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明日あなたが死ぬのなら  作者: 吉田 凜
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明日あなたが死ぬのなら

2回目の話です。書いている途中によくプロの作家さんたちはあんなに綺麗な文章を書けるなぁと尊敬してしまいます。

まだまだきれいな文体とはいきませんがどうかよろしくお願いします。

「あなたの友達に秋さんって人がいるでしょ、あの子あした亡くなってしまうんです。」

突然の言葉に私は言葉を失った。なぜこんなことになっているのか。私は秋と放課後、いつものように遊んで、秋と別れた後帰っている途中に雨に降られてしまい近くの喫茶店に駆け込んだ。

「いらっしゃいませ」

そこの店長さんは白髪で目がブラウン色ですごい美形の男の人だった。店内は誰もいなくてお客は私だけだった。

「お荷物お持ちしますね」

えっ 気づいたら目の前に移動してきていて前かがみになっていたので顔が近くにあってドキッとした。

「あ、ありがとうございます」

「いえいえ」

そういってニコッと笑った。

さ、爽やかすぎる。

「コーヒーでよろしいですか?」

「あ、はい」

他の従業員は居なそうだった。店内はおしゃれな感じできれいに掃除されていた。

「お待たせしました」

いや全然待ってないです。思わずそう言ってしまいそうになった。

「急に降ってきましたよね」

「え?」

話しかけられると思わなかったので聞き返してしまった。

「雨ですよ。」

そういってまた笑った。

「あ、はい傘持ってなくて。」

「災難でしたね。天気予報では晴れでしたからね。」

「はい。」

「驚いたでしょ?誰もいなくて。」

「少しだけ」

「これでも結構儲かってるんですよ。」

店長さんは少し自慢げにいった。

「そうなんですか」

曖昧な返事ばかりしてしまっているが決して迷惑だと思っているのではなくて美形すぎて顔が直視できないのだ。

「雨、なかなか止まないですね。」

「そうですね」

「あ、そうだ雨が止むまでトランプしませんか?」

私が気まずそうなのを察して気を利かせてくれてるのかなと思ってここはやらせてもらおうと思った。

「やらせてもらいます。」

店長さんポケットからトランプをだして私の向かいの席に座った。

「じゃあまずこの中から好きなトランプを二枚選んでください」

そう言って彼はテーブルの上にトランプを広げた。

「えっと、これは何のゲームですか?」

こんなゲームはやったことがなかったので少し戸惑いながら聞いた。

「ああ、すいませんこれ占いなんですよ。」

「占い?」

予想もしていなかった言葉に私は面を食らった。」

「はい、最近少しハマってて」

店長さんは少し照れ臭そうに言った。

「ええと、じゃあこれで」

私はそう言って真ん中のカードと一番右端のカードををとった。

「なんのカードでしたか?」

「スペードのクイーンとハートの二です。」

「なるほど、ではまずスペードのクイーンですが喪失を意味します。それでハートの二は友情を意味します。それでスペードのカードには死の意味があります。」

「死?」

いきなり何を言いだすんだろうこの人はそう思っていたら次の言葉に衝撃を受けた。

「あなたの友達に秋さんって人がいるでしょ、あの子明日亡くなってしまうんです。」

ガタッ!

私は思わず椅子から立ち上がった。

「あ、あなたは急に何を言いだすんですか!」

自分でも驚くくらい腹が立っていた。今までこんなに腹が立ったことはなかった。

「落ち着いてください。」

「落ち着けるわけないでしょう!」

「取り乱すのはわかりますがもう決まっていることなんです。誰にでも死は必ず訪れる。それがいつ訪れるかは人それぞれ違うんです。秋さんはたまたま明日死ぬ運命になってしまった。それはどうしようもない事実なんです。」

何を言っているんだろうこの人はまるで本当に秋が死んでしまうような言い方ではないか。そんなことはあり得ないのに・・・

「なんであなたにそんなことがわかるんですか。ただの占いでしょ?」

「違うんです。本当は占いなんていうのは建前で秋さんが明日死ぬことをあなたに伝えたかったんです。」

「だから、なんで秋が死ぬなんて・・!」

私の言葉は彼の発した言葉によってかき消された。

「私は死神です。」

は?死神?何を言っているんだろうこの人は?

「私は明日秋さんの詩を見届けなければなりません。そして秋さんに残された1日を少しでも有意義にしてもらうためにあなただけ知ってもらいたかったんです。だからどうか明日を秋さんにとって人生で一番良かったと思える日にしてあげてください。それが今あなたにできるただ一つのことであり秋さんにとって一番嬉しいことです。」

まだ理解できていない私を見ながら彼も立ち上がった。「どうか秋さんのことをよろしくお願いします。」彼はそう言って頭を下げた。されて彼は消えていった。不思議と恐怖はなかった。恐らく少し実感が湧いているんだろう。死神だもん。消えるなんて簡単だよね。ひとりでそんなことをおもいながら、私しかいなくなった店内から出た。お題を払おうと思ったが

コーヒーはおごりだと言っていたのを思い出したのでそのまま店を後にした。

空は晴れて雨はもう止んでいた・・・・




2回目の方々ありがとうございます。そして初めて読んでくださった方々1回目の方もよろしくお願いします。今回の話ではさやかに店長さんとどのように会話させるのかが結構難しかったです。前書きでも言ったんですけどプロの人たちの文章見てると本当に綺麗で、これなら俺でもいけるんじゃね?などと思っていた自分に言ってやりたいです。

現実そんなに甘くはない。と笑


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