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こちら異世界派出所前。  作者: caem
season2【夏】暑苦しい。灼熱は甘い誘惑。
40/63

第20話 ……や……優しく……してっ

ちょい、お色気シーンあり(?)

気を付けてお読みください……。



 たった一瞬の隙をつくだけで十分だった。

 それなのに生じた嬉しい誤算。

 次々と獲物を仕留めてゆく。

 何者をも喰らい尽くす魔女がそこにいたのであった。


 かつては家族(・・)であったにしても今の彼女には好物に過ぎない。


「エクスタシーーーーーッ♡」


 ちゅっぽん。


「ギャランドゥーーーーーッ♡」


 ちゅっぽん。


「ムッシュ、ムラムラっ♡」


 ちゅ~~~~~っぽん。

 ٩(๛ ̆ 3 ̆)۶


 最後のは長めだった。

 立て続けて3本の唇を奪い滑らかさを増してゆく。

 キスで相手のエネルギーを奪っていると言っても過言ではない。

 それが中にいる彼女(・・・・・・)にとって養分となっているのであれば幸いなのだが。


 ただ、暴走しているのであれば御愁傷様と言うしか無い。

 恍惚の表情を浮かべ失神してゆく実の両親と兄。

 横たわっていく三つの塊を余所にして、次なる獲物(ターゲット)へと見据える真凛(まりん)


「ウフフフフ……♡」


 舌を舐める様が何処と無く威厳に充ち溢れていた。


「く……っ! 私に構わず逃げなさいっ!」


 助手を庇う医師。

 わさおはもふもふの毛を逆立たせて看護士を必死に守ろうとした。

 滅多に無いことだった。

 普段なら彼は臆病な気質であり、厄介事とは無縁な暮らしを徹底していたのである。

 いくら上司とはいえ情けないが、それでも人望があったのが唯一の救い処だったのか。


 まるで仁王像のように立ち聳えていたのだが……それは虚しく徒労に告げた。


「わふわふーーーーーん♡」


 ちゅっぽん。

 たった一撃で墜ちた。


「ああっ。先生っ」


 あっさりと牙城は崩れ落ち、後ろ手にされていた看護士へと滲み寄る真凛(まりん)


「ウフフフフ……♡」


 証拠はなにひとつ残さない。

 すべてを喰い尽くすかのような魔性の女。


「や……っ…… やめて…… 堪忍してぇぇぇッ!!」


 機敏性に富んだ犬種だった看護士はその身を軽やかに翻し、即座にその場から回避しようとしたのだが。

 真凛(まりん)はその上を遥かにゆくスピードと瞬発力で超えていった。


「逃がさないよ~?」


 最早ホラーじみた恐怖さえ、そこにはある。

 完全に尻尾が垂れ下がってしまい、陥落してしまうのであった。


「わふわふーーーーーん♡」


 しんとなった医務室。

 残されたのは唯1人。

 最後の締めとしてされていたのだろう。

 トオルは壁際に張り付き驚愕の表情を浮かべつつも内心、いったいどれ程の快楽を得られるのかと楽しみにしているようだった。


 ごくり……。

 唾を飲む音が妙にリアルに響き渡る。


「ト オ ル さ ま ♡」


 斜に構えた姿が更に狂気を増していった。

 じりじりと歩み寄り、強姦するかのような性欲が辺りに放出されてゆく。


「……や……優しく……してっ」


 思わず瞳を閉じるトオル。

 一切合切を委ねたように。

 狼に子羊がなぶり尽くされるかのように。


「「 そこまでだっ!!」」


 ようやくひとつになれるのね ──

 そう確信していた真凛(まりん)の情熱は、突如発せられた警告によって余儀無くされる。

 ふたつの銃口が冷ややかに突き付けられていたのだ。


「先輩……助けてくださいっ!!」


 トオルは初めて本気で叫ぶ。

 ラブシーンを邪魔されてしまったのには多少の悔いは残ったものの。


「別にオマエがどうなろうとしったこっちゃ無いんだけどなァ……」


 シェパード犬種の刑事、大野下ユージの側にはまだ意識を取り戻していないもふもふの塊があった。

 それはロッカー室に閉じ込められていた柴犬の婦警。

 いくらユージが口説いても靡かない女、(ひとみ)ちゃん。


 彼女がだらしなく舌を垂らしているのが許せなかったのだろうか。

 ユージは普段見せないような険しい表情で真凛(まりん)を睨み付けていたのである。


「おい、ユージ。落ち着けよ……相手は手強いぞ……」


 百戦錬磨の男がそう言うくらいだ。

 ドーベルマン犬種の刑事、鷹野山が渋く唸る。


 つい先程まで激しいバトルを展開していたふたりでさえ攻めあぐねている。

 寧ろ単純に力勝負であったのなら容易く片を付けていたのだろう。

 相手が女性だというのも要因だった。

 なにせ彼らは“女には手をつけない“を信条としていたのだから。


 沈黙と殺気が混じりあい、張りつめた空気で充ちてゆく ──

 やがて先に動いたのは ──


「あはははははははは!!」


 狂気に孕んだ笑い声を吐き出し猛然と襲い掛かる。

 真凛(まりん)は銃になど一切怯えず狙いを定めた。


「タカ!!」

「鷹野山先輩!!」


 ふたりが叫ぶと同時に魔性の女が瞬時にしてドーベルマンの唇を奪う。


「あーっと、これはいったいどういう状況なのでしょうか!? まるで順序が違う!! いつもであれば口説き落とす立場の鷹野山刑事がいともあっさりと女性に陥落されようとしています!!」


 突如、実況生中継が公開された。

 現場にいたトオルやユージでさえ思わず驚き身を震わせるほどだった。

 いつのまにそこにいたのか。

 実況中継のプロとして名高い古舘伊一郎。

 いつも以上に尻尾が振っていたのは興奮していたからに過ぎない。


「くっ……このまま彼は堕ちてしまうのでしょうか!? 今もなお、魔女による凶行は続いてゆきま……おや? こ……これはいったい……!?」


 なんと、苦悶の表情を浮かべていたのは寧ろ真凛(まりん)のほうであったのだ。

 サングラスの奥では穏やかな、それでいて慈しむような。

 だが灼熱を想わせるほど本気と書いてマジと読めるぐらいに鷹野山(タカ)は愛情の全てを注いでいる。


「ん……んふう……♡」


 思わず歓喜の喘ぎ声が溢れてしまう。


「まさか……これは奥義“タカノツメ“なのでは!!」


 能ある鷹は爪を隠すという。

 ただこの技は異性にしか発動されない。

 凶悪殺人犯である娑無(サム)の特技には及ばないものの、女性相手ならお手の物だった。


「どうだい? ワイルドだろう?」


 そんな声さえ聞こえてくる。

 一同が見守るなか、ほどなくして終止符は打たれた。


「ら……らめぇぇぇぇぇ~~~っ♡」


 勢いよく床に倒れようとする真凛(まりん)をそうっと抱き抱える。

 あくまでもレディに対する紳士な立ち振舞い。


「鷹野山選手! ここにおいても見事に勝利~~~ッ!!」


 良いとこ全てを持っていかれた。

 そんな気がしてなら無い。

 トオルはどうにも腑に落ちなかったが、これもやむ無しと納得せざるを得なかったのであった ──……。



……なんかコントみたいになってきた。

あまり真剣に読まないようにっ

┃≡3 シュッ

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