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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

俺だけ使える《モード切り替え》が最強すぎて人生ヌルゲーに〜どんな敵も指一本で倒せるし、難易度SSSSSのダンジョンも余裕でクリア。あれ?おかしいな実家の皆さんは俺を「ゴミ以下」と罵ってませんでした?〜

連載予定のプロローグ短編です

よろしくお願いします


「ラグス、貴様をアスゼント家から永久追放とする。……荷物を纏め次第家を出るように」


「父上今なんと? ……」



父の口から発された言葉に思わず聞き返す。



「聞き取れなかったのか? 貴様はつくづく無能だな」



無能ーーーあの優しかった父から投げつけられた言葉に俺は頭が真っ白になり何も考えれなくなる。



「あ〜あ兄さん。残念だなぁ! この僕がハズレスキルを授かればどんなに良かったことか! 僕の授かったスキル《炎神》が兄さんのスキルだったらねぇ? ブヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!! 」



父ーーランド=アスゼントに続き、弟であるリアン=アスゼントもニタニタと笑いながら嫌味を言ってくる。


リアンの言葉通り俺は昨日の【スキル開花の儀】で《モード切り替え》というスキルを授かった。


しかしスキルを発動しても、謎の画面が現れるのみ……戦闘に使えないスキルだったのだ。


アスゼント家は代々最上級スキルが授けられ地位を伸ばしてきた。


当然父も最上級スキルである《雷神》を授かり、王国より一つの領地ーーーここ、タラニスを与えられている。


リオンは昨日の【スキル開花の儀】で最上級スキル《炎神》が与えられた。


ハズレスキルを授かった俺と最上級スキルのリオン、領主になる資格があるのはリオンという事だろう。


それは分かっていた。


しかし、



「追放とはどういうことですか!? 」



聞き間違いであって欲しい。


だって追放されるということは……、



「お前がゴミクズ以下だから追放する、それだけだ。お前も知ってると思うが、追放される人間は例外なくダンジョン【ディーナ】に送り込まれる。早速準備をするぞ」


「ま、待ってください!まだ《モード切り替え》がハズレスキルだと決まった訳では無いじゃないですか! 」



冗談じゃない。なんでハズレスキルを授かっただけで、誰一人として生還不可能の難易度SSSSSダンジョンに送り込まれないと行けないんだ。


それにまだスキルの全貌が分かったわけでは無い。

今まで俺は血のにじむような努力をしてきた。


ハズレスキルだとしても努力は裏切らないはずだ。



「そこまで言うなら試してやろう」



父はそう言うとリオンに目配せする。



「あ、ありがとうございまーーー」



リオンの拳に炎がゴォォォォとまとわりつく。


リオンが一瞬で目の前に現れる。



「なっ……」



凄まじい速さに対応出来ず、容赦なく殴り飛ばされる。


壁に激突し、激痛が走る。



「ぐはっ」



口から血の塊を吐き出す。


口の中は鉄の味が広がり、ポタポタと垂れ出る。


起き上がろうとするが背中に激痛が走り起き上がれない。


今の一撃で骨が何本か折れたのだろう。


これがスキルの差か……。



「な……んで……」


「あれれぇ? 兄さん。今のも受け止めれないんですか?ブヒャァァ!! 」


俺が這いつくばっているのが面白いのかテーブルをバンバンと叩き大笑いしている。


「アズサ……こんな俺で……ごめん…………約束……守れそうにないや…………」


痛みを堪えてなんとか声を絞り出すが限界だったのか意識を手放してしまった。






【ディーナ】に投げ込まれたのはその数時間後であった。





目が覚めると薄暗い部屋に横たわっていた。


おそらく父上に投げ込まれたのだろう。


起き上がり状況を整理する。


予想が正しければここは【ディーナ】だろう。


通常ダンジョンは冒険者がモンスターを倒して攻略する場所なのだがここは例外である。


最初こそは他と変わらないダンジョンだろうと冒険者達も多数攻略に乗り出したが誰一人として生還しなかった。


それに危機感を覚えた王国が騎士団を派遣するが……また一人も帰ってこなかった。


それを受け、難易度をSSSSSに指定し、誰も入らせないようにした。


何年か経ったある日、【スキルの儀】で一人の貴族の長男が《ハズレスキル》を授けられてしまい、それに激怒した親がその長男を【ディーナ】に追放してしまう。


この事件を皮切りに《ハズレスキル》持ちを追放する貴族が後を絶たなくなった。


流石に王国が黙っているはずが無いと思うかもしれないが一度も動かなかった。


父もそれに従っただけ……そう自分に言い聞かせるが心の傷が癒えることは無かった。


俺が《ハズレスキル》だと分かった時のあの冷ややかな目は本物だった。


追放するのも父の意思だろう。


その証拠として、



「ステータスオープン」



━━━━━━━━━━━━━━━



名前:ラグス (15)



