表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メグ美農園の収穫祭へようこそ(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
第2章 スローライフとビジーライフ
96/150

96.現れない三人

 翌日の8時、私は複雑な気持ちで農場ゲームに接続した。なぜなら、テレーザさんとカレンさんがあのような形でゲームから落ちたからだ。


(今日、テレーザさんとカレンさんは来るのだろうか……)


 実は、なぜか来ないような気がしていて、今日はゲームをインする前にどうしようかと迷っていたのだ。



 悶々としながらコテージのドアを開けると、眩しい陽光がそれを隠しきれないちぎれ雲の隙間から降り注ぎ、優しく吹く風が体を目覚めさせる。


 広くなった土地には、濃い緑が溢れ、情熱的に赤い実や鮮やかな緑の実がたくさん熟している。


 たわわに実るとは枝がたわむことなので、リンゴやミカンのイメージがあるが、トマトやキュウリだって身の重さに細腕の枝が引っ張られているので、表現を借りても良ければその言葉を当てはめたい。



 二人が来ないという直感にはそれなりの根拠があるかというとそうでもないのだが、心の中では大外れであって欲しいと願っている。直感ってたまに当たるときがあるものだから、自分は予知能力があると思ってしまう結果、然したる根拠がなくても直感を天啓のごとく信じてしまいがちだ。


 テレビで観た「今日の占い」は上位の方だったので、外れを期待するのに十分である。不思議と経験上、占いの上位は当たらず、下位の方が当たるからだ。


 しかし、テレーザさんとカレンさんは約束の時間を過ぎても現れなかった。それどころか、エレナさんも時間には来なかった。


 昨夜、ゲームから落ちる間際に彼女は「バイトが急に入ったらゴメン」という言い方だったので、その急なバイトだろうと思うのだが、心配でならない。


 このゲームの世界にスマホのSNSと連動した機能が欲しいものだ。



 8時の収穫が始まったが、オークさんたちのあまりの手際のよさに、手伝う私が出荷する実に手を伸ばす暇がない。


 仮にどこかの一角を任されたとしても、彼女たち三人が来ないで一人黙々と摘み取る作業をするのは寂しい。


 結局、キツネさんが運転してきた大型トラックに箱が山積みされて、空き箱が置かれていった。次の収穫は13時だとオークさんが言うが、私は上の空だった。


 一応、残りのズッキーニとパプリカの予想収穫数も含めてだが、収支は以下の通り。


 ――――――――

 <出金>

 トマトの種     仕入れ数:20、単価: 200PT

 キュウリの種    仕入れ数:20、単価: 200PT

 ズッキーニの種   仕入れ数:30、単価: 250PT

 パプリカの種    仕入れ数:20、単価: 300PT

 肥料        仕入れ数:20、単価: 2,000PT

 合計:61,500PT


 <入金>

 トマト       売却数: 600、単価: 80PT

 キュウリ      売却数: 500、単価: 50PT

 ズッキーニ     売却数: 400、単価: 150PT

 パプリカ      売却数: 500、単価: 150PT

 合計: 208,000PT


 残高:1,592,500PT

 ――――――――


 肥料は時々仕入れないといけないので仕方ないが、それを抜きにしても着実に資金が増えている。車の300万PTにはほど遠いが、いずれ購入できる日が来るだろう。


 そのことよりも私は、首を長くして三人の登場を待っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