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こちら異世界派出所前。  作者: caem
season 4【冬】けじめなさい、あなた。
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第6話 いやーん、まいっちんぐ!!


「どうして、こうなったんだ……」


 予期せず呟いていた。

 感じたままに、本能に従ったまでだ。

 悔やみすらせずにいたがーー。


「マジかよ……」


 まるで信じられなかった。

 キテレツ過ぎる光景を目の当たりにしていたのであった。

 あんなに可愛らしかった美少女がーー、真凜(まりん)が巨大化していたのであった。


「そんなにマジマジと見ないでくださいっ!!」


 恥ずかしそうにしている。

 モジモジと身悶えている。

 そんな彼女に対して、トオルだけではなかった。


「うおおおおおおおおおお! マジ天使! マジ女神!!」


「ビバ☆幼女の超巨大化!!」


 群衆がいったい、何を言っているのか分からなかったが。

 とにかく激しく、熱狂していることだけは分かる。

 異世界の天辺にまで届くほど、彼女が超☆巨大化していたのであった。馬鹿馬鹿しくなるほどまでに。


「なるほどねー、なるほどねー、なるほどなるほどなるほどねー」


 誰かさんが手を叩いて、祝福していたらしい。




 それはーー、ずいぶん遡ることになる。

 (・ωく)





「じぇじぇじぇ」 「じぇじぇじぇじぇ?」


「じぇじぇじぇじぇ」 「じぇじぇじぇ」


 ここ異世界(・・・・・)では、とくに珍しくはなかった。

 現実にもあまさん(・・・・)というのがいた。


 彼女たちはーー、2~3時間息を止めることができるらしい。

 深い深い、海のそこに向かっている。


 アワビやウニや、そのほか。

 深海の恵みを取ることに特化していたらしかった。

 ただ……「じぇじぇじぇ」だけでは分からないのである。


 ※以下訳。


「「どうじゃろか?」」 「大漁じゃあないか!」


 工場長は、おもわずニヤリとほくそ笑んだ。

 これでようやくーー、借金を返せると。

 廃れかけた港町のボスが、そろばんを弾いていた。


「ひいふうみい……こりゃあ、たまらんなあ!」


「これで一年越せますかいな?」 「もちのろん!」


「じぇじぇじぇ♪」 「じぇじぇじぇじぇ♪」


 じつによく働いていた。

 見た目は海獺(ラッコ)に似ている従業員。

 彼女たちはエキスパートなのであった。

 ただ、お腹の上で貝を割ったりローリングするだけではない。

 

「ほれ、今日の手取りだ!」


「「じぇじぇじぇ~じぇ(ありがとうございました)♪」」


 騙されていることをまだ知らずにいたらしい。

 

「さてーー、ここからさらに。どうして稼いでやるか……クフフプフ♪」


 じつに悪役に相応しい。

 海獺(ラッコ)を飼い慣らしていた。

 今世紀、最後(・・)の漁協組合の会長は片目に眼帯を付けていた。


「赤(しゃち)さん? どうなさいましたん?」


 悪賢そうにしている彼にあまさん達が心配そうにしていた。

 対して彼は、大丈夫だと切り返していた。

 ビジネスの匂いなど感じさせないのが唯一の取り柄だった。

 

『しじみチャ~ンス!!』


 とあるCMを観てから。これだな。乗っかるしかないと。

 赤(しゃち)は思いもよらぬ計画を立てていた。

 そこにまさかーー、第三者が乗っかるとは思ってもいなかったのであった。


『この一粒で百万馬力!』


「これ……、何ダスか?」


 ひらひらと舞う、一枚のチラシを手にしている。

 

「ほえほえ~、なるほど」


 ブカブカのパンツを被った紳士が嬉しそうにしていた。

 そこにこれまた怪しい三人組が声をかける。


「シェ~、また一儲けしますのんか?」


「てやんでー、ばーろー、チクチョウ!」


「だよ~ん、だよ~ん、そんなモンだよ~ん」


 カオスな面々が集い、まさかの結末に至るだなんて思いもよらなかったのだった。

 秘密結社ーー、OSMT(・・・・)による介入によるとは知らずにーー、現在に至る。


 いまや薔薇色に萌えていた。

 トキメキが隠せない。

 恥ずかしげも、これまた魅力的だった。


「いやーん、まいっちんぐ!」


 ちょっぴり嬉しそうにしている真凜(まりん)は、そんなことなど露知らずにいた。

 なんだか可愛らしかったし、色っぽかったのは否めない。


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