レベル:20



スキル:《モード切り替え》




━━━━━━━━━━━━━━━




家名であるアスゼントは俺の名前から消え去ってるのだから……。


自分の何かが崩れた。


家と決別するーーー区切りをつける意味でもこの【ディーナ】を踏破する。


死んでらその程度だったという事だろう。


そう気持ちを改め、奥地に歩いていくのであった。




最初こそ魔物も現れず、地面を踏みしめる音のみがコツコツと続いていた。


願わくば先人達が倒していった、そう思わずには居られなかったが運命は思いどおりには動かない。


1匹の魔物がこちらに向かってくる。


あれはオーガか。


通常であればBランク冒険者数人で挑む魔物。


だが俺に仲間など一人も居ない。


やるしかないと剣を抜いたと同時に、視界の右上が赤く光り輝く。


まるで押せとと言わんばかりに。



「な、なんだこれ」



恐る恐る押すと半透明のウィンドウ画面が現れる。




━━━━━━━━━━━━━━━



難易度を選べます



【Very Easy】



【Easy】



【Normal】



【Hard】



【Very Hard】

※現在選択されている難易度です。



【Master】



【hell】



━━━━━━━━━━━━━━━



今度ははっきりと見える。


【スキルの儀】の時は文字が灰色になっており、押しても何も反応しなかった。


今は灰色から黒色に変化している。



「俺の人生は【Very Hard】だったってのか?」



どうりで厳しい人生だったよ。


ひとまずどれが1番いいかーーー



「うおっと!? 」


「ヌゥ! 」



オーガの剣が俺の真横を切り裂く。



「ガアァァァァ」



仕留め損なった事に腹が立ったのか唸るオーガ。


迷ってる時間は無いようだ。


【Very Easy】をタップする。


するとーーー、



『ラグスの難易度を【VeryHard】から【Very⠀Easy】に変更しました。再度変更する場合は一日のクールタイムが必要です』



無機質だが何処か女性らしさが残る声が聞こえ、難易度の変更を知らせてくる。



「とりあえず変更は出来たみたいだな」



スキルが発動できたーーーこれだけで涙がこぼれそうになる。


まだ効果も分かってないのに。


スキルボードからオーガに目を移し、深呼吸をする。



「ふぅ。さて難易度は変わって……ってーーー」



目の前の光景に絶叫する。



「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!? 」



他に人がいたら頭がおかしくなったのかと疑うだろう。


だが叫ばずにはいられなかった。


だってーーー


俺を今すぐにでも切り殺さんと剣を構えていたオーガは身体に穴を開けて死んでいるのだから。



「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!? 」



もう一度叫ばずには居られなかった。



『レベルアップしました』



一歩遅れてレベルアップを知らせる声が聞こえてくる。


オーガを倒した(?)からレベルアップしたのか?


レベルアップするのは何年ぶりだろうか……。


急いで確認する。



━━━━━━━━━━━━━━━



名前:ラグス(15)



レベル:20→24



スキル:《モード切り替え》




━━━━━━━━━━━━━━━



「4も上がってる!? 」



魔物を倒せば経験値が手に入り、一定数貯まればレベルが上がる。


しかしかなりの数の魔物を倒さなければレベルアップは難しい。


かくいう俺も最後に上がったのは1年以上前だ。


それではこのオーガが強い個体かと言うとそうでも無い。


オーガ一匹でこんなにレベルが上がる訳がない。


今までとは違う明確な何かがーーー



「ーーん? 」



そこまで考えを巡らせ、ある事に気づく。


「まさか《モード切り替え》の【Very Easy】はレベルアップも簡単になるのか? 」


いやまさかな?ーーー。





第九層。


ダンジョンには第十階層ごとにボス部屋が配置されており、ボスを倒さないと次には進めない。


そして目の前には第十階層の扉。


ここに来るまでにかなりステータスが上がった。



━━━━━━━━━━━━━━━



名前:ラグス(18)



レベル:58



スキル:《モード切り替え》



━━━━━━━━━━━━━━━




やはり《モード切り替え》で難易度を【Very⠀Easy】にすると、レベル上げが簡単になる仮説は正しかった。


第九層に辿り着く前、ブラックオークの集団に囲まれたときは流石に死んだと思ったが、くしゃみ一つで半壊した。


一体でも討伐難易度がAの上級魔物なんだが……まさかくしゃみで死ぬとは。


今更ながらドッキリを疑ってしまう。


え、まさか本当にドッキリじゃなよな?


