みーちゃんのおともだち
みーちゃんはお友だちを作るのが上手。ウサギのうさぴょん、カエルのゲコ太、そしてスズメのチュン子。彼らとみーちゃんはいつだって一緒に遊んでいた。
そんなある時、みーちゃんはお母さんにお弁当をもらって1人で探検に出かけた。ぽかぽかといい天気。
「そろそろお弁当食べようかな」
みーちゃんはお弁当の包みを開けてご飯だ、美味しそうだなと思っているとご飯が飛び出ちゃった。みーちゃんは追いかけた。お母さんの美味しいご飯がもったいない。
「あっ!」
飛び出たご飯は地面に空いた穴の中に落っこちちゃった。穴の中を覗いてみても真っ暗でなーんにも見えない。みーちゃんは考えた。そして、えいっと穴の中に入っちゃった。
「チューチュー!! みんな侵入者だ、気を付けろっ!」
ここはネズミの国。みーちゃんの登場にネズミたちは大パニック。アタフタと逃げ惑うネズミたち。だけど、あれれ? 一匹のネズミがみーちゃんの前にやってきたよ。
「こ、ここから先は通さないぞっ」
ぷるぷると震えるネズミが一匹。みーちゃんは首を傾げる。
「お弁当が落っこちちゃったの。知らない?」
「そんなものは知らないぞ」
と、ネズミは言った。
「そっかぁ……ねえあなたのお名前はなぁに?」
みーちゃんがネズミに名前を尋ねるとネズミはチュー太と自己紹介をしてくれた。
「私はみーちゃん。みーちゃんって呼んでね」
新しいお友だちだと喜ぶみーちゃん。みーちゃんはお弁当は諦めてチュー太をお家に招待する事にした。チュー太を頭に乗せみーちゃんは真っ直ぐお家に帰った。
「ただいまー」
しんとしたお家の中。お母さんはどこかにお出かけ中みたい。みーちゃんはもしかしたら近くにいるのかもとチュー太をお家に残して周辺を探す事にした。だけどお母さんは見つかりません。仕方がないやとお家に戻るとあれれ、お母さんが。
「お母さん、ただいま……チュー太!」
お母さんはチュー太を絞め殺してしまっていました。出来たばかりのお友だちを失ったみーちゃんは悲しくて悲しくてわんわんと大泣きをしてしまいます。
「みーちゃん泣き止んで。ごめんね。ごめんね」
お母さんは必死に慰めますがみーちゃんは泣きやみません。そこでお母さんは仕方がないと冷たくなったチュー太を連れてお部屋の奥に行ってしまいます。それでもみーちゃんはその場から動かず泣き続けていると、みーちゃんのお母さんがチュー太を連れてきました。
「ほうらみーちゃん、チュー太はここよ」
骨が砕けぐちゃぐちゃになったチュー太ではありません。みーちゃんは喜んで抱きつきます。ふわふわとしたチュー太にみーちゃんは嬉しくて嬉しくて仕方がありません。
「お母さん、ありがとう!」
みーちゃんは新しいお友だちのチュー太をみんなに紹介する事にしました。ウサギのうさぴょん、カエルのゲコ太、そしてスズメのチュン子。彼らはとても大人しい子たちです。彼らと同じように物静かなチュー太。みんなみーちゃんの大好きなお友だちです。
みーちゃんはその後もみんなと楽しく、暮らしましたとさ。