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戦乙女セーラ  作者: 城弾
39/49

EPISODE39「喪失」

 とある女子高の放課後。

 帰宅する生徒や部活動にいそしむ生徒でまだ活気がある。

 そこにその「男」は現れた。

「ちょっと? 誰あれ?」

 不審な男に対してもっともな反応を示す乙女たち。

「でもかっこいいかも」

 その「不審者」は端正な顔をしていた。

「やぁ。君たち。ちょっと頼まれてくれないかな?」

 美青年はとろけるような笑顔で甘い声を出す。

「は、はい。何でしょう?」

 その「王子様」ムードに酔わされた少女たちはあっさりと警戒心をなくす。

「メッセンジャーになって欲しいのさ。戦乙女たちに対してのね」

「ハイ?」

 女子高生たちにとっては意味不明の一言を発すると美青年…秋野光平は異形へと転じる。

 原色で彩られたサイケデリックな体色が毒々しい。

 髪型がマッシュルームカットと言うのはしゃれにもなっていない。

 その上にベレー帽のように「きのこの傘」が。

 秋野…トードスツールアマッドネスがその正体を現すと、少女たちはアイドルに向けるのとは違う悲鳴をあげた。

「これはご褒美の前払い」

 頭部の傘から発生した毒胞子を伊吹に乗せて少女たちに吹き付ける。まるで「投げキッス」のようだ。

「きゃあっ」「ひゃっ」

 毒を吹き付けられて悶絶していた少女たちだが意思の光を失い暴れだした。

「あはははは。いいだろ。受験とか悩みを忘れられてさ」

 芝居じみた口調で台詞のように言うトードスツール。

(この騒ぎを聞きつけて早く来い。戦乙女ども)










EPISODE39「喪失」











 そのころ、清良。礼。順の三人は福真署の応接室で情報交換会をしていた。

 警察の協力を取り付けられたこともあり、そして学生を巻き込まないようにとここで情報交換をするようになっていた。

 それはもちろん警察に対して情報を流す目的もある。

「薫子さんは?」

「カオルは…一城刑事は別件で今日はこれないわ。代わりに私が参加するわ」

 口調が柔らかくなっているがこれは渡会のり子警部補。

 ライノセラスに取り付かれた一件で浄化の際にこうなった。

「ああ。いいけどさ」

 あまりの豹変に戸惑う清良。気のせいか化粧も身だしなみ程度からもう少し華やかなものになった。

 女性である。むしろ私服での捜査ならそのくらいの方が自然。

(変われば変わるもんだな)

 この言葉がまさか自分自身に降りかかるとは思いもしてなかった清良である。

「それでは早速ですが」

 やましいことはなくても警察署は居心地が悪い。手早く済まそうと順が切り出したが署内に放送がある。

『……女子高等学校でアマッドネス出現。対策班は至急急行せよ。繰り返す。』

「女子高? 奴らいつもなら男を狙うのに?」

「話は片付けてからにしようぜ」

 やはり居心地の悪い清良が飛び出していく。

「三人とも。パトカーで行くわよ」

 順。礼は地元ではない。地元の清良とてこの学校には縁がない。

 まとめて運んでもらえるなら助かるのでその提案に乗った。


 警視庁。歯噛みしている軽部。

(どういうつもりだ? ライ。裏切るのか?)

