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メグ美農園の収穫祭へようこそ(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
第2章 スローライフとビジーライフ
71/150

71.農場ゲーム三昧を決意する

 放課後の部活も終えて、待っていてくれた友達と一緒に校門を出た私はウキウキ気分が抑えられなかった。つい、声が大きくなり、鞄を両手に持ってクルクル回ったりスキップしたり。


 なので、「今日はいつもより多く弾けてます」とユウにからかわれる始末。爆笑が起きるも、私は周りを取り囲む友達の輪の外に向かって視線を送り、あの三人の姿がないかを探していた。


 自宅の玄関のドアを勢いよく開けて、靴も脱ぎ捨てて階段を駆け上がり、いつもなら速攻でベッドの上に体を投げ出すところを、今日は部屋の中を鼻歌交じりにスキップして歩く。


 両手を広げたりジャンプをしたりと体中が喜びを発散するので、娘の行動に敏感な母親が逆に心配し、部屋を覗きに来たくらいだ。


(ちょっと、はしゃぎすぎたかしら……)


 林間学校は土日を挟んで3日後。


 今朝方、頑張るメールを送ったものの、いざ登校すると、あの三人と最後の最後まで口を利かずに終わるのではないかと気が気でなかった。憂鬱な週末を過ごしてブルーな月曜の朝を迎えることになるのかと恐れていた。それがなくなったのだから、ちょっと大げさでもいいじゃない。


 烏の行水のごとく風呂を出て、夕食を手早く済ませ、たまったビデオを早送りで視聴し、うっかり忘れていた宿題をさっさと済ませる。


 宿題よーし、鞄よーし、着替えよーし、目覚ましよーし。おっと、明日は学校休みだった。ぬいぐるみよーし。気づいたら、ヘッドギアまで指差している。何をやってるんだ、私。


 今は20時。みんなとの約束時間は21時――ゲームの世界では12時だ。ちょっと早いけどインしてみよう。私は、ヘッドギアを手に取って「そうだ。週末は入り浸ろうかしら」と本気で考えた。


 林間学校の事前課題があるわけでもなし。他のVRゲームもやらないので、時間はたっぷりある。種を植えてから収穫まで15時間かかると言われても、ずっと立ち会うのは辛いけど、何度かインして途中経過を見ることは可能だ。今までは学校があったので、それができなくて残念だったのが、今度は出来るのだ。


(週末は、ゲーム三昧ね)


 私は、1時間早いけど、ヘッドギアを装着した。



   ◆◆◆

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