5話
過去
「みとりちゃーん!」
「聖奈…」
「ねぇねぇ!みとりちゃん!」
「ごめんなさいね。私はやることがあるの」
「何?」
瑞葉がやった事は現代にも影響するって言ってたわね…過去の自分を殺せば歴史は!
「それをあなたが知る必要は無いわ」
言ったら大変な事になりそうね
「うーん!さてはみとりちゃん、自分自身を殺しに行くつもりだな!」
どうして?!ポーカーフェイスで乗り切らないと…
「そんな事ないわよ。ノスタルジアに浸りたいだけ」
「嘘をつくな!」
「嘘じゃないわよ」
しつこいわね…
「じゃあ私もついてっていい?」
こいつ…!
「ダメよ」
「どうして!理由言え!」
なんて反論すればいいかしら…ってまてよ!
「恨まないでね。あなたの為なの!」
「み、みとりちゃん…やめ…」
大人しくなったわね…
「安心しなさい。死にはしないわ。少し眠ってもらうだけよ」
病院
「患者の名前のの所に私の名前ね…この扉の向こうに植物状態の私が…」
緊張するわね…
「辞めておいた方がいいよ!」
「え?!誰?!」
「ひひひ!誰かわかる〜?」
「分かるわけないでしょ。名前は?」
「人に名を聞くときは自分から名乗るのが先じゃないの〜?」
「どうせ私の名前なんて知ってるんでしょ!」
「あったりー!凄いね!パチパチパチ!」
「で、あなたは誰なの?」
「よくぞ聞いてくれました!私は怨みと後悔を見据える天使!クローバー・テイラーです!」
「とても天使が見据えちゃいえないものを見据えてるわね…」
「大切な友人が失ってから壊れたのよ。ルシアちゃん…辛いわ!ってそんな事はどうでも良くて今過去の自分と会おうとしたよね?!」
ルシアって誰かしら?
「そうだけど」
「みとり、そんな事をしたら大変な事になるよ!歴史がこんがらがるぞ!」
「それってどういう…」
「タイムリープする上で1番の敵は過去、もしくは未来の自分。その2人が出くわしたら2人とも死ぬことになるよ?」
「え?!」
「いくら夢魂とはいえ過去の自分と会うのは予想以上に危険な事なんだ!瑞葉から言われなかったの?」
「…」
「もう少しだけ、粘ってみてもいいんじゃない?世の中捨てたもんじゃないよ!」
「…そうね。ありがとう。でもどうしてあなたは私の所へ?」
「もう1人のみとりがね、同じ過ちを繰り返そうとしてたからさ。私も大切な人を失った。聖奈に辛い思いをさせたくないんだよ」
「もう1人の私?まぁいいわ。そう言えば瑞葉は今どうなってるの?」
「瑞葉は…(どうしよう…もう1人のみとりが溶かしたなんて言えない…)」
「みとりちゃーん!」
「聖奈!」
「おっと私はお暇しますね~!バイビー!」
「ちょっとまち…」
「みとりちゃん!辞めて!」
「聖奈…!」
「私、みとりちゃんが死んだら生きていけない…辞めてよ!私の希望を壊さないでよ…!」
「分かったわ」
「ほんと!やったー!」
「ここは危険だから離れるわよ。過去と私と未来の私が会うと何が起きるか分からないし」
数分後
公園
「みとりちゃんはもう来れないの?」
「ええ。私は次元の世界に帰ったら戻って来れなくなっちゃうの」
「そうか…でも私は大丈夫だぞ!みとりちゃんが未来で生きている!これだけで十分幸せだ!」
「そう…嬉しいわ」
まだ時間は結構あるわね…
「ねぇ…聖奈」
「なに?」
「あなたにとっての親って何?」
「大切な子供を助ける為なら何でもする人!」
「あなたに聞いた私が馬鹿だったわ。私はお母さんとやっていけるか、分からないのよ」
「真面目だぞ!」
「そうね。あなたは真面目よね。変わってないわ」
数時間
「そろそろ時間が来たわね」
「未来の私によろしくな!」
「分かったわ」
夢の世界
ここは…夢の世界?瑞葉は?
「お目覚めですか?」
「?!」
だれ?!
「ふふ。安心してください。私はあなたの味方です!」
「あなたは…」
「ルシア・マーク。植物の力と平穏をもたらす悪魔です!」
ルシア?どっかで聞いた気が…
「さっきあった人は…あれ?思い出せない…!何故だ…!」
「クローバーですね!全く!あの人は何をしてるんですか!私を復活させる為とはいえ無茶しすぎです!」
「そうだ!クローバーだ!天使という名の悪魔だったわね…」
「悪魔は私です。死んでますけどね」
「どうして私に?」
「クローバーと接触があったからです!」
「意味わからないわ!」
「私もです!」
「はぁ…とりあえずちゃんと説明しなさい」
「分かりました。私は元はクローバーに殺された天使です」
「うんうん…」
「クローバーが生きる為には私を殺す必要がありました。クローバーは殺したくありませんでしたが生きたいという本能には逆らう事ができず殺してしまったのです」
「うんうん…」
「殺された後は霊体となり天界で偉いものの餌になる予定でしたが私はなんとかしてそれを回避しました」
「うんうん…」
「私の姉さんが悪魔の魂レーダーを使って私はまだ完全に死んでいない事を伝えた事によりクローバーは私を復活させる為に動くようになったのです」
「うんうん…」
「その後クローバーは行方不明になり何故か時を停めれた私は異世界に行く力を手に入れたからクローバー私も探していた所なのです!」
「で、偶然さっき私とクローバーを話しているのを見つけたという訳ね」
「はい!やっと見つかりました!ありがとうございます!」
「どういたしまして。さよなら!」
「待ってください!まだ話は終わっていません!」
「なによ…」
「聖奈、大事にしてくださいね」
「…分かったわよ。じゃあね」
数分後
「はぁ…クローバー、私の為に無茶ばっかして。落ちこぼれの悪魔の為にここまでしてバカみたい」