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ファイル15 生存者は美少女二人だった!

2年ぶりの話の更新です。エタリそうになりましたが、感想いただき、再び話を書く気持ちが湧いてきました。

感想の力は偉大ですね・・・。感想をいただきありがとうございます。

 「ゾンビは撃退したから、何故あの部屋の扉の前にたむろしていたかの理由を明かしましょうかね。」


 そう言ってゾンビの死体を踏みながらゾンビ達が群がっていた扉へと向かっていく我らが部長。

 俺達もそれに続き、その扉の前に来た。

 するとその扉の左壁の少し上にテンプレートでトイレと記されていた。


 「ここ、トイレなんですね部長。」

 「そうみたいね。まぁ、トイレでもなんでもいいわ。ちょっと!この中に誰かいるのかしら!!」

 

 真心の言葉に、相槌を打ち、次に大きな声で訊ねながら、トイレへと続くドアを大きくノックする部長。

 

 「もしも~し、誰かいないんですかぁ~?」


 真心も続いて、少し間延びした声で叫びながらトイレへと続くドアを大きくノックした。

 しかし、しばらくしても何の返答もないので誰かがいるわけじゃないのかと思った時に、ドア越しに向こうから声が掛かってきた。


 「だ、誰か生きている人なんですか?」


 その反応に俺達は少しだけ驚いた。この生命進化推進興業所に来てから、初めて生きていると思われる人間に出くわしたからである。

 

 「ええ、そうよ。そういうあなたも生存者かしら?」


 するとドア越しでも向こうが驚いているのが伝わった。そして向こうで「ハルカ、生存者みたいよ。」「本当なのかチサ」と言った声が聞こえてきた。

 どうやら中にいる生存者は二人いるらしい。しかもよく聞いてみると聞こえてくる声は通風孔のところで聞いた悲鳴の様に感じた。

 そう思い俺は部長の方を向いて、


 「部長、この二人の声って」

 「ええ、恐らく通風孔から聞こえてきたのは、この中にいる二人の悲鳴でしょうね」


 訊ねると部長も同意してくれた。何にしてもこの生命進化推進興業所に忍び込む後押しをした悲鳴の原因かつ、この現状を少しでも知っているであろう生存者に出くわせたのは、取り合えず良しと思えた。


 「で、いきなりで悪いのだけれども、あなた達、今のこのトンでも研究所の生存者ならば、この研究所がこうなった過程を知っているのならば教えていただきたいのだけれども。」


 部長の言葉に、ドアの向こうの二人はしばらく迷っていたみたいだったが、意を決したのかドアの鍵を外して中から二人の少女達が出てきた。

 年齢から見て俺達と同じぐらいだろう。

 一人は茶色っぽい長い黒髪に大きなピンクのリボンをしたYシャツの上に薄い青い水色のブレザーを着て、下は脛まである長いスカートを着ており、もう一人は白いリボンで髪をポニーテールにした明るい色の夏用スーツとスカートを着ており俺達と同じ型の銃を持っている。

 どっちも見た感じ美少女の部類に入る顔立ちをしており上品そうな感じがするが、ピンクのリボンをした方は穏やかそうな感じがするが、スーツ姿の方は生真面目そうな感じがする。

 でもこの二人を見た時、どこかで見たような気がしたのはなぜだろう?

 俺が内心、首を傾げている間に、その生真面目そうな少女は相方の少女を守るように後ろに立たせて、俺達を一人一人見て、周りを見渡し、ゾンビが倒れて動かなくなっていうところを見て、安堵した表情を見せて口を開いた。


 「まずは助けていただいてありがとうございます。私は北川春歌きたがわはるかといいます。そしてこっちが」

 「・・・小川千紗おがわちさといいます。私達を助けてくださってありがとうございます。」


 二人の名前を聞いた時、真心が少し驚いた表情で「あ~」と叫び、


 「ねぇねぇ、間違っていたらごめんなんだけど、二人とも剣道と弓道で活躍してなかった?」


 真心の勢いに、二人ともちょっと気圧されしながらも肯定したのを見て、俺もようやく二人の顔をどこでみたのか思い出した。


 この二人、結構有名なお嬢様学校の生徒で、北川春歌は剣道で、小川千紗は弓道の試合で表彰される成績を出したと、学校の壁新聞にデカデカと載っていたのである。

 どうりで見た事があるなと思った訳である。

 

