9/9
エピローグ
午後の陽光が、私の部屋を、まるで忘れられた絵のように見せていた。窓から差し込む、ほの赤い斜陽。そこに、セラフィーマの姿が見える。ニンフのように軽やかに漂う、彼女の幻影が。
何年もの時が過ぎた。そして私は知っている。私に残されたこの世での時間は、もうあと僅かしかないということを。だが今この瞬間に至って尚、私には自らの追憶も、償えなかった罪も、偉大なる主の救いの内にあるとは思えないのだ。幼い頃自負したように、セラフィーマを守ることができなかった罪、彼女と紡ぐことのできなかった私の人生そのものに対する罪、そして、彼女とは別の道を歩みつつも、彼女にまつわる記憶に支配され続けた罪。それらの罪は、赦されるのであろうか。そしてセラフィーマは、今何処に?
もうじき夜になる。私は立ち上がり、部屋を出た。セラフィーマの幻影を、夕刻の中に残したまま。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。