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メグ美農園の収穫祭へようこそ(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
第2章 スローライフとビジーライフ
66/150

66.癒やしのひとときを求めて

 コテージの外に出ると、セロリはすっかり収穫が終わっていて、オークさんたちがみんなで耕していた。モロヘイヤはかなり大きくなっていて、風に吹かれて気持ちよさそうに揺れていた。


 ゲームの時刻では18時。日が暮れる頃だ。


「すみませーん! また来てしまいましたぁ!」


 私が手を振って駆けていくと、みんなが一斉に振り返り、手を振ってくれた。


 ホッとする瞬間。


 このみんなのお出迎えが嬉しくて、癒やされたくてここに戻って来たのだ。


 心の痛みが和らぎ、胸のつかえが下りていく。


「あら、もう戻ってきたの? まだ準備中よ」


 コニーリアがそう言って笑いながら、鍬を私に向かって突き出した。


「さあ、日が暮れるまで耕してね。といっても、すぐ日が暮れるけど」


「はい!」


 私は、みんなと一緒に土起こしを始めた。


 夢中で鍬を振るった。恐ろしかった夢のあの場面がまだ頭の中をグルグルと駆け巡るが、無心になると、少しずつ忘れていく。


 30分ほどで、沈みゆく太陽が頭を少し残すだけになった。さすがに暗がりの中では耕せないので、切り上げる。


「コーンスープがあるわよ。飲んでいく?」


 クラウディアさんに誘われてコテージに戻ると、彼女が調理場から大きめの皿と木のスプーンを運んできた。前に――ゲームの最初の頃に飲めなかったコーンスープを堪能できるので、思わず拍手をしてしまった。お誕生日席に座ると、彼女がスッと皿とスプーンを置いてくれた。


 さっそくスプーンでスープをすくうと、一緒につぶつぶのコーンも入ってきた。湯気も漂っているが、どうやって映像化しているのだろう。


 スプーンから舌の上に流れ込むスープは、温かくて滑らかで濃厚な味がする。コーンはシャキシャキの食感だ。このリアリティの高さは感動ものである。


 コーンスープが体を温めてくれて、気持ちが落ち着いた。ホーッと出る息までコーンの香りがする。


 なんだか、活力まで湧いてきた。もう少し頑張るぞーって気持ちになる。でも、夜だから農作業は出来ず、星を見るしかないけど。


 その時、コニーリアさんがコテージの中に入ってきた。


「ねえ。どうして戻ってきたの?」


「ここが私の憩いの場所だからです。自然に触れて、とても癒やされますし」


「あら、そう? 満足してもらって、よかったわ。

 ねえ、星を見ていく?」


「はい!」

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