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メグ美農園の収穫祭へようこそ(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
第2章 スローライフとビジーライフ
75/150

75.耕地獲得競争が始まりました

 まず、メグ美農園の境界線となっている柵をみんなで取り払う。


 地面に打ち込まれた太い棒に横木――実際は伐採した枝――を釘で打ち付けているように見えたので、解体するのに難儀すると思っていたけど、ガテン系に縁遠い私たちの腕の力でも横木がスポスポと外れていくし、太い棒も地面からスポッと抜ける。()()()でいいのだが、よく考えたら不思議である。


 瞬く間に作業は終了したが、これって、外部の侵入者はこの柵を楽勝に壊せたのではないだろうか。そう考えると、ちょっと怖いかも。


 コニーリアさんが私たち人間組四人にコテージから持ってきた斧を渡し、「先に木を伐採して。収穫はこっちでやるから」と言って去って行く。


 私が彼女の背中に向かって「私たちも収穫したい」と伝えると、振り向きもせず「木を切るのが早かったら手伝ってもらっていいわよ」と冷たく言う。悔しいが、伐採をちゃっちゃかやれる自信はない。


 私とエレナさんがペアを組み、テレーザさんとカレンさんがペアを組んだ。


 そして、コテージの向かい側――道がある方――に位置する木々の伐採を開始した。これをどんどん切り倒して、コテージの正面から遠ざかり、奥へ奥へと土地を広げていくのだ。目標は、奥行きが今の2倍、距離にしておよそ100メートル。


 作業を開始する前に、収穫はどうするのだろうと気になって、チラッと作物の方に目を向ける。すると、いつの間にかコテージの前にたくさんの箱が運び込まれていて、山積みになっていた。誰があそこに運んだのだろう。魔法でも使ったのか、謎である。


 斧を振りながら時折詰め込み作業を見ていると、オークさんたち四人でブロッコリーとインゲン豆を次々と収穫して箱に詰め、それを道の近くまで運んでいって山のように積んでいく。その手際のよさに舌を巻いた。


(ああ、私もやりたかったなぁ……)


 でも、あの速さについていけるだろうか。摘み取るのが乱暴じゃのうとオークさんに叱られ、箱詰めが遅いわよとコニーリアさんに笑われそうだ。でも、楽しそうなのでやってみたいなぁ。斧を放りだして、収穫に参加したい衝動に駆られる。


「メグ美さん。手が止まってるよ」


 エレナさんの言葉で我に返り、「ごめんなさい」と言って斧を振りかぶった。

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