表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メグ美農園の収穫祭へようこそ(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
第1章 荒れ地の果てに
4/150

4.スパーリアルな大自然の世界

 この「農場経営Tファーム物語」を一度プレイしているからか、ゲームの初期設定画面やアバター選択画面などは()()()()()、私は夜の世界に降り立った。


 暗闇ではなかったので、林の中の広い空き地に立っていることがすぐにわかった。


 首から下を見ると、長袖のチェック柄の服にジーパンのような長ズボン。チェック柄の色は赤にも思えるが、暗いところで赤は黒く見えるので、確証は持てない。


 丈の高い草に膝から下が隠れているが、足を上げてみると長靴を履いていることがわかった。首に何かを巻いているので、それをちょっと引っ張ってから顎を引いて下を見ると、スカーフだった。なんとなく黄色いスカーフに思えた。


 夜なのにこんなに明るいのはなぜだろうと空を見上げた途端、度肝を抜かれた。


 都会で、雲一つない空だったとしても、絶対に見ることの出来ない満天の星。


 頭のてっぺんに天の川らしい透明度20%くらいの光の帯。そこに目をこらすと、粉のように細かい星が集まって出来ている。星は全てが白色ではない。橙色も赤色も金色もある。


 これだけの星が大地を照らしているから夜中でも明るいんだ、と星明かりの威力に感嘆した。


 微風が頬や()()を撫で、木々の葉や草を揺らす。時折、せっかちな風がヒュウと吹いて木々の枝がざわめき、草がお辞儀をする。


 スーパーリアルな夜の光景がVRゲームで忠実に再現されている。


 私は、思わずつぶやいた。


「ここはどこ?」


 もちろん、この問いに答えてくれる親切な誰かさんはいない。周囲を見渡しても、たくさんの木々が私を見つめ、無数の草が私を見上げている。


(そうだ。残っている昔のデータを確認しよう)


 私は、さきほどやっていた異世界物のゲームと同じ要領――右手の指を空中にかざすやり方――で操作画面が表示できるかを試してみた。すると、その方法は共通だったらしく、体の正面にA4サイズの明るいスクリーンが現れた。もちろん、レイアウトはかなり違うが、スワイプやフリックの動作は同じである。


 まずは、自分のプロフィールを見てみる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