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メグ美農園の収穫祭へようこそ(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
第1章 荒れ地の果てに
26/150

26.未だ進展せず

 翌日の学校では、いつもの通りだが、また友達以外と会話をしなかった。あの三人に声をかけなくてはと思うけども、いざ足を踏み出しても床に張り付いたように止まってしまい、出かかった言葉を飲み込んでしまう。


(声をかけなくてはいけないというのが、すでに義務感ね)


 そんな気持ちで声をかけると、相手もそれを敏感に感じ取ると思う。その「感じ取ると思う」という考えは、自分が逆の立場だったらそう思うというのが根拠になっている。


 義務感を感じさせないようにするには、どうしても会