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メグ美農園の収穫祭へようこそ(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
第1章 荒れ地の果てに
33/150

33.ボス戦で得たもの

 RPGの方は、仲間と洞窟内でボス戦に挑んだが、反則級の巨大なドラゴンに怖れを成して逃げ帰る結果になってしまった。


 弱気な自分たちを互いに励まし合い、当たって砕けろと3回チャレンジしたが、まるで歯が立たない。


 作戦会議も徐々にトーンダウンする。仕舞いには、諦めムードが漂い始め、皆が無口になった。


 ここで私は、柄にもなく、仲間を鼓舞することにした。


「なあ、みんな。敵を1回で叩きのめすことに全力をあげていないか?」


 誰も答えない。でも、呆れているのでもなく「馬鹿なことを言うな」となじることもない。なのに、私に向けた視線をすぐに下へ向けてしまった。


「半歩でもいい! 前進すれば、必ず勝利にたどり着く!」


 仲間はまた顔を上げた。


「熱くなってがむしゃらにぶつかっても駄目だ。まず、ボスの攻撃パターンを読む。防御でかばうところがあれば、そこが弱点だ。あのドラゴンの動きを見ていると、攻撃パターンが3つあり、こちらの陣形に合わせて使い分けている。その裏をかく。また、必ず防御する箇所があるので、そこを突けば勝機をつかめるかも知れない」


 みんなが頷いた。硬い表情が、希望の光を見つけたような表情に変わった。


 言っている本人が『年上相手に何偉そうなことを』と思ったけど、みんなが喜んで賛成してくれたので安心した。



 結果的にボスを倒せなかったが、裏をかいたことにより相手を混乱させ、必ず防御する箇所の近くを攻撃したところ、()()めかせて膝を折る寸前まで持ち込めた。手応えを感じただけでも今日は十分成果ありだ。



 現実世界に戻ると23時50分。ちょっとボス戦に夢中になりすぎた。コニーリアさんが向こうの世界で私が14時に現れることを想定し、気を利かして作物を植えていないか大いに気になった。もう50分遅刻だ。私は、すぐにヘッドギアを被り直した。



   ◆◆◆

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