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メグ美農園の収穫祭へようこそ(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
第2章 スローライフとビジーライフ
76/150

76.トラックがやってきた

 すっかり収穫が終わって、道のそばに箱の山が出来た頃、幌がかかっていない荷台を引く大型トラックがやってきた。初めて見る市場のトラックは、紺色のボディを光らせながら箱の山の前で停車する。


 運転席から降りてきたのは、市場の人が被るような札付きの帽子を手に持つキツネさん。


「やあ、こんにちは! これで全部ですか!?」


 キツネさんは、誰か答えてくれないかと、キョロキョロしながら大声で問いかける。すると、コニーリアさんが「待ってー! まだあるわよー!」と箱を持って走ってきた。


 空き箱が降ろされた荷台へ箱を詰め込むのも私たち人間組の手伝いは不要で、キツネさんも協力して瞬く間に積み込み作業は終了する。


 トラックが去って行くと、オークさんたちは次に使うであろう空き箱をコテージに運び込み、それが終わると全員が斧を持って出てきた。そして、オークさんとクラウディアさんは、私から見てコテージの方を向いて右側の木々の方へ、コニーリアさんとカプラさんは左側の木々の方へ向かった。


 さあ、三方向で一斉に伐採が始まった。


 ところが、動物さんたちの作業は早い早い。コーン、コーン、コーン、コーン、コーン、コーン、コーン、コーンと音がして、メキメキメキッ、ドサッである。私たちの十倍は早い。これでは競争しようという気など起こらず、ギネスの世界記録達成を目撃するのではと思えてしまう。


 私はエレナさんと顔を見合わせて笑った。この木を切るスピードは、呆れるのを通り越して笑うしかないのだ。テレーザさんとカレンさんも手が止まって、のんびり屋に見えるカプラさんがコニーリアさんと同じスピードで木を切るのを眺めている。


「眺めていてもしょうがないから、頑張ろうよ」


 エレナさんはみんなに声を掛けて、作業を再開した。なんだか、エレナさんってリーダーシップがあるみたい。私よりもオーナーに向いている気がしてきた。

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