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メグ美農園の収穫祭へようこそ(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
第2章 スローライフとビジーライフ
82/150

82.湧き水が見つかった

 オークさんの話では、コテージの裏を切り開くには、全員で木を切るのに1時間、切り株を片付けて雑草を取るのに1時間、柵の加工に1時間、柵を囲むのに1時間もあれば出来るだろうとのこと。4時間後と言うことは11時過ぎだ。現実世界でも同じ時間になる。


「もう従業員を募集してもよいかのう?」


「はい。ただし、殺到すると困るので、1名にしてくださいね」


「相わかった」


 私はエレナさんたちに、最後まで立ち会うかを聞いてみたら、三人とも「途中で抜けるかも」とのことだった。私は最後まで立ち会うことにした。キチンと仕上がるところまで作業を見届けたかったからだ。


 みんなで、鋤の代わりに斧に持ち帰る。爽やかな風が吹く中を、木を切る音がこだまする。



 ところが、開始して5分ほど経ってからだった。カプラさんが「あれれ? 地面から水が染み出ている」と言ってしゃがみ込んだ。


 みんなが集まってきて、カプラさんを取り囲んで地面を覗き込む。確かに、雨が降っていないのに辺りが濡れていて、その中心付近で濡れた土が何やらモコモコと動いているのが見える。


「どれどれ」


 カプラさんとペアを組んでいたコニーリアさんが濡れている地面を掘り始めると、ボコボコと水が湧き出した。


 急に水が地面に染み出してくるなんて、おそらく現実では――あくまで想像だが――そんなことはないと思う。ゲームの中の、湧き水が見つかりました的なイベントなのだろう。でも、いつものことながら、リアリティが高めの演出だ。


「凄い凄い! 地下水よ! ここに井戸が出来て、水に困らなくなるわよ!」


 コニーリアさんが全身で喜びを表すと、全員が拍手をして互いに喜び合った。


 今まで農園にはこのような井戸はなく、毎回コテージ内の調理場までクラウディアさんが水を汲みに行っていたのだが、今度からはここで水を汲めば良いので楽だ。


 それにしても、何でも出てくる調理場の中が気になる。一度こっそりとクラウディアさんの後を付けて侵入を試みねば。



 湧き出る水はもったいないが、いったんそのまま放置し、私たちは作業を続けた。


 幸い、お隣の農園は拡張している様子もなく、横100メートル、奥行き50メートル分の土地が広がった。この時気づいたのだが、両隣はすでに開墾済みで柵で囲まれていた。つまり、今回私たちが切り開いた場所は、もうすでに三方向が農園で囲まれていたのだ。


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