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メグ美農園の収穫祭へようこそ(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
第2章 スローライフとビジーライフ
44/150

44.頭を冷やせ

「コニーリアさんって、自分が悪くて怒らせてしまった人がいた場合、どうします?」


「ん?」


 コニーリアさんはゆっくり首を傾げて右手を顎に当て、目をぱちくりさせている。今考え中のようだ。さすがに、AIでもこんな質問を想定していないのか、回答を導き出すのに時間がかかっているようだ。


 すると「謝ればいいじゃない」と至極当然な答えが返ってきた。


「いえ、そのきっかけがないのです」


「ん? ということは、相手と話が出来ないということ?」


 私は、それが自分のこと――例の三人と話が出来ないこと――も含んでいる思った。なので、答えへの期待がグンと高まった。


「うーん……」


 コニーリアさんは、また無言になる。その長いこと。なんか申し訳ないけど、イライラする。


 そこへ、土の匂いがする風がまた吹いた。その時、彼女は指を立ててこう言った。


「そういうときは体を動かして、それから考え直すのが一番。きっと、いいことを思いつくわよ。さあ、続きを手伝って」


 私以外の三人は、顔を見合わせて苦笑いをした。何で他人事のように言うんだろうと最初は思ったが、「いったん考えをやめて頭を冷やしなさい」ということかと一人納得した。



 こういう時に、模範解答――どんな状況でも通用する万能の方法――など、ありはしない。


 それがわかっているのに、コニーリアさんに()いてみた私。それは単に、私が答える代わりに他人に答えを委ねただけだ。それが「救い」の正体。


 つまり、私はエレナさんの悩みから逃げたのである。


(やっぱり、体を動かしてから考え直そう)


 例の三人との接し方に悩む私は、コニーリアさんからもらったアドバイスを実践するため、鍬をつかんで立ち上がった。



   ◆◆◆

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