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ファイル1 事件の発端 

 というわけでバイオっぽい内容の物語です。といってもそこまでよくできたモノでもないので気楽に読んでください。

 その日は今でも鮮明に覚えている。10年前の暑い夏の日だった。

 俺、天道光てんどうひかるの前に突然、目の前に現れた女の子。

 異民族の血が混じっていると思われる亜麻色の髪をなびかせて俺を見る。

 俺を見つめ、「なんさいなの?」と尋ねた。それが俺とこの女の子との最初に交わした言葉だった。


 「よろしくね。おにいちゃん。」


 そして彼女、可憐かれん天道可憐てんどうかれんとなり俺の妹となった。

 何でもすでに父親はおらず、たった1人の肉親である母親も不慮の事故で亡くし、1人になってしまった。

 俺や俺の親父は遠い親戚にあたり、他に身寄りのない可憐は、この天道家に引き取られてきたのだ。

 正直、最初は戸惑いもある上に、見た目もかなり可愛かったので照れくささもあった。

 ひょっとしたらそれに、親父が自分だけのモノでなくなる不安もあったかもしれなかった。

 だが、そんな些細な不安も月日の流れと共に打ち消されていき、寧ろ可愛い妹が出来てちょっと幸せを感じる事もたまにあった。

 それから10年後の今、現在、すでに俺の親父も3年前に可憐の母親の元に行ってしまい、それからは兄妹2人で過ごしている。

 幸いにも親父は、結構な金と家を遺産として残してくれたので生活に困る事はなく、俺達は2人とも同じ高校に入学し、可憐は2年、俺は3年となって1学期がつい2日ほど前に終わった。


 正直に言おう。俺はこの高校3年最後の夏は何か起きないかと期待している。特に恋愛面で・・・。

 俺は今現在の高校に入って結構のほほんと過ごしてきたが、何の因果か1年の後半に生徒会を入る破目になったのだが、それが縁で今は卒業して地元の大学に通っているクールビュティーな感じの先輩である生徒会長や、いささか無口でちょっと何考えているか分らないところはあるが、見た目はいい後輩と知り合えた。

 それに俺と可憐、特に俺にとっては10年以上の付き合いがあるいわゆる幼馴染みと言う女友達がいる。天然系で些か頭は弱いが外見はいい。それに妹の可憐 

 そんなわけでクラスメイトなどからは「リア充死ね」なんて言われているが、この中の誰かとロマンスになっていれば、それも当てはまるが生憎と誰ともそんな関係になっていない。

 故にこの夏はこの仲の誰かと、理想的には全員と付き合えれば最高なのだが、それはとても難しいので誰か1人でもいいので、今以上の関係になれないかと期待している。

 しかしそれも妹の可憐の問題が片付いてからだろう。


 「それでは行って来ます。お兄ちゃん」

 「・・・ああ、気をつけて。用件は知らないけれども、片付くようならばさっさと片付けて帰って来いよ。」

 「・・・うん」


 3週間ぐらい前に可憐に手紙が来てから、何か可憐の様子が可笑しいのは気付いていたので尋ねてみたが、詳しい詳細は話してくれなかった。それにはちょっとショックだったが、ただ手紙の送り主は可憐に用があり指定する日時に、指定する場所に来て欲しいとの事だった。

 そして今日、可憐はその用件のために出掛けて行ったというわけである。といっても場所は結構遠いらしくすぐに行って帰ってこられるようなところではなく、3,4日は掛かるらしい。

 まぁ逆に言えば4日ぐらいで帰ってくる様なのでそんなに気にすることではないだろうとこの時は思った。


 しかし後々になって考えるとこの時、俺はどうして可憐に詳しく手紙の詳細を聞かなかったのかと後悔する事になった。そして同時に、これがこれから始まる圧倒的な戦慄と恐怖、そして命を掛けた戦いへの発端だったのである。

 というわけで第1話です。これからまぁこんな感じで物語を進めていこうと思います。

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