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ありきたりな主と従者

「というわけでいつまでもここでお世話になってるのも悪いからここを出たいんだ」


「えー!?なんでー!?」


「なんでって言われても今言った通りここでずっとお世話になるのは申し訳ないから俺は外に出ようと思う」


「えー別に私は気にしないわよ!!」


「俺が気にするんだよ」


「どうしても出ていくのなら私もついて行くわ!!」


「はぁ?なんでそうなるんだよ!?」


「ミリティ様それはさすがに...」


「私別に妖精女王としてなにかしてるわけでもないしクロが出て行っちゃったら私が退屈じゃない!」


「お前やっぱり暇じゃないか」


「違いますー!!暇なんじゃなくてやることがないだけよ!!」


「それを世間では暇と言うんだよ」


「とりあえずクロが出て行くと私がすることが無くなっちゃうから私もついて行くの!!これは決定事項よ!!

それに私がついて行けば世界中に住む妖精は私が使役できるしクロにとって悪いこともないわ!」


「いやそうは言ってもな...シルさんもなんとか言ってください」


「ミリティ様は1度こうなるともう聞かないの無理です

こうなったら私もついて行きます

さすがにミリティ様1人で外の世界に行かせる訳にはいきません

というわけで私もクロさんにご一緒させていただきますね」


「...分かったよ」


シルさんはミリティには甘い

というより妖精鄉に住む人達はみんなミリティのスキル『妖精鄉』によって作られた空間に暮らしているわけだ

だからかは分からないがここに住む人達は基本的にミリティに甘い

というかめちゃくちゃ美人なシルさんが付いてくるなら別にいいかとか思えてきた

まぁこの世界を1人でぶらぶらするよりもいちおうは魔王のミリティとその世話係であるシルさんが付いてくるのはかなり恵まれているのでは?