 アヌもガラも指示など出していない。独断だ。

 抑えにすぐさま出向きたかったが対策班が出ている以上はいきなり本庁の面々が出向いては不自然。

 ゆえに応援要請が入るまでは動けなかった。


「そこまでよ。アマッドネス」

 パトカーから降りてきた三人の戦乙女。

 車での移動は変身場所を確保できるメリットもあった。

 とりあえず敵の系統がわからないのもあり防御形態のエンジェルフォームの三人。制服姿の戦乙女たち。

 それだけ見ていると女子高生がパトカーで送られてきたようだ。

「来たね。お姫様たち」

 芝居を続けているトードスツール。

「白昼堂々とはいい度胸ですわ」

 早いうちに変身したらしくブレイザとしての口調だ。

「この方が都合がよくてね」

 あくまでも優雅に振舞うライ。だがそれはむしろ「あせり」を隠すもの。

「あんたの都合なんか知らないわよ」

 気がついてないのかたけるセーラ。

 戦乙女たちは攻撃を仕掛けたかったものの周辺に奴隷女たちがいるので様子を見ている。

 攻撃してこないのを見越して「芝居」を続けるライ。

「自己紹介をさせてもらおう。僕はアマッドネス六武衆の一人。麗将。ライ」

 どこか挑発ともとれるしぐさだ。

「六武衆の残り二人の一人が出てきたわけね」

 過去の強敵を思い出して身構える。

「それにしても『僕』? まだ男の人格が残っているのかしら?」

「いいや。聞いているだろ。アマッドネスは女だけの組織と。そして女同士でいい仲になるものもいると」

「すると」

 怖い考えになる本来は男なのに今は少女のセーラとブレイザ。

 ジャンスだけはなぜか目を輝かせている。どうやら順の時は「オタク少年」だがジャンスになると「腐女子」のようだ。

「そう。僕はずっと男役。いつしか女の子しか愛せなくなっていてね」

「へ……変態」

「人の事が言えるのかい? 体は女で心は男なんて君たちが」

「うっ」

 確かに今は男とは言えない。しかし完全に女かと言うと心のどこかに男の部分が残っている。

「それを僕が治してあげるよ」

 言うなりライは毒胞子を飛ばす。

「危ない」

 セーラは瞬時にキャストオフ。そして超変身してフェアリーフォームに。

 リボンを振り渦を巻き空気の壁でブロックした。

「お行きなさい」

 ブレイザの一言でパトカーは去った。足手まといにしかならないと察したのだ。

「ちょっと厄介ですね」

 弓でけん制しながらジャンスがつぶやく。

 下手に爆発させると毒胞子が爆散しかねない。それで射撃をためらっている。

 火薬を爆発させての爆発ではないのだ。燃え尽きる可能性は低い。

 さらに言うなら奴隷と化した女子高生たちがたむろしている。

 射撃は弾丸がすり抜けるから問題なくても爆発は拙い。

 不思議な事にたむろしているだけで攻撃を仕掛けてこない奴隷娘たち。

 まるで異形を守っているかのようだ。

「だったら奴だけグラウンドに連れ込むわ」

 土のグラウンドならスプリンクラーがあるのを期待出来る。それで胞子を叩き落す。

 なかったとしても広い所でなら被害をとどめることが出来る。

 飛んだセーラは一気に奴隷娘たちを飛び越えてトードスツールに接近し抱え込もうとしたその瞬間だ。

 毒キノコの異形は美青年の姿に戻る。

「えっ?」

 戸惑うセーラ。どうして戦闘形態解除なの?

