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01 ちょっと待て。

特に急ぎでも無いのでだらだら続けます。無駄な日常パートとかを無限に重ねたい所存。

「た、確かに服はみなみんのだ…」


男子群に向こうを向いて貰い、幼馴染みである望月野乃葉(もちづき ののは)に脱がされて俺が小鳥遊南であることの証明をする。

自分の身体のハズなのに謎の背徳感があったが、薄目を開けてしっかりと見てた。

まぁ、男子の性だよね。


「うぉっほん!」


創作物でしか聞いたこと無いようなデカい咳払いの主は、これまた創作物でしか見たこと無いようなご立派過ぎてちょっと屈めば地面にズサーしそうな髭を蓄えた老人だ。


「日暮れが近いのでな…話を戻させていただきたいのじゃが?」


さてさて、ここで問題なのはここまでの話に全くついて行けてない俺である。そもそもここは何所なのか?このおじいちゃんは誰なのか?


「まず、改めて儂の名を話そう。ヘイベル・マナ・ルナイジェロ。アルカナム王国にて宮廷魔術師を務めておる者じゃ。」


宮廷魔術師という職業に聞き馴染みは無いし、アルカナム王国とやらも知らない名前だ。もちろんヘイベルという名前も聞き覚えが無いので、そんな風に「私は有名人です、どや!」みたいに話されても困る。


「それで、さっきも聞きましたがここは何所なんですか?」


そこにクラスのリーダー的存在。成績トップでスポーツ万能更には正義感も持ち合わせる何所の主人公だよ!な北瀬優輝(きたせ ゆうき)が一歩前に出てくれる。


「ふむ、この世界について何も知らぬ貴殿らにとって最もな質問じゃな。先の質問に答えるとすれば、ここは王都ステリア近郊にある古い遺跡ということになる。」


「そしてここは貴殿らが過ごしてきた世界『アース』とは異なる世界……異世界という訳じゃな。」


「うぉぉぉぉぉ!!」という熱意の籠もった迫真の雄叫びが小声で方々から上がる。しかしこれも仕方の無いことだろう。

俺も含めた一部、とある病を中学校までに卒業出来なかった者たちは内心『俺TUEEEEEEE!!』な異世界生活を幻視し、心躍らせる。

ガチの大声にならなかっただけまだマシという物だ。


「本来であればこの場での説明をもう少ししたいのじゃが、生憎と夜が近い……続きは我らの主に直接会ってからでも良いじゃろうか?」


「…僕たちの安全が保障されるなら。」


「ちょ、優輝くん…本気で言ってるの?」


我がクラスの誇る学級委員長。黒髪ロングの清楚女子篠原結華(しのはら ゆいか)の制止は最もな物だ。何せこのおじいちゃん怪しいのなんの。その後ろに控えてる部下?っぽい人達も皆頭まですっぽりフードを被って一切顔を見せない。


しかし、


「ここにずっと居ても僕らには何も出来ないし、もし本当に危ない人達ならここで断って刺激する方がよっぽど危険だ。」


本人の前でそれ言うのはどうかと思うけど、まぁ実際優輝の言ったことは的を射ている。こんなよく分からない場所で放置された現代っ子に何が出来るかな?少なくとも俺は3日で死ぬ自信がある。


「……」


学級委員長である結華が黙る。それはつまり優輝の意見がこのクラスの意見に変わったということだ。


「答えは出たようですな。…ガーゼス!」


「はい!」


ヘイベルに呼ばれて勢いよく返事をしたのは部下っぽい人達の中の一人。声の印象的には好青年って感じで、20代前半くらいかな?ひとまずヘイベルの直属の部下くらいで考えておくか。

と、そんな好青年な印象のガーゼスさんは大きな円と象形文字みたいな物を書いていく…それを見て俺を含めた例の病を患った者たちは興奮を隠せず、ガッツポーズしている者も居る。