「それでクロはどこに行くつもりなの?」


「あぁ...それなんだがヴェルヘイム大陸のどこかに行こうかなと思う

理由だがまず気候だな

暑くも寒くもないちょうどいい気候が一年中続いてるらしいし魔王は6人もいるがまぁ下手にちょっかいかけない限りは問題ないだろう」


「私の存在に勘づいたアザゼルやリオテスカあたりが絡んでくるかもしれないわよ

こう見えても私は結構古い魔王なのよ

普段は妖精鄉に篭ってるからなかなか会う機会がないから見つかったら向こうからこっちに来る可能性があるわ」


「おいおいやっぱり着いてくるのはなしってことでいいか?めんどくさいのはごめんだぞ」


「ダメよ!!そんときは私の配下ってことにしておけば手は出してこないでしょ!」


「手を出してこないならいいがくれぐれもめんどくさいことに巻き込むなよ」


「多分大丈夫よ!!それでヴェルヘイム大陸のどこに行くの?ゲートはどこでも作れるけどできるだけ人目に付かないところにしたいわ

1度ゲートを開くと4時間は閉じられないの

その間は悪いけどゲートの周りで入ってこようとするやつを追い払うのを手伝ってね

ちょっと強い魔物くらいならシルがどうにかできると思うけど」


「それならここらへんの森の中はどうだ?」


そう言って世界地図を指さす


「ヤマタの森ですか

そこまで強い魔物はいないですしいたとしても私がどうにかできるレベルです

冒険者にさえ気をつけていればゲートを守るのも容易でしょうね」


「シルさんもそう言ってるしヤマタの森にしよう」


「分かったわじゃあゲートを開くわね!!」


ミリティがそう言うと目の前に大きな扉が現れた

心の中で妖精鄉を経由するのと4時間ゲートが閉じられない欠点を除けばでかいどこで〇ドアだなとか思ったがとりあえずゲートが完成したらしい


「じゃあ行くわよ」


3人はゲートを通る

ゲートの外は森の中

妖精鄉とは違った植物が生えているためここが妖精鄉ではないということはすぐにわかった


「じゃあまずはゲートを隠すわよ」


「隠すことができたのか?」


「クロが想像してる隠すと私の言ってる隠すは多分違うわよ

ゲートを見つかりにくくするためにカモフラージュするの

ここは森の中だし葉っぱとかを被せておけば多少は目につかなくなるでしょ」


「あぁそういうことか

分かったよ」


「ハイウィンド」


シルさんが唱えると強風が吹き出す

強風に耐えきれずに葉っぱが舞い散る

宙に舞った葉っぱはゲートの周りを少しずつ埋めつくしていく


はえーすっごいな

今のは風の魔法だよな

というかそれ使ったらゲート隠すの一瞬じゃん

肉体労働を覚悟してたのになんかやる気が空回りしてしまった

まぁ楽できたしいいんだけど


「さすがシルね!!一瞬でゲートを隠すなんて!!」


「これくらい簡単です

さてゲートを閉じるまでの4時間誰もゲートを通さないように警戒しますよ」


「はーい

と言っても魔力探知してみたけどこの近くに冒険者らしき反応も魔物の反応もないわ少し探検しましょ!!」


「ゲートから離れても大丈夫なのか?」


「いちおうゲートの周りに隠蔽結界を貼っておいたから結界の中に入らない限りゲートを遠くから視認することはできないわ

ゲートに近づくやつがいたら私の魔力探知に引っかかるだろうしその時戻りましょ!!」


「まぁそれでいいならいいけど」


「私はいちおうゲート周りを見ていますね

そちらで何かあった場合すぐに駆けつけます」


シルさんの許可も出たし俺とミリティはヤマタの森を探検することにした


少し歩いていくとミリティが魔物の魔力を探知したらしい


「あっちの方に魔物の魔力を感じるわ!

多分熊の魔物かしら

そこまで強くないし行きましょ!」


「俺でも倒せるレベルか?それなら少し戦ってみたい」


「クロなら苦戦はしないんじゃないかしら

だから行きましょ!」


「わかったよ」


そうして魔力探知を頼りに進んでいくとミリティの言った通り熊の魔物がいた

どうやら食事中のようで蜂の巣を食らっているようだ


「あの魔物はアカハニベアね

ハチミツが大好物の赤い熊の魔物ね

とうする?早速戦う?」


「そうだな

ちょっかいかけてみるよ」


俺は足元に落ちている石をアカハニベアに向かって投げる

投げた石はアカハニベアの額にぶつかりアカハニベアがこちらに気づいた

食事を邪魔されたためかお怒りのようだ

アカハニベアはこちらに突っ込んできたので横に飛んで突進を交わして背後から『自由人』で変化させた爪で思いっきりアカハニベアの背中をえぐる

アカハニベアは更に怒り大きくて鋭い爪でクロに襲いかかってくる

クロは難なく攻撃を躱し『自由人』で爪を変化させた

さっき攻撃した時の狼の爪ではなくアカハニベアの爪だ

アカハニベアの爪で足を思いっきりえぐるとアカハニベアは立ち上がることができなくなりしばらくもがき続けていたが完全に動かなくなった


「やるじゃない!多少は手間取るかと思ったけど心配すぎていたようね!」


「最初に戦った狼に比べたら動きがでかかっし遅かったからな

それに戦うのは2回目だしね」


「それにしてもクロは強いわ!戦闘慣れしてる感じがあるわ」


戦闘はしたことはないが元の世界でいろいろなものに手を出してたからな

その影響なのかもしれない


「そうかありがとな!他に魔物の気配はあるか?」


「うーん...ないわね

特に面白そうなこともないし戻りましょうか」


「そうだな

でもその前にあの蜂の巣を見てもいいか?」


「...?別にいいわよ 特に何もないと思うけど」


クロは食べかけの蜂の巣を観察する

元の世界の蜂の巣とそう変わらない作りになっている

ほとんどの蜂は死んでいるが数匹はまだ生きているようだった

弱肉強食とはいえ可哀想だな...