 その躊躇いが隙を生んだ。抱え込もうと密着を試みたのがセーラの不運。

「君もどうせなら男相手の方がいいだろう」

 いうなり秋野はセーラのあごに右手をかける。左腕をセーラの背中に回すとまさに電光石火の早業で唇を奪う。

「!?」

 セーラは大きく目を見開いて驚いている。せめてもの救いは精神が女性化していた事。

 男の精神のまま男にキスされたらその屈辱は計り知れない。

「な゛っ?」

 あまりに予想外の出来事に面食らうブレイザ。女性の精神のためか赤面している。

「ず、ずるいっ。セーラさん」

 思わず本音が出たジャンス。色ボケと言うより女として扱われてと言う意味である。

「むーっむむーっ」

 当の本人はそれどころではない。男に唇を奪われもがいている。窒息寸前だ。

 秋野は文字通り「唇を吸っている」。何かがセーラの体内から搾り取られている。

 やがてセーラはおとなしくなった。ぐったりとして崩れ落ちる。その姿がセーラー服姿に戻る。

「ふふ。ごちそうさま」

 口をぬぐいながら笑みを浮かべる秋野。

「な、なんて破廉恥な」

「そうよっ。するならあたしにしてくれたらよかったのにっ」

「……ジャンスさん?」

「……すいません。つい」

 赤くなってうつむくジャンス。完全に調子が狂っている。攻撃のタイミングがつかめない。

「ふぅ。さすがにお腹一杯だ。今日はここまで。次はブレイザかジャンス。君たちのどちらをもらうよ」

 異形に転じると毒胞子の煙幕に隠れて逃げた。支配を逃れた女子高生たちが気絶する。

「あいつ……なにがしたかったんですの?」

「セーラさん。起きて。起きてください。キスの感想を聞かせてくださいよ」

 「先を越された」悔しさで場違いな事を口走っているジャンス。

「いい加減にたぬき寝入りはやめてはいかがです? セーラさん」

 戦乙女たちの変身は意識が途絶えるとリセットされる。

 少女の姿を保っていると言うことは気を失っていないと判断しての発言である。

 だがセーラは目覚めない。呼吸はしているから死んだわけではない。

 すると眠っているわけだが元に戻らないのは?

「おかしいですわね? 調べましょうか。ドーベル」

 同行していた黒犬の従者を呼び寄せる。

「セーラ様。失礼いたします」

 一言断るとその鼻でかぎ回る。

「ドーベル。私もやるわ」

 セーラの使い魔。キャロルも何かを嗅ぎ取ろうとしている。だが見つからない。

 狼狽しているキャロル。それに対し元々の性格で冷静に対処出来ているドーベルが報告する。

「セーラ様にはクイーンのかけらがほとんどありません。だから男の姿になれないのだと思われます」

「つまり奴の目的はあたしたちのクイーンのかけら。そして」

「セーラさんはずっと女の子のまま……」


 とりあえず警察病院へと運び込まれるセーラ。

 徹底して調査されるが健康体そのものである。ただし女性としての。

 目覚めないのもあり様子を見るべくベッドに運び込まれる。


「キヨシっ?」

「セーラちゃん?」

 連絡を受けて友紀と薫子が駆けつけてきた。

 それに静かにするように注意する順。未だにセーラは眠っていた。

「寝ているのに女の子のまま?」

「そうなんです。どうも男の部分を根こそぎ持っていかれたらしく」

「そんな……」

 目を開けて欲しいが起きてからの変化が怖い。そう思っていた友紀。

 だがここでセーラは目覚めた。

「……お姉さま……友紀も」

 「お姉さま」…セーラが女性化していると薫子をこう呼ぶ。

 女の心であるらしいと絶望感が友紀を襲う。

「あたし……そうだ!」

 意識がはっきりしたら屈辱的な出来事を思い出した。

「聞いてよ! 友紀。あたし、あたし」

 突然半身を起こしたセーラは目に涙を浮かべて訴える。

「知らない男にファーストキスを奪われちゃったのよ。もう悔しくて」

 男でも最初のキスには大きな意味はあるだろう。しかしこの悔しがり方はまったく女の子そのもの。

「忘れよう。ね。そんなの数に入らないし」

 あまりにセーラが女の子としての怒りを見せていたため友紀も思わず女同士のなだめ方になる。


「薫子おねえちゃん」

 騒ぎを聞きつけて小さな闖入者だ。

「あら。葉子ちゃん」

 夏に過労で倒れてこの病院に担ぎ込まれた薫子。

 その際に知り合った幼女。未だに入院していたらしい。

「遊びにきてくれたんだね」

 嬉しそうに無邪気に笑う。

「うん。お友達のおみまいなの」

 しゃがんで目線をあわせて微笑む薫子。

「おともだち?」

 葉子はセーラを見る。涙を流しているのを知るとかけだして行った。戻ってきた際に手にしていた一輪のバラをセーラに差し出す。

「これをあげるからもう泣かないで。おねえちゃん」

 こんな幼女に諭されるなんて。セーラは恥ずかしくなった。

 同時に真紅のバラの美しさに目を奪われる。

(入院患者に花束の見舞いは普通だが)

