願い
願いというものは不思議なもので、自分のために願うときには、なにか後ろめたさを覚えます。見知らぬ人のために願うときには、少し偽善を覚えます。親しい人のために願うときには、少しだけ打算を感じます。愛する人のために願うときにだけ、とても、自然に思えます。
ですから、この詩には後ろめたさがあります。それが、悔しかったりします。
もしも、願いが叶うなら なにより、きみが淋しさを
覚えるときのないように いつも、身近な人たちに
囲まれ、絶えぬ笑顔にて 暮らしているよう願います
もしも、ふたつが叶うなら 僕と過ごした、あの日々が
嫌な記憶や癒されぬ 傷に変わりて残るより
いっそ、忘れてしまうよう 遠いきみへと願います
もしも、他にも叶うなら 忘れた僕を思い出す
そんな、昨日を振り返る 明日がきみに来ないよう
ただ、しあわせを積み上げる きみの暮らしを願います
もしも、最後にひとつだけ 僕に願いが叶うなら
(ずっと、先でも構わない)
きみと僕とが、魂の 近しき者の親しさを
もって、再び会えるよう ただ、逢えるよう願います