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自分の上位互換

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

私は何時までも怖いのだと思います。

掛けた分の見返りがないのが。

容易く裏切られてしまうのが。

僕の彼女と言うのは、平たく言えば地味な人だった。染まる事を知らない直毛に、素肌を晒した顏。必要最低限の身だしなみだけを整えた様な人だった。

そんな彼女は、淡々とこう述べる。

お洒落に興味が無い。黒髪が好きだし、化粧は肌荒れが酷くなって以降辞めた。別に不快感を与えているつもりは無い。其れで十分だろう。

でも僕からしたら別の理由がありそうなのだ。そう思ったのは、ある日の会話から。


ある日、二人で街の定食屋に出掛けた時の事だった。備え付けのテレビから、芸能人の不倫報道が流れている。彼女は其れを一瞥すると、重々しく口を開く。

「……人の好みに対してとやかく言うつもりは無いけれど、外見の綺麗さだけで選ぶ人と言うのは、自分の上位互換が来たら其方に靡いてしまう気がするんだよね」

「其れはどうして?」

誰に対しても偏見と言うものは存在する。だから理由を尋ねる事が大切だと思っている。とりわけ彼女は今までの見聞から、人柄を推測する。だからきっと今回も、何かしらあるのだろう。

「……これは私の意見じゃないけれど、とある風俗令嬢の言葉。

『自分より綺麗な人なんて五万といる。そういう綺麗な人って、確かに人は寄ってくる。けれどももっと綺麗な人がいたら其方に靡いてしまう』って。

……確かにそうだと思った。付き合っていた時は綺麗でも、妊娠、出産、歳を経る事に美しさというのは損なわれていく。そんな時、外見の綺麗さだけで靡いた人と言うのは、同じ様に自分を捨てて別の人に靡くのだと思う。

凄い偏見だけど。間違ってるかも知れないし、なんなら否定して欲しいけど」

この時に思ったのは、彼女の『お洒落に興味が無い』という言葉だった。

好きな人が出来て、頑張ってメイクやスタイルを学んで両思いになったとしても、自分の上位互換が現れて靡かれる恐怖。あれだけ頑張っても、なんの意味もないと思わされる恐怖。其れがきっと根幹にあるのではないかと思う。

だからどれだけ年月が経とうとも、落差の少ない地味さを選んでいるのではないかと。

「ここの料理とても美味しい。見る目あるね。君」

「探し方のコツは、見掛けに惑わされない事だよ」


特段愛らしい訳ではなく、特段美しいという訳ではなく、特段優しいという訳ではなく、至って普通の人だった。取り分け優れたところを挙げるとするならば、冷静で思慮深いところだろうか? けれども其れが正解だと思っている。

きっと彼女の身に変化が訪れたとしても、彼女自身、老化以外で変わる事は無いのだろう。

好きな人と付き合う為に、メイク勉強して、スタイル整えて、晴れて垢抜けて両思いなったとしても、年代によって、外見が激しく異なるのが女性だと思います。


妊娠によってホルモンバランスが崩れて、かつての美貌がない。

出産を経て、痩せられない体質になった。

育児に追われてお洒落どころじゃない。

そんなのよくある話ですよ。


其れで浮気されるのは仕方がない。

と言える人はまぁ、置いといて。


私はそれに恐怖を覚える人なんです。

『綺麗じゃないお前なんか要らない』と言われそうで。

だったら、最初から頑張らないし、落差を狭めておこう。そういう考えが根底にある気がします。


逃げの言い訳ですね。あんまり良くない。


様々なところに『見掛けに寄らない』を忍ばせて起きました。

見つけて見てくださいね。

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