1話
このお話はみとりが交通事故で植物状態から5年後のお話
釣り場
「海は広いな。いっそ飛び出そうかな」
私の生きる意味、なんなんだろ?でも死ぬ勇気はでない。死んだらあいつは
「みとりちゃーん!みーつけた!」
聖奈だ。何しにここへ…
「みとりちゃんはここで何しようとしてたの?」
「別に何も。海を眺めてただけ」
「まさか海に身を投げ出そうだなんて思ってないよね?!」
こいつはエスパーか?
「あんたは私を殺そうとは思わないの?あんたが幽霊化した原因は私よ?」
「海でこんな事いわないでよ。わ逆の立場で考えてごらん?もし私がみとりちゃんの実体を生きていて罪悪感で自殺しようとしてたらどうする?」
「それは…」
こいつ、痛いところを突いてくる…
「大切な人を助けられた。その対価が実体なら安いもんさ」
「あんたの親はあんたが幽霊化した事に対して怒ってないの?」
「ないよ」
こいつ、あっさり言うわね。親は何を考えているのかしら?
「みとりちゃんが植物状態になった時はさ、私物凄く絶望したんだ。大切な人を失うってこんなにも辛いんだって実感したよ」
「私の親は私が聖奈の元に実体を戻すようお願いしても聞いてくれなかった…あんたの時間を奪ってまで生きたくなかったよ」
「そりゃ聞くわけないじゃん。解放の術だっけ?それを使わないように圧をかけといたからね」
嘘?!初耳なんだけど!
「みとりちゃん、親にもう少し優しくしなよ。最近会いに行けてないみたいだし」
「今のあんたの実体は私の精神世界の中。あんたの意思で私から実体を取り戻す事ができるようになれば少しは気が楽になるんだけどね」
「みとりちゃんにはもっと生きる事に積極的になって欲しいよ」
「植物状態から回復してあんたの実体を頼らずに生けていけるのなら生きていきたいわね」
「げ!結構無茶いうね…」
「あんたは、私に実体を渡した時、苦しくなかったの?」
「渡して霊体化した時は苦しかったけど今はそれほど苦しくないかな」
「今は苦しくないの?」
「超苦しいよ。みとりちゃんが私の実体を使って生きている事に罪悪感を持ってるんだから。体は痛まなくても心は痛むんだよ」
こいつ、結構考えてるのね…。すこし刺激してみようかしら
「あんたの母さんって毒親よね。子供が霊体化していてその霊体化の原因が分かってるのに解決しようとしないんだから」
「むー!母さんは私のやりたい事を尊重してくれてるの!馬鹿にしないで!」
「私に実体を渡して植物状態から回復させるのはあなたのやりたい事だったの?」
「当たり前だよ!」
「母さんに唆されただけでしょ…母さんの事だからこの機会を逃したらもう助からないかもしれないとか言われたんじゃない?」
「それは…」
「私の母さんは私を助ける為にあんたを唆して実体を抜き出した。母さんに利用されたのよ。聖奈は」
「う、うぅぅぅ」
「私の母さんは私を失うのを恐れているから解放の術を使おうとはしない。使ったら私が植物状態に戻るからね。実体を失って霊体化したあなたの事なんかちっとも考えていない」
「そこまで言わなくてもいいじゃん!」
「じゃあ母さんに実体を取り戻したいから解決の術を使ってと頼んで見なさい。あいつは駄々をこねるわ」
「当たり前でしょ!使えるわけないじゃん!」
「なんでそう思うのかしら?」
「大切な人が植物状態になるんだよ!嫌に決まってるじゃん!もし私が解放の術を使ってと頼んで仮に使ったら私はみとりちゃんのお母さんを親として認めない!」
「聖奈の親は聖奈の実体が私の意識回復に使われてるのを放置してる。それは毒親と言わずになんと呼ぶのかしら?」
「私は親とコミニュケーションを取れるからいいの!でもみとりちゃんは違うでしょ!植物状態になったらコミニュケーション取れないんだよ?親を大切にしてよ!」
乱れてきたわね…
「親が他人を犠牲にして子供を助けたら子供はどう思うのかしら?」
「それは…」
「はっきり言うわ。私を生かす為に母さんが利用したのよ。その結果霊体化してしまった聖奈を聖奈の親は放置している。本当に大切に思ってるなら私を殺しにくるはずよ?」
「じゃあみとりちゃんは私が植物状態になった時私の母さんに実体を渡してくれって頼まれたらどうするの?!」
「それは…」
「みとりちゃんのお母さんはなにも酷いことなんてしていない!私はみとりちゃんが植物状態になったからみとりちゃんのお母さんが感じている苦しみは分かったの!みとりちゃんのお母さんに酷い事言わないでよ!自分が消える事で悲しむ人の気持ちを考えて!このバカ!」
「聖奈…」
「グス…みとりちゃんのバカ…!」
「悪かったわ。謝るわ。だから泣き止みなさい」
「泣き止むけど許さない!この親不孝者!」
「どうしたら許してくれる?」
「私の家にきて?」
何をする気?でも…
「いいわ」
「じゃあ行こうか!」
聖奈の家
「ただいま!」
「お邪魔します…」
「おかえり。あら!みとりちゃん、いらっしゃい!」
「久しぶりですね」
「みとりちゃん!おいで!」
「ちょっと!」
「ふふ。元気ね」
聖奈の部屋
落ち着かない…
「やっぱり、落ち着かないかな」
「ええ。後ろめたい感情はあるからね」
「飲み物持ってくるから待ってて!」
「分かった」
聖奈が飲み物取りに行った…暇だ
「ちょっといいかしら?」
「聖奈のお母さん?!」
「あら?聖奈は?」
「聖奈なら飲み物取りに行きました」
「そう。ありがとう」
「あ、あの!」
「なに?」
これだけは聞いときたい!
「私の事、恨んてないんですか?」
誰かキャラデザ描いてください。300兆ジンバブエドル差し上げます(日本円で1円)←ナメテヤガルコイツ。冗談は置いといて聖奈は某動画サイトで消されまくったゲームのキャラからとっておりみとりはニコ動で一時期流行った某赤河童が元ネタです。2人とも元ネタがゲームに関係するのは単なる私の趣味です。要件があるならTwitterにまでお願いします
Twitter @amane_saki1110