表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちら異世界派出所前。  作者: caem
season 4【冬】けじめなさい、あなた。
64/64

第7話 どぼじで、どぼじで。



 秘密結社ーー、OSMT(・・・・)のフルネームは。Optimus、Secret、Minority、Times。


 天才科学者、DAYON(だよん)を筆頭主として、数少ないメンバーで構成されている。


 ネオトキオ(・・・・・)という、この異世界では、彼らによる貢献によって支えられたといっても過言ではなかった。


 とくに、花粉症のクスリなどは代表的な功績だった。

 やがて、未知のウイルスにたいしても飲み薬を開発した。

 そして――、DAYON(だよん)は飽くなき探求心から生物の巨大化(・・・・・・)に辿り着いてしまった。


「みんな、大きくなれば良いンだよ~ん」


 たくさん、作りすぎた。

 たくさん、ばら蒔いていた。

 そのせいで、嬉しいこともあった。

 そのせいで、悲しいこともあった。

 そのせいで、炎上することもあった。

 ただ――‥‥


「いや~ん、まいっちんぐ!」


 規模が違っていた。

 クスリの効き目は、美少女を超巨大化させていた。

 ネオトキオの象徴(シンボル)を軽く潰せるぐらいに。

 スカイツリーがまるで、爪楊枝みたいになっている。


「やり過ぎたンだよ~ん」


 それは後世にまで語り継がれる。

 OSMT(・・・・)の黒歴史だった。

 ただ、あとになれば、どうでも良かった。


「「こんなにデカいンだったら」」


 目の前にいる怪獣なんて、楽勝だろうと。

 先輩刑事ふたりがトオルに目配せしている。

 さっさとやっちまえ、命令しろと。


「……それで良いのかよ……」




「いったい、なんだったんだ、7days」


 いつも以上に、トオルは頭を抱えていた。


「あ、そういえば‥‥」


 トオルは過去を思い出していく。

 それは、ベニーという。

 ここ異世界ではじめて出会った最愛の彼女との思い出だった。

 現実逃避かもしれなかっただろう。


 魚人の美少女、真凜ちゃんと出逢うまえに。

 ドラゴンの美女、ベニーに恋してしまった。

 やがて、彼女が、あの世に逝くとは知らずに。

 優柔不断だったのが、いけなかった。

 自分は、やっぱり‥‥イケメンを利用している。

 ただ、モテているのを重宝していた。


「お前は、いつも、そうだよな~」


 先輩が、口酸っぱく言っていた。

 見た目と、振る舞いから。


「お前は、いつも、そうだよな~」


 耳にタコができるほど、何度も聞かされていた。

 その台詞に慣れるまで、そんなに時間はかからなかった。


 トオルは自覚している。

 恋愛体質だということは。

 何処にいっても。それが異世界であっても。

 ただ、今はそんなにのんびりしている場合ではない。

 のっぴきならない状況である。


 世界を滅ぼすほどの放射能を吐き出すような怪獣のうえで。

 二人目の彼女の、動向がまるで分からなかったのだ。


「真凜ちゃん、ちょっと待って!!」


「え? 何か言いました??」


 超巨大化した彼女。

 真凜は、軽く踏み潰してしまった。

 国会議事堂ごと、すべてを、まるごとプチっと。


「たいしたモンだな~」


 そりゃあ、ワタシの彼女ですからと。

 トオルは、自信満々には、言えなかった。

 ただ、どぼじで、どぼじでと。

 涙がぷらんぷらんと、ぶつかりあっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