「師よ準備、整いました。」


「うむ。」


仰々しそうに頷き、ヘイベルはいつの間にか手に持っていた杖で陣を突く。


「は、」


思わず息が漏れる程、それは摩訶不思議で幻想的な光景だった。

陣から発せられる光の粒が、宙に浮かんで弾けて消える…

その現象が何なのか、少なくとも俺には説明がつかなかった。


「《大儀式(フォーミュラ)》〈空間転移〉」


ガーゼスさんの言葉と共に、俺たちの視界は一瞬にして切り替わる。



それは、呆気に取られるほどに絢爛豪華な空間だ。

高い天井に染み一つ無い真っ白な床。人工的では無い輝きを放つシャンデリアは、恐らく″魔法″の力によって灯されているのだろう。

普段生活していても、見ることの無い、まず自分とは無縁であろう景色がそこにはあった。


「こりゃすげえな…。」「マジかよ…」「……」「えぇ?」「おお!」

方々から様々な声が上がるが、それら全て感嘆を表す物。例に漏れず、当然俺も息が漏れる。しかし_それ以上に感じるのは全身が痺れるような威圧感。


「……?」


ソレを発していた者の正体は全身鎧を纏った存在。腰に下げた剣に手を掛けるその姿は、こちらが何かをした途端に斬り掛かろうという構えにしか見えない。

鳥肌が立ち、そして恐怖が_


「南、」


「あ。」


思わず深く潜りそうになった思考と妄想を引き戻させたのは悠真の声だ。


「その服変えてこいよ。サイズ合ってねえし…上も、ほらアレだろ。」


上…上か、うんうん。言いたいことは分かる。

性別の変化、それは肉体の変化だ。有る物が無くなり、無かった物が増える。臓器、性器、身長、体重…あらゆる物が変わり果て、当然俺にもひとつ増えた。

やや膨らんだ胸部はそれでも尚控えめであり、正直言うとわざわざ気にする程でもない。


「でもまぁ…さすがにぶかぶかの服もパンツも気持ちが悪いな。」


「では、こちらにお越し下さい。」


いつの間にか隣に女性が立っていた。俺、というか男の時の俺よりも高い身長をやや屈め、目線を合わせつつ、それでいて不快感を感じさせない姿勢を保っている。そしてその服は全男子が夢見て憧れるあの服だ。


「……メイド……さん。」


「初めまして勇者様、私は城内のメイドの業務を全て管理しております。侍女頭のレキと申します…″敬称″は不要でございます。」


レキと名乗ったその女性は、恐らく身長180以上はあるだろう。そして何より侍女頭!簡単に言えばメイドを纏めるリーダーのような役職だと思う。ふむ、こういう異世界で侍女頭って聞くと偏屈そうなお婆さんを想像するけど、レキさんは…まだまだ若いし美人だ。




「勇者様のお召し物に相応しいかは分かりませんが、どれも一級品の物を取りそろえております。」


…レキさんのエスコート術により、俺は全く訳が分からないまま気付いたらこの部屋に来ていた。

無数のドレスやタキシードが並んだその部屋は、独特の雰囲気が満ちている。何故ならそれは、俺がとんでもなく場違いだからだ。


宝石をまぶしたような豪華過ぎる物からくすみひとつ無い純白まで…いや、汚す自信しかねぇわ。

アレ着て一歩でも動いたら転けそう。


「……もうちょっと動きやすそうなの無いですかね?」


「そうですか…お似合いになると思ったのですけど…。」


見るからに残念そうにする姿を見て、完璧なメイドというイメージからある程度人間味のあるメイドにジョブチェンジしたレキさんが見ているのはゴスロリみたいなヒラヒラが凄い服。

まぁ、確かに、確かにそういう服をかわいいと思う気持ちもある!

だけど自分が着るのは違うんだよな…着てる姿を想像したら、男の姿の俺になる。似合わねえよ、絶対に無理だね。


「…でしたらこの辺りでしょうか?比較的装飾も少なくて、素材としてもかなり上質な物を使用しているのでリラックス出来ると思いますし、今の勇者様の衣服にも似ていると思いますよ。」


そう言ってレキさんが見せてきたのは_

主人公 小鳥遊 南の身長(男)は170cm

小鳥遊 南(女)は160cm


九条 煉は196cm でかい


北瀬 優輝は183cm でかい

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