(バラと言うのはちょっと珍しいチョイスですよね)

 バラは香りがきつく見舞いには向いてない。礼と順はそれが引っかかっていた。だが本人は気にしてないようだ。

「ありがとう」

 礼をいい受け取ったセーラはとげの有無を確認して髪にバラをさした。

「似あう?」

「お姉ちゃん。綺麗」

「うふふ。ありがと」

 綺麗と言われて優しく柔らかい笑みで返す。普通の女性以上に女性的だった。


 検査結果がでて帰宅の許可が出たので退院した。

 ベストにブラウス。ロングスカートと秋を先取りした姿に転じたセーラ。

「文学少女風かしら?」

 ここまでシックなのも彼女には珍しい。

 沈み込む友紀と薫子。礼は無視しているが順はもう我慢の限界だった。

「変身」

 小さくつぶやくと一気にワンピースの上からカーディガンと言う姿に転じる。

「セーラさん。お腹空きません? ケーキの美味しいお店を知っているんですよ。いきましょ。女の子どうしで」

 セーラがあまりに女の子らしくしていたので自分ももう抑えきれなかったのだ。

「ホント。行く行く。ケーキ大スキ。あ、でも太ったらやだな」

「平気ですよ。あたしたちまだ成長期ですし」

「まだ(胸を)育てる気か?」

 完全に蚊帳の外の礼がぼやくように言う。

「礼も変身しちゃいなさいよ。女同士で親睦を深めましょ」

「断る。何で貴様なんぞと」

 相変わらずの礼だがセーラの反応は違っていた。

 礼の腕に自分の腕を絡めてきたのだ。

「……なにをしている?」

「もう。礼ったら。一緒に戦っているんだから仲良くしましょうよ。ね」

 最初は口を尖らして。後半は笑顔でセーラが言う。

「……おまえ、何者だ?」

 思わず聞きたくなるほどいつもと違う。

「通りすがりの戦乙女よ。覚えておきなさい」

 場違いなボケをするジャンスであった。


「とりあえずは平気みたいね。私はいろいろ調査してくるわ」

 薫子は職務に戻る。

「ごめん。あたしは帰るね」

 あまりに女性的な「清良」の姿を見るに耐えなかったのか友紀もその場から去る。

 残されたセーラ。礼はジャンスの案内で目的の店に。


 とある店のショーウィンドー。礼はいたたまれなくなっていた。

 なにしろ展示してある純白のウエディングドレスにジャンスはともかくセーラもうっとりと見入っていたのだ。

「……いいわねぇ」

 美術品にため息と言う感じではない。明らかに女として夢見る表情。

「いいですよねぇ」

「あたしお嫁に行く時はやっぱりドレスね」

「にあうと思いますよ。あたしは番長が望んだほうで」

「嫁に行く気か。貴様ら」

「あら。女の子の夢じゃない」

 これはジャンスでなくセーラの言葉。完全に男性性を喪失している。

「まったく…変われば変わるもんだな」

 もともと女らしくなるセーラではあったが、ここまではさすがになかった。


 喫茶店でケーキを食べつつアイドルの男の子について盛り上がっていた2人。

 礼はコーヒーを渋い表情ですする。

「ここ、いいかしら?」

 大人びた声がする。視線を向けるとスーツ姿の女性がいた。黒く長い髪を無造作にうなじで留めている。

「席なら他にも……おまえはっ!?」

 素顔を見ていない礼だが声に覚えがあった。

「もしかして……アナザーヴァルキリアのスズさん?」

 ジャンスは素顔を見ている。ただし「生前の顔」のためヨリシロの正体はわからない。

「「違う。Vフォースだ(よ)」」

 綺麗にハモるセーラと礼。苦笑するスズ。二つ名のことはスルー。

