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メグ美農園の収穫祭へようこそ(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
第2章 スローライフとビジーライフ
39/150

39.経験者は違う

 私が柵の扉を開けてテレーザさんとカレンさんを招き入れると、さっそくコニーリアさんが自分とカプラさんの鍬を二人に差し出す。いつものパターンなのでクスッと笑ってしまう。そして、コニーリアさんはコテージに走って行き、自分とカプラさん用の二本のスコップを持ってきた。


 コニーリアさんを待っている間、私はエレナさんに二人を紹介する。みんなで自己紹介でも始めようかと思ったのだが、戻ってきたコニーリアさんが「そんなところに突っ立っていないで、早く早く」とせわしなく手招きをするので、テレーザさんとカレンさんはさっそく土起こしの作業を開始した。


 この二人も耕した経験があるようで、私より断然うまい。今日始めたばかりの初心者である私と同じだとしたら、始めて早々に農場経営を諦めたことになる。それはあり得ないだろう。うまいのも当たり前か。


 となると、なぜ二人が経営を諦めたのか、気になるところだ。



 私は休憩中のエレナさんの方を向いて、遠くを見る彼女の顔を覗き込んだ。


「参考になりました?」


 これは、何がうまくいかなくて諦めたのかを遠回しに聞き出すための問いかけだ。彼女は、私の方に笑顔を向けた。


「見ていると、こちらの動物さんたち、鍬の使い方がうまいですねぇ。私なんか、腕に力を入れて振るうので、すぐに疲れてしまうし、作業もなかなか進まない。理由がよくわかりました」


「管理人さんに任せないのですか?」


「うちの管理人、ジャイアントパンダなんですが、力がありそうでいて、働くのは実にのんびりで。結局、私がほとんどやっていました。自己流ですが。これがうまくいかなかった原因ですね」


「力仕事は大変なのに全部やるなんて、凄いことです」


「私、結構、力がある方で。()()()()()()()()()()()()()よ」


 急に、エレナさんは現実世界での何かを思い出しているような目になった。


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