表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こちら異世界派出所前。  作者: caem
season 4【冬】けじめなさい、あなた。
62/63

第5話 これで終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!


「瞳ちゃんーー、お茶」


「わたし、瞳ちゃんじゃあないですけどねぇ、どうぞ」


「ちょっとセンパイ、ウチの()にナニ命令してンすか?」


「うっせえよ、トオル」 「そうだ、そうだ!」


「珈琲のおかわり、くれない?」 「はい、どうぞ♪」


「温まるわぁ……」 「こっちにもくれない?」


「はい、どうぞ♪」


 

 あまりにも、ほのぼの(・・・・)し過ぎてていた。

 ネオトキオという特殊な異世界で、それも最終戦だろうに。

 集った4人は、超巨大な怪獣の頭部で寛いでいたらしかった。




「おい、トオル。 ここからどうするつもりなんだよ?」


「え~っとですねー…………」


「すぐ答えろや? 悩んでいる場合かよ?」


 本来なら、のっぴきならない状況であった。

 ただひとりーー、期待に待ちわびているヒロインがいた。

 それは少し前のことだった。




 (・´ω`・)




「さぁ、ここにサインしてくれたら良いンだよお?」


 ぐいぐい来る。しつこい。ドアが閉じられない。

 しつこく迫ってくる。悪徳業者がいた。


 いくら止めてくださいと言っても引き下がらない。

 そんな輩にたいしても、彼女は毅然としていた。


「止めてくださいっ! いい加減にしてください!!」


「良いじゃあねぇかよ~、うぇへへへへ~♪」


 見た目からして華奢であった。

 身長も小さいし、下手をすれば可愛らしい男の子みたいだった。魚人族の真凜(まりん)は精一杯頑張っていた。


 かつては犯罪者だった彼女(・・)は今では特例の処分、待遇でーー、トオルの部屋で匿われている身分であった。

 それは真凜(まりん)の生い立ちや、権限によるらしかった。


 ※読み返してみれば分かるだろうが……


 彼女の父親は、フィクサー(・・・・)と言っても過言ではなかった。

 海の世界を牛耳る、ポセイドン(・・・・・)という一族の一人娘だったのである。


 それでも、どうしようもない。

 体格が違いすぎていた。

 今、真凜(まりん)の前に立っていたのは、両生類だった。


「くっふっふっふ~、ほらほらほ~らあ♪」


 屈強な体つきが目立った。

 ペロペロと舌をなめずるリザードマン。

 それに抗えないでいた。

 徐々に扉を開けられてゆく。

 このままだとーー、蹂躙されてしまう。

 身の危険を感じた。


「ああっーー、トオルさまっ!?」


 そのときーー、爆発した。


「鬱陶しいンだよぉぉぉっ!!」


 突如、内面にある人格が弾けた。 

 それは今までの見た目に反する美少女が化けた。

 彼女は目にした危機に対して、覚醒したらしい。

 二重人格から解き放たれた。


 それはじつに逞しい。

 和凛(わりん)という真凜(まりん)とは真逆な、いわゆるボンッキュッボンというナイスバディの美女が顕現したのだ。


「うおりゃああああああああああっ!!」


「ぐへぇぇぇぇっ!?」


 華麗な飛び蹴りが決まった。

 マンションの五階から被害者が落ちてゆく。

 幸いにも、だれにも見られてはいなかったらしい。 


「トオルさま……」


 体つきと、人格を変えた。

 斯くして、押し売りの屈強な身体を振り切った。

 真凜(まりん)和凛(わりん)はうまいこと使い分けた。

 欲望のままに、駆け出していく。

 そしてーー、今に至るのであった。




「とりあえず、状況を把握しようか」


 今、目の前には、見たことのないヤツがいる。

 そして対峙しているーー、大怪獣VS大怪獣といった現場だ。

 決して会議室ではなかった。事件は現場で起きているのだ。

 レインボーブリッジは封鎖されている。


 そんなに珍しくともないだろうが彼にしては辛過ぎていた。

 そもそも、異世界トリップしてしまったこともおかしい。

 すぐ隣に、ドーベルマンとシェパードの先輩刑事がいることも。



「う~~~ん、リセットしたいんだけどなぁ」


 トオルがそう呟くとーー、


『それ、本気で言ってるのか?』


 どこかで聞いたような声がした。


『おまえたちは、そうして……いつまでもダラダラしていたいのか?』


 頭上から、まるで地響きのような。

 悪魔のような。身の毛が粟立つ。

 心底恐ろしかった。死神がそこにいた気分だった。


『ここが何処かーー、わかっているのか?』


 その一言に、思い返してみる。

 トオルは記憶を辿り、どうしてこうなったのかを。

 いちいち、整理してみていた。


「あぁ、もしかして……?」


 異世界にトリップしてしまった経緯を探しだした。

 あの、一発の銃弾から始まったのだ。

 刑事に就職してから、殉職してしまってから。


「なんじゃ、こりゃああああぁ!?」


 と、叫んでしまってから。

 かなり長い夢をみていた気分だった。

 突き刺さっていた弾丸が、取り外せない。

 悪夢だったら、良かったのだがーー。


「トオルさま!! しっかりしてください!!」


 美少女に叩き起こされた。

 これは現実ではない、異世界ならではだった。

 ならばーー、きっと与えられて(・・・・・)いるハズだ。


「ゴメン。ここから本気を出すから……ついてきてよ!!」


「はい!」


「おい、トオル……何を言ってんだ?」


「なんか……光ってんぞ?」


 主人公が覚醒するのだ。

 いったい何が起こるのか分からない。

 怪物の頭上でーー、トオルは激しく踊り出したのであった。

 

「オス! オス!! オス!!! オス!!!!」


 狂ってしまったワケではない。

 一定のリズムを刻んでいて、エネルギーを溜めていた。

 フルパワーになるまで。MAXになるまで。

 ぐるぐるぐるぐる踊るーー、それからーー。


「これで終わりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 完成した塊はーー、画面を真っ白にした。

 いままでのーー、全精力が解き放たれた。

 何もかもーー、なかったことにするほどの。

 超☆巨大なエネルギーが、いま、放たれたのだ。

 

「整腸薬ぅぅぅ……フルパワーだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


もう少し続くのじゃよ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