかろうがどの道私の母親が死ねば聖奈の実体は元に戻ります」

「ちょっと公園で話さない?」

「いいですよ」

公園

「まさか私の思ってる事、分かってた?」

「はい。私に対するどす黒い感情は全て分かってました」

「聖奈には、気づかれてないかな?」

「聖奈は多分気づきません。聖奈はあなたの事を大事にしていますから」

「ありがとう」

「お礼なんていいですよ。はぁ…やっぱり聖奈のお母さんは怒ってるし実体を返すべきなのかな?」

「みとりちゃん?!」

「あなたは今ここで私を殺すことはできますか?」

「それは…」

「ないのは当たり前です。実際やろうとするとかなりプレッシャーがかかりますから。あの時は頭に血が上っていただけです。それにしても随分早く冷静になれましたね。凄いです」

「ありがとう」

「あなたは私が自殺したらどう思いますか?」

「分からないわ。みとりちゃんに怒りは持ってるけど…聖奈の事を考えたら止めるんじゃないかしら?」

「そうですか」

「最近聖奈が家事を手伝うようになってね。聖奈は霊体化したから疲れを感じなくなったのよ」

「え?!それって…」

そんな事聞いてないわ!

「聖奈は今のこの状況をプラスに活かしたいって言って家事の多くをやるようになったの。そのせいで私の仕事の量は随分と減っちゃったけどね」

「聖奈…」

「私はみとりちゃんの事を恨んでるけど聖奈に対する思いは認めている。安心しなさい」

「恨まれてる方がかえって楽です」

「みとりちゃん、怖いよ」

「まぁいいです。その言葉は嘘ではないようですし。私は帰ります」

「じゃあね」

みとりの家

「はぁ…疲れた。そういえば髪留めから盗聴器を取るの忘れてたわ。まさか!」

さっきの話聞かれてた?!

「電話しないと!」

「みとりちゃんどうしたの?」

「聖奈!盗聴器でどこまで聞いてたの?!」

聖奈はみとりに恋愛感情を持っていますが残念ながらみとりが聖奈に実体を返さなくてもよくならない限りそれが叶う事はありません。理由は寿命の長さが聖奈>みとりと決まっているからです。もし恋人関係になった場合聖奈の受ける精神ダメージがとんでもない事になってしまいます。恋人関係を築くにはまず互いの寿命関係を解決する必要があります

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