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ファイル14 通路に続く扉を開けたら、またゾンビがたむろしていた。

今回もゾンビ戦です。

 「まぁ、とりあえずこんな異常事態なのだから、武器が手に入ったのは僥倖と思いましょう。」


 俺と真心は部長の持っている銃に固まっているところに、部長からそういわれて我に帰った。


 「でも部長、俺も真心も銃の使い方なんて知りませんよ。」

 「そーですよ。どうするんですか部長?」

 「銃の使い方は知っているわよ。愛も含めて教えるから安心なさいな。」


 何でも部長は、家族で海外に旅行やら親の仕事の関連で何度も言っており、その間に何度か銃を試し撃ちする機会があったそうである。さすがは三女とは言えそれなりの規模の財閥の娘、こういうのをセレブというのだろうか・・・。

 そんなどうでもいい事を若干思いつつ、合流した愛ちゃんと共に俺達は銃の使い方を部長から教わった。

 もっとも今の段階では二丁ある銃は部長と愛ちゃんが持つ事になった。部長は体力なしな上、腕力などの力も弱いし、愛ちゃんも小柄で、鉄パイプでゾンビを殴っても俺や真心が殴るよりも威力がないから銃の方がいいだろうと言う部長の言葉からである。ちなみに部長が体力なしの力なしと思った時、部長からキッと睨まれた時は顔には出さなかったが、内心びっくりした。部長、あんた読唇術でも使えるのか!?


 それからガレージ内を調べて回ったが、これといってめもしいモノはなくガレージ内においてある車も鍵が掛かっており車内に入ることは無理な上、ドア窓越しから車内を見たところ、変わったところは見受けれなかったので、いよいよ生命進化推進興業所の更なる奥へと続いていると思われる右の扉を開けて、本格的に施設内へと進む事になった。

 しかし行動は慎重にと言う事で、このガレージ内へと入ってきた時と同様に愛ちゃんの手鏡を使って、ドアをこっそりと開けて、そこから鏡だけを出して奥のほうへと向けると、また面倒な光景が映し出された。

 

 「どう?天道?」

 「・・・また面倒な事になっていますね部長。」


 そこに映っていたのは通路のいささか先の方の右壁に何かの部屋と思われる扉があり、その前にゾンビが4体集まって扉をバンバンと叩いている光景だった。

 それを部長に伝えると思案気になる部長。


 「何故、ゾンビ達はその部屋のドアに集まって、中に入ろうとしているのかしらね?その部屋の中に何かあるのか?それとも生存者でもいるのかしら?」

 「部長、ひょっとしたら外にいた時、通風孔から聞こえてきた悲鳴の人達なんじゃ・・・?」


 愛ちゃんの言葉に、部長は「確かにその可能性はあるわね」と肯定し、俺もひょっとしたらそうじゃないかなと思った。

 どちらにしても今度は通路の先にたむろしているゾンビ達を何とかしないと先には進めないのだ。


 「部長、どうしましょう?その手にいれた銃を使いますか?」

 「う~ん、私もそうしたいのは山々だけど、弾丸が限られている以上、節約できるところは節約したいのよね・・・。」

 「じゃあ、どうやってやっつけます?」


 俺が銃を使うか訊ね、部長がそう答えると真心が訊ねた。

 部長はさっきゾンビを倒すのに使用したガレージに置きっ放しのバケツや荷車、バッテリーの方に目をやって、


 「・・・先程の繰り返しになるけど、またバケツに水をいっぱい入れて、ゾンビと通路を水浸しにしてそこにバッテリーで電流を流して弱らしたところを鉄パイプで止めを刺しましょうか。」


 部長の出したその案に、俺達は反対もしなければ、他の代案もなかったので、再び同じ案を実行する事にした。

 後はゾンビ達に気づかれない様に、そぉっと扉を一旦閉めてバケツに水を入れるなどの準備をし、準備が整ったら、真心達を見回して、皆で同時に頷くと行動を開始した。

 

 俺は扉を大きく開け放つと水が満杯になったバケツを持ってそのまま、ゾンビ達に近づきそのままゾンビ達に水をぶっかけ、後ろに続いた真心も同じ様にに水をぶっかけた。

 さすがにゾンビ達もこちらに気づき、こっちに向かってきたが、その前にガレージへの扉の前に控えていた部長と愛ちゃんの後ろに回ると、前にいた二人が蓋を開けた状態で水が満杯に入っているペットボトルの水を、ゾンビ達が向かってくる通路に向けて水を放ち、瞬く間に俺達に向かっていたゾンビ達の通ろうとしていた通路は水浸しとなった。

 後は先程と同じように2つのバッテリーからつないでいる電流が流れている線を水浸しになっている通路に入れると、ゾンビ達は電流に感電した。

 五分ぐらい感電させて一旦、線を水からあげ電流をとめると、そのまま倒れる4体のゾンビ達。一瞬倒したかと思ったが、またゆっくりと立ち上がり始めるではないか!!

 しかし動きは鈍く、ダメージはある様だった。


 「天道、真心、止めをお願い。」

 「あ、はい」

 「部長、了解でありま~す。」


 俺達はそう答えてまずは俺が先に駆けて、一番手前のゾンビの頭部に勢いをつけてそのまま力いっぱいに鉄パイプを振り下ろした。すると顔の上半分がぐちゃりとつぶれて、そのまま倒れるゾンビ。

 そのゾンビの右少し後ろにいたゾンビも、俺と同じように勢いそのままに鉄パイプを振り下ろして頭部を潰す真心。

 残った2体の頭部にも俺達それぞれが力いっぱいに鉄パイプを振り下ろして止めを刺した。こうして通路にいたゾンビもあっけなく倒した俺達。


 「何だか今回もあっけなく倒せたね光君。」

 「苦戦して死に掛けるような事態になるよりは良いだろ。」


 真心にはそういったがおれ自身も今回も問題なく倒せて、ちょっと拍子抜けした感があった。とはいえおれ自身が言った様に苦戦して死に掛けるような事態になるよりは遙かによかったが・・・。


 しかしこの先、生命進化推進興業所内を探索していく過程で、状況が状況ならば、今回みたいに難なく敵を撃退するという事も結構あるとは、この時の俺は思ったなかった。まぁ、良い事なんだけど・・・。

 ちなみに今回、倒したゾンビの中にまた1体、警備員のゾンビがおり、腰の部分を調べてみるとホルスターの中に銃はなかったが、弾丸がしっかりと詰まった予備のマガジンは1つあったので、遠慮なくいただいた。

まぁ、今は武器も弾丸も少ないので、どうしても作戦を練って敵を倒すか弱らせるかになりますから・・・。

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