よく見れば女王蜂と思われる蜂も生きているようだった

女王蜂がいればまだどうにかなるかもしれないな

そう思ったクロは瀕死だが生きている蜂達数匹を回収した


「なにしてんの?あなた虫食べる趣味でもあるの?さすがに虫食べるのは引くわ」


「食わねぇよ!!女王蜂みたいなやつと他数匹が瀕死だがまだ生きてるやつがいたから回収してきた

ただハチミツが気になっただけだったんだけどこいつら見たら助けてあげたくなった」


「ふーん確かにかわいそうね...シルなら回復魔法も使えるからシルのところに連れていきましょ

早く行かないと死んじゃうかも」


「シルさん回復魔法も使えるのか

そういうことなら急いで戻ろう」


クロとミリティが急いでゲートの近くまで戻るとシルさんがいた


「どうしました?クロさんその蜂達はどうしたんですか?」


「アカハニベアに蜂の巣が襲われててまぁアカハニベアと戦ってなんとなく蜂の巣の中を見たら生きてるのがいたから連れてきた」


「シル!!この蜂さん達を回復してあげて!!」


「はぁ...分かりました

ヒール!!」


シルさんが回復魔法を唱えると蜂たちは意識を取り戻したようだ


「よかったな

多くの仲間は死んでしまっていたがお前達は助かったんだ

強く生きろよ」


クロがそう蜂達に語りかけるが蜂たちはクロの手から飛び立つ気配がない


「その子達クロにお礼がしたいって言ってるわ」


「ミリティお前蜂の言葉がわかるのか?」


「分かるわよ 感じる魔力が小さすぎてなんとなくしか分からないけど

昆虫種って思念会話のスキルを持ってるのね

多分そのスキルのおかげでかろうじて私に伝わってる感じだわ」


「残念ながら俺には何を言っているのか分からないな

俺が蜂になれば会話出来るかもな」


「それよ!!あなたの『自由人』スキルなら蜂になることもできるんじゃないかしら!?」


ミリティがすごい食い気味で思いついた案を口にする


「確かにそれは可能かもしれないな...ちょっとやってみるよ」


クロは体の一部ではなく全身を目の前にいる蜂になるように想像してみる


すると本当に体が蜂になった


「すげぇ!ほんとにできたぞ!」


「すごいじゃない!!『自由人』ってほんとに便利なスキルね!なんとなく閃いたから言ってみただけだったけどほんとにできちゃうんだもん」


「とりあえず蜂達と会話してみるよ」


「そうね なんて言ってるのか私にも教えてね」


「あぁ後でな」


そう言って蜂たちに近づく


「よう」


「こ...これは一体何が起こっているのでしょうか」


「あぁこれはまぁ俺のユニークスキルのおかげだ

こうして蜂になればお前達と会話できるかもしれないと思って蜂になってみた」


「なんと!!命の恩人様はすごいのですね!」


「いやまぁ俺が凄いというよりかはスキルが凄い感じだけどな あと命の恩人様ってのはやめてくれ落ち着かないクロって呼んでくれ」


「命の恩人を呼び捨てにすることはできません!クロ様とお呼びしますね」


「まぁ命の恩人様よりかはいいか

それでお前達をせっかく助けてあげたんだがどうして逃げないんだ?」


「私たちはクロ様がいなければ死んでいたのです

それを助けていただきましたつまりこの命はクロ様のものこの命尽きるまでクロ様の為に使いたいと思ったのです」


「そんな重く捉えなくてもいいんだぞ?

なんとなく助けてあげたくなって助けただけだし」


「それでも私たちはクロ様に助けれたから今生きているのです

クロ様がやめろと言ってもこの命クロ様の為に使わせていただきます」


「はぁ...そんなつもりじやなかったんだけどもういいや

そんなに言うなら勝手に俺に尽くしてくれ」


「言われなくてもそのつもりです!

そこで私たちをクロ様の配下にしていただきたいのです」


「配下?」


「はい!もしかした配下についてご存知ないですか?」


「そうだな 実は俺この世界についてよく分かっていなくてな教えてくれ」


「配下とはいわゆる主従関係のことです

今回の場合はクロ様を主として私たちは従者となります

今回私たちがしたい契約は主となった者には従者のスキルが使えるようになるなどの特典があります

古の魔王以外の魔王全ては契約し主の立場にいるのではないかと思います

従者が多ければ多いほど主となるものは強化されます」


「契約にもいろんな種類があるのか?」


「はい今回私が望む契約は主従の契約です

他には奴隷契約などあります

主従契約は主となるものと従者になるものの両方の同意が必要です

双方が同意することで主に従者のスキルや魔力を差し出すことが可能になります

他の契約は主が一方的に結ぶ契約ですので主従契約のような恩恵はありません」


「なるほどな

関係が主従になるだけで他になにかあるとかじゃないのか」


「まぁそうですね」


「まぁそれなら別にその契約は結んでもいいかな」


「ありがとうございますクロ様」


そう言うと俺の脳内で『ビーレギオン』が主従契約を要請してきました ビーレギオンを従者としますか?

と聞かれたのでいぇすと答える


『ビーレギオンと主従契約を交わしました

ビーレギオンのスキル『思念会話』『毒耐性』を取得しました』


「これで私たちはクロ様に存分に恩を返すことができます!これからよろしくお願いします!」


「あぁよろしく」


予定になかったがこうしてビーレギオンという種の蜂達と主従契約を交わすことになった

作者学校の期末テストにつき13日投稿予定のを投稿後更新を少しお休みするかもしれません

感想1件ありがとうございます!!テストが終わった時にモチベが上がるような感想や評価をされていれば更新頑張ろうと思って更新ペース2日に1日とかになるかもですw

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