3日目1話
みとりの家
「んー…」
眠い
「みとりちゃんおはよー!」
「聖奈…あれ?お母さんは?」
「どこに言っちゃったんだろう?」
「ここよ」
「母さん…ナイフは、持ってないね」
「あの時は、ごめんなさい」
「それで許されると思ってるの?」
「…やっぱりダメ?」
「母さんが刺したのはみとりちゃん。謝る対象が違うよ。母さん」
「お母さんは昨日きちんと謝ったわ。もう責めないであげて」
「みとりちゃんが言うなら」
「お母さんも聖奈と仲直りしてください。家族でしょ?嫌いあっちゃダメです」
「分かったわ」
数時間後
「和解、できた?」
「うん。ありがとう」
口調が…
「ねぇ、口調が前のに戻ってない?」
「子供っぽい方が良かった?」
「聖奈の好きにするといいわ」
「みとりちゃん、大好き!私、みとりちゃんには沢山甘える!」
「嬉しいわ」
「私がみとりちゃんに完全に実体を渡す方法、教えてくれる?」
「それは無理よ」
「むー!」
「やっほー!」
「瑞葉ちゃん?!」
「お前…!」
「みとりお姉ちゃんからはあまり良く思われて居ないようですね」
「当たり前よ!お前も!例の異世界人もね!」
「ゆいはただのバイトですよ?」
「今すぐこの場で!」
こいつは殺さないとダメだ!
「みとりちゃん、落ち着いて!」
「聖奈…」
「ありがとうございます。あと少しで実の姉に殺される所でした」
「実の姉?私に妹はいないわよ」
「はぁ…あれこれ説明する必要がありそうですね」
数十分
「え?!嘘!」
「これってホントなの…?!」
「はい」
「ってことは瑞葉ちゃんはみとりちゃんの実の姉だけどみとりちゃんが産まれる前に死んで親より先に死んだ罰として賽の河原で石積みをしていた。でも石を鬼が崩し忘れてしまいそれを隠蔽するために瑞葉ちゃんはバクになったってこと?」
「はい!」
「私には妹がいたの?! 」
「だからそう言ってるじゃないですか?」
「私もビックリだよ!」
「妹…」
「そうだ!瑞葉ちゃん!耳貸して!」
「いいですけど…」
「実は…」
数分後
「え〜」
「お願い!」
「流石に…」
「お願い!瑞葉ちゃんもみとりちゃんにもっと生きて欲しいでしょ! 」
「ちょっと!あんた達何話してるのよ!」
「な、なんでもないですよー…」
「う、うん!なんでもないよ!」
「怪しいわ…」
何考えているのかしら?
「後でギャラは払ってくださいね!」
「分かった!」
「あんた達いったい…」
「ねぇ、お姉ちゃん!」
「いきなり何よ!」
キャラ変わったわね…
「私、お姉ちゃんが意識不明にあるの嫌!」
「急になにを言い出して…」
「お願い!先に死んじゃった私の分まで生きて!私の分までお母さんに親孝行してあげて!」
「でもそうなると聖奈が…」
「でも私、お姉ちゃんが死ぬのやだよ!」
こいつ、聖奈になにか吹き込まれたわね。まぁいいわ。少し遊んであげましょ
「じゃあ私が生きたとして聖奈が一生霊体でもあんたはいいって言うの?あんた1人のわがままで1人の人生にどのように影響がでるか分からないの?」
「それは…」
「ちょっと!みとりちゃん!」
「割って入らないd…」
「瑞葉ちゃんを気づつけるの禁止!」
「う!」
どうなってるの?!瑞葉を気づつける言葉がいえなくなった…!まさかまだ怒りの感情が!
「怒りの感情と和解して禁止の力を制御できるようになったんだよ!凄いでしょ〜!」
「凄いわ。ほんと」
1本やられたわ
「瑞葉ちゃん!やっちゃって!」
「はい!」
「瑞葉、何する気!」
「えい!」
抱きついてきた!どういうつもり?!
「急に抱きついてなによ!」
「仮にお姉ちゃんが遅かれ早かれ聖奈に実体を返す事になる未来を選ぶのならせめて実の姉の温もりも味あわせて…!」
「急にどうしたの?キャラ変わりすぎよ…」
「私、お姉ちゃんをどうしても失いたくない…でもお姉ちゃんは最終的には聖奈に実体を返して意識不明になってしまう。だから今のうちに…」
「みとりちゃん!お願い!これくらい叶えられるでしょ!」
「でもそうするとあんたが一生霊体のままに…」
「私はそれでも構わない!本来は会えないはずの妹と会えてるんだよ?これくらい叶えてあげてよ!」
「…無理よ!生きる事に専念はできても一生聖奈が霊体なのは無理!」
「みとりちゃん…」
「聖奈、もういいです」
「え?!急にどうしたの?」
「お姉ちゃんは頑固です。私がなにを言っても無駄です」
「ねぇ!みとりちゃん!本当にいいの?!」
「何がよ…」
「お姉ちゃんでしょ!身内が死ぬ苦しみが理解できないの?!」
「…理解できなくはないけど聖奈に実体を返すかは別問題よ!」
「むー!」
「聖奈!耳を貸してください!」
「なに?」
「一つだけ、実はお姉ちゃんが聖奈に実体を返さずに済む方法知ってます!」
「やって!」
「でもそうすると…」
「死ぬ以外だったら何しも構わないから!」
「…分かりました。そこまで言うなら。聖奈、お姉ちゃんに飛びついてください」
「分かった!えい!」
「急に何するのよ!」
「抱きついてるんだよ!」
「それは言われなくても分かるわよ!何が目的なの?」
「瑞葉ちゃん、やっちゃって!」
「後悔しても知りませんからね!合体の術!」
「うわぁー!みとり・聖奈」