 「・・・まぁ、取り合えずそっちが名乗ってくれたからこっちも自己紹介しましょうか。私は桜乃靜。まぁ、この4人のまとめ役ね。」

 「あっ、私は新谷真心です。よろしくね北川さん、小川さん♪」

 「・・・浅野愛です。よろしくお願いします。」

 「天道光です。どうもよろしく。」


 俺達が自己紹介をすると北川さんも小川さんも改めてお辞儀した。こういう礼儀正しさも含めてこういうどこか育ちのいい品のある女の子って自分の周りにはいないのでちょっとどぎまぎした。同時にこういう状況じゃなければ知り合うこともないだろうなと思うとちょっと内心、へこんだ。


「それであなた達はどういう経緯で今のこの状況になっているのかしら。」


 部長が二人に尋ねると、二人は顔を見合わせてから北川さんがポツポツと説明し始めた。


 それによると3日前に今、この場所にはいない羽鳥はとりつむぎという娘がこの研究所に勤めているいとこの職員に会うためにここを訪れたのだが、夏休みと言う事もあり、ちょっとした旅行もかねて一緒に3人で訪れる事にしたらしい。

 そして訪れたその日、羽鳥さんは問題なくそのいとこの職員に会え、夜はこの研究所内にある関係者が寝泊まりする施設に宿泊した様である。そして次の日の朝、朝食をとってもう一度、その羽鳥さんはそのいとこの職員と会って少し話をしている時に、突如、研究所内に警告を示すアラームが鳴り響き、しばらくすると今度は施設内のコンピューターで制御されているシステムが誤作動を起こして、研究所内の出入り口やドアが閉められて研究所内に閉じ込められてしまったらしい。

 この異常事態に研究所の職員達は大慌てとなり、原因究明と解決に奔放し、何人か地下にへと向かったようなのだが、戻ってこなかった様なのである。

 そして研究所に閉じ込められ、半日近くが過ぎ、夕方近くになって地下からゾンビが出現して、次々と職員達を襲っていったそうである。

 当然、北川さん達もその光景に出くわしており、恐怖に駆られているところを、そのいとこの職員に助けられてそのまま研究所内を逃げる事になったそうである。

 ちなみに北川さん達が所持している銃はその時にいとこの職員から渡された様である。それから研究所内を逃げ回り、一日ぐらい経過したところで研究所内の人間はほぼ全滅の状態になったみたいである。そしてそれからも逃げ回っている途中でゾンビ達の襲撃で羽鳥さんとそのいとこの職員とはぐれてしまったらしい。

 そして最終的に俺達が忍び込んだ置物部屋に逃げ込んだのだが、そこも襲撃され、ゾンビ達に発砲して怯んだ隙をついて逃げ出し、このトイレに逃げ込んだみたいである。


 「そして私達がトイレの扉の前にたむろしていたゾンビ達を倒して、こうして今、対面しているという訳ね。」


 部長の言葉に北川さん達は肯定した。


 「そう、色々と参考になったわ。ありがとう。で、あなた達はこれからどうするの?」


 部長の言葉に二人はまた顔を見合わせてから北川さんが尋ねた。


 「質問に質問で返して悪いのですが、あなた達はどうするのですか?」

 「そりゃあ、私達はここを脱出するのと同時に、私達も知り合いを探すために、ここに来たのだからその目的のため研究所内を調べて回るわ。」

 「そうですか。」


 北川さんは部長の返答を聞いて、少し思案した後、提案してきた。


 「それではすいませんが、私達も同行していいでしょうか?少なくとも銃は持っているので、多少の戦力にはなると思いますし、正直、私達二人だけではもう限界だったので・・・。」

 「そう、まぁ、私は別にいいわよ。お前達もいいかしら?」


 そう言って俺達に尋ねてきたので、俺も真心も愛ちゃんも拒否する理由はなかったので、賛成した。


 「私達は構わないわ。あなた達も行動を共にすると言う事でいいわね?」

 「はい、お願いします。千沙、それでいいな?」

 「はい、よろしくお願い致します。」


 北川さんが小川さんに尋ねると小川さんも賛同したので、俺達は行動を共にする事になった。正直言うと、今まで出会った事のないタイプの美少女二人が同行する事になった事に俺は内心、ちょっと嬉しく感じた。

 こんな状況下で、そんな事、考えられる俺って意外と図太いのかな?何にせよ彼女達の同行はこの研究所内を調べていく上で、度々色んな面で助けられる事となった。そういう意味でも彼女達と同行する事にしたのは正解だったと言えるだろう・・・。

 

もう1つの作品と並行で書いていきますので、時間は掛かると思いますが、また書いていこうと思いますので、気長にお待ちくださいませ。

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