不安になって遠隔魔法を探るが当然みつからない。




「扉の先にはボスが居るんだ。気を引き締めないとな」



ギィィィィと年季の入った音が鳴りながら扉を開く。


先人が開けてから何年も経ったからなのか、はたまた誰も開けたことは無かったのか、真実は分からない。


広い部屋の中央にポツンと可愛らしいピンクの布団が佇んでいる。


逆にいえばそれ以外何も無い。



「誰も……居ない? 」



周りを見渡すが魔物らしき気配は感じない。


階層ボスが不在とか普通あるか……?


まあいいや、考えてても仕方ないし次の階層に進ませてもらおう。


謎の布団の横を通った瞬間、何か人の頭が見えた気がするが多分気のせいだろう。


扉を押し先に進むーーー



「あ、待って! そこのお兄ちゃん!! 」



「ーーぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!? 」



後ろから女の子の声がしたんですけど!?


ま、ままままさかゆゆゆゆ幽霊……。


おそるおそる後ろを振り向く。


振り向いた先にいたのは12〜14歳くらいの少女だった。


なんでこんな場所に少女が?


といってもこのダンジョンに入る理由は必然的に一つしかない。



「まさか君も家を追放されたーーー」


「ーーいや違うの! ミリナはここの階層を任されているいわゆるダンジョンボスなの! ミリナをスルーして先に行っちゃったらディーナお姉ちゃんに怒られちゃうの……くすぐりの刑はこりごりなの」


ミリナ、と名乗る少女はどうやらボスらしい。


正直こんな少女がボスとは考えにくいがこの場で嘘をつく理由は無いし、信じるしかない。



「君がダンジョンボスなら倒さないと次の階層に進めないの? 」


俺の言葉にこくりと頷く少女。



「倒してもらわないといけないの」



倒してと言わんばかりに地面に寝っ転がり、足をバタバタと振る。


そう言われても……少女を倒したいとは思わない。



「なぁ、俺は君を倒す気は無いし倒さなくても多分次の階層に進めると思うんだが」


「? ミリナを倒さないと扉は開かないはずなの」


「確かに普通のダンジョンならそうなんだが……あれを見てくれ」



そこまで言うと扉の方を見る。


俺につられて少女も振り向く。



「開いてるの……」



「だろ? 」



俺の仮説だが通常ダンジョン内の魔物やボスは侵入者を排除すべく敵意を持っている。


だがこの少女は敵意が全くない。


そうーー心の感情によって左右されるのでないか。



「というわけで君を倒さなくて良くなったから俺は倒さないぞ? 睡眠の邪魔して悪かったな」



色々と不思議な少女だったな。


幾らボスだとしても幼い少女を一人ここに残すのは後ろ髪を引かれる思いだが、流石に勝手に連れていったら怒られそうだしな。


先に進もうとするが進めない。


なっ……やはり倒さないといけないのか?



「まって……」



少女に服の裾を引っ張られていた。



「ミリナを連れていくの! もう……一人は嫌なの!! 」



力強く、だがあどけなさも残る顔でそう言ってくる。


よく見ると目に涙を浮かべている。



「連れて行ってあげたいとは思うけど……怒られないの? 」



「怒られる。けど……けど! 一人になる方が怖いの……お願い連れてって……」



余程一人が怖いのか泣きじゃくり、俺を離さまいとしている。



「なら一緒に行くか」


「なんでもするから……ってえ!? 」



信じられないと言った感じでこちらを向く少女。



「元々君を連れて行けないか考えてたしな。ーーこれからよろしくな、ミリナ。俺はラグス、家名は無い」


「うん、よろしくなの! ラグス!! 」



満面の笑みでそう言うと手を握ってくるミリナ。



「じゃあ行こっか。次の階層に」


「はいなのです! 」



ハズレスキルと勘違いされ家を追放された俺にも仲間が出来た。


俺とミリナの【ディーナ】攻略は始まったばかりーーー!


★☆皆様へのお願い☆★


「面白かった!」、「連載して欲しい!」、「続きはよ」などと思っていただけたのであれば幸いです。


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評価は広告下の☆☆☆☆☆☆です。


面白かった場合は★★★★★、普通だったら★★★、面白くないと思えば★など正直な感想で大丈夫ですので何卒☆をポチッと押していただければ作者は救われます。


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モチベに繋がるので是非お願いします…!

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