第6話 いやーん、まいっちんぐ!!
「どうして、こうなったんだ……」
予期せず呟いていた。
感じたままに、本能に従ったまでだ。
悔やみすらせずにいたがーー。
「マジかよ……」
まるで信じられなかった。
キテレツ過ぎる光景を目の当たりにしていたのであった。
あんなに可愛らしかった美少女がーー、真凜が巨大化していたのであった。
「そんなにマジマジと見ないでくださいっ!!」
恥ずかしそうにしている。
モジモジと身悶えている。
そんな彼女に対して、トオルだけではなかった。
「うおおおおおおおおおお! マジ天使! マジ女神!!」
「ビバ☆幼女の超巨大化!!」
群衆がいったい、何を言っているのか分からなかったが。
とにかく激しく、熱狂していることだけは分かる。
異世界の天辺にまで届くほど、彼女が超☆巨大化していたのであった。馬鹿馬鹿しくなるほどまでに。
「なるほどねー、なるほどねー、なるほどなるほどなるほどねー」
誰かさんが手を叩いて、祝福していたらしい。
それはーー、ずいぶん遡ることになる。
(・ωく)
「じぇじぇじぇ」 「じぇじぇじぇじぇ?」
「じぇじぇじぇじぇ」 「じぇじぇじぇ」
ここ異世界では、とくに珍しくはなかった。
現実にもあまさんというのがいた。
彼女たちはーー、2~3時間息を止めることができるらしい。
深い深い、海のそこに向かっている。
アワビやウニや、そのほか。
深海の恵みを取ることに特化していたらしかった。
ただ……「じぇじぇじぇ」だけでは分からないのである。
※以下訳。
「「どうじゃろか?」」 「大漁じゃあないか!」
工場長は、おもわずニヤリとほくそ笑んだ。
これでようやくーー、借金を返せると。
廃れかけた港町のボスが、そろばんを弾いていた。
「ひいふうみい……こりゃあ、たまらんなあ!」
「これで一年越せますかいな?」 「もちのろん!」
「じぇじぇじぇ♪」 「じぇじぇじぇじぇ♪」
じつによく働いていた。
見た目は海獺に似ている従業員。
彼女たちはエキスパートなのであった。
ただ、お腹の上で貝を割ったりローリングするだけではない。
「ほれ、今日の手取りだ!」
「「じぇじぇじぇ~じぇ♪」」
騙されていることをまだ知らずにいたらしい。
「さてーー、ここからさらに。どうして稼いでやるか……クフフプフ♪」
じつに悪役に相応しい。
海獺を飼い慣らしていた。
今世紀、最後の漁協組合の会長は片目に眼帯を付けていた。
「赤鯱さん? どうなさいましたん?」
悪賢そうにしている彼にあまさん達が心配そうにしていた。
対して彼は、大丈夫だと切り返していた。
ビジネスの匂いなど感じさせないのが唯一の取り柄だった。
『しじみチャ~ンス!!』
とあるCMを観てから。これだな。乗っかるしかないと。
赤鯱は思いもよらぬ計画を立てていた。
そこにまさかーー、第三者が乗っかるとは思ってもいなかったのであった。
『この一粒で百万馬力!』
「これ……、何ダスか?」
ひらひらと舞う、一枚のチラシを手にしている。
「ほえほえ~、なるほど」
ブカブカのパンツを被った紳士が嬉しそうにしていた。
そこにこれまた怪しい三人組が声をかける。
「シェ~、また一儲けしますのんか?」
「てやんでー、ばーろー、チクチョウ!」
「だよ~ん、だよ~ん、そんなモンだよ~ん」
カオスな面々が集い、まさかの結末に至るだなんて思いもよらなかったのだった。
秘密結社ーー、OSMTによる介入によるとは知らずにーー、現在に至る。
いまや薔薇色に萌えていた。
トキメキが隠せない。
恥ずかしげも、これまた魅力的だった。
「いやーん、まいっちんぐ!」
ちょっぴり嬉しそうにしている真凜は、そんなことなど露知らずにいた。
なんだか可愛らしかったし、色っぽかったのは否めない。




