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パニック関連

平等に対等にお互い様でやっていこう、そう強制されてるのだから

作者: よぎそーと
掲載日:2022/09/24

「よう、どうしたんだ」

 やってきた警察官に声をかける。

 いつも通り、のんびりした到着だった。

 既に十数人の人間が死んでるというのに。



 その殺人現場に到着した刑事は、

「またやったのか」

とあきれ顔だ。

 実行犯である男を前にして。

 問われた男は、

「まあね」

とだけ答えた。



 やった事を認めた。

 本来ならそこで逮捕するべきだろう。

 しかし、刑事はそういった素振りを見せない。

 それどころか、

「こいつらが何かしたのか?」

 転がる死体を蹴りながら尋ねてくる。

「ああ、もちろん」

「だろうな」

 実行犯の声に、刑事はやはりと思った。



 殺し殺されるのが当たり前となっている。

 どんな罪を犯しても、それを問われる事は無い。

 人権がどんな悪事をおかしても守ってくれる。

 それ故に、人は悪さに歯止めをかけなくなった。



 悪さをしてもおとがめ無し。

 襲われても償いはない。

 ならば、悪事を働いた方が得である。



 そんな当たり前の事に気付いた者達は、進んで悪事を働いていった。

 そして、襲われる前に殺してしまえ、が標語になっていった。



 今回、実行犯が十数人の人間を殺したのもその為だ。

 柄の悪い連中がやってきた。

 問題を起こした連中である事は、ネットを通じて伝わっている。

 見つけ次第処分しないと襲撃される危険がある。

 だから見つけ次第殺していった。



 それが分かってるから刑事も何もいわない。

 もとより逮捕するつもりもない。

 実行犯が自警団として殺したのは分かっているからだ。



「まあ、今後も頑張れよ」

「はいよ。

 あんたが定年を生きて迎えられるようにするよ」

「そうしてくれ。

 俺たちはお前らのように簡単に銃は使えないんだからな」

 それもまた人権である。



 警察などがみだりに武力行使する事を禁止している。

 だから警察は何も出来ない。

 何かしようものなら、良くてクビ。

 下手すれば刑務所に叩き込まれる。

 なので、下手に何かする警察はいない。

 事件が起こっても無視するのが普通になっている。



 彼らの目的は給料をもらいながら定年を迎えること。

 事実上の休業状態の警察は、これはこれで安心の職場である。

 何かする必要は無く、何もしなくて良いのだから。

 まともに治安を考える者にとっては許しがたいだろう。

 だが、怠けて人生を送りたい者にとっては最善の職場になっている。



「ああ、そうだ」

 刑事は思い出したように伝える。

「この前の事件な。

 弁護士が訴えるって息巻いてる」

「へえ」

 どの事件か実行犯は分からなかった。

 だが、思いあたる事はいくつもある。

 そのどれかだろうと思った。



「下手すると裁判所が動く。

 面倒がいやなら、さっさと片付けな」

「はいよ」

 今のご時世、訴えても罪に問われることはない。

 だが、裁判所に出向くのが面倒で手間だ。

 弁護士も一応雇わないと不利にはなる。

 なので、弁護を受け持つ弁護士と訴える側の弁護士が共謀することもある。

 少しでも金を稼ごうと。



 そんな事で時間と金を奪われるのも面倒だ。

 なので、さっさと弁護士を潰す事にする。

 刑事から弁護士の情報を聞いて、早速動いていく。

「情報提供ありがとう」

「礼は金で示せ」

「はいはい」

 これもまた、警察官の大切な収入源になっている。



 その後。

 無事に弁護士も殺し。

 裁判所への訴えを阻止する事に成功。

 護衛もいたが、仲間と共に数で押し切った。

 そもそも、護衛の数も少なかった。

 質も大したことはない。

 おそらく、ゴロツキが金ほしさに協力したのだろう。



 このご時世だ、無駄な訴訟をする弁護士の味方をする者はいない。

 そんな者がいたら、見つけ次第に始末される。

 護衛依頼を出した瞬間に。



 当然、弁護士と僅かな護衛の死が事件になる事もない。

 警察も動く事は無い。



 そうして平穏を守った実行犯は、今日の仕事に向かっていく。

 無駄な騒動を起こす不埒者を抹消するために。

 平和を手に入れる為に。

 人権によって壊れた世界の中で。

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