「失礼するわね」

 戦闘でないせいか。あるいはまだ味方と認識されてない相手を刺激しないためか柔らかい女言葉でしゃべっていた。

 紅茶を注文するとセーラに向かい「災難だったわね」と慰める。

「べつに。数に入りませんよ。あんなの」

 やっと折り合いをつけたのにキスされた事を思い出して不機嫌になるセーラ。

「それよりあなたは敵なの? 味方なの?」

「信用出来ないのならアマッドネスの敵とでも覚えておいてくれればいいわ。あなたたちの敵にはならないわ」

「それならこいつをこんな状態にしたライとやらについて教えてもらえないかな?」

 情報を流すことをためらえば敵に属していると礼は考えていた。

「麗将・ライね。合戦より暗殺とかが得意なタイプ。能力は毒胞子を飛ばしての攻撃。これは吸ったり付着すると大変だけど射程距離はないし付着し損ねた場合は太陽光ですぐに死ぬわ。ただ奴自身は負傷をすぐに再生できるの。そちらが厄介かしら。それと相手のエネルギーを吸収出来るわ」

「そいつは理解している。だからこんなことになっている」

 礼の表情が苦々しいのはコーヒーの苦味だけでもない。

「じゃあ昼の広いところで倒せば?」

「被害は抑えられるわ」

「セーラさんの作戦は間違いじゃなかったけど、逆に言えばああならざるを得なかった」

「奴の狙いはまさに俺たち。だから不利な真昼間に暴れておびき出したか」

「でも…奴が魔力を取り込んで強くなるのは問題だけど、あたし自身としてはなんだかすっきりしているのよね」

 それまで男と女を行ったり来たりしていたのが女に固定。

 さらには戦乙女の関係を打ち壊すようになっていた原因が取り除かれて本来の友好的な態度も蘇っていた。

 だから礼に対して腕まで組んで見せた。


「お待たせしました」

 スズの分の紅茶が運ばれてきた。彼女はそれを一口のむと本題を切り出す。

「セーラ。過去のあなたはいざ知らず今のあなたたちは少年としての部分もあるのよ。それを簡単に手放さないで」

「話はそれなの?」

 意外に感じていた。

「敵の情報をあげたでしょ。六武衆はもう一人生き残りがいるわね」

 ブレイザが邪将スストを。セーラが飛将ルコを。ジャンスが剛将サザを。

 とどめはセーラだがほとんどスズがギルをそれぞれ倒した。ライを除けば残り一人。

「その名はアヌ。ジャッカルのアマッドネスよ。でも今はライにだけ集中したほうがいいわね。理由はわからないけど奴は魔力を取り込んで強化を試みている。あなたたち2人にも狙いをつけてくるはずよ」

 それだけ言うと彼女は立ち去って行った。


 そのころ、ライは人知れず苦痛にうめいていた。

(こ、これが更なる強大な女王の魔力。なかなか吸収出来ない…)


 翌朝。友紀はひどく驚かされた。

 なんと学生カバンを手にしたセーラが呼びに来たのだ。

「まさか、そのまま学校にいくつもりじゃないよね?」

「何で? 学生なんだから学校行かなきゃ」

 清良が不良のレッテルを貼られている割に律儀なのは元であるセーラの性格ゆえと理解した。


 いくら説得しても聞かず。とうとうそのまま登校をする派目になった。

次回予告


「まさか高岩までやられたのか?」

 

「ふう。やっと吸収できたか。さて。何が出来る?」


「ライ。セーラから奪った物を返してもらうぞ」

 

「乙女の唇をもてあそんだ罪。うけてもらうわよっ」

 

EPISODE40「少女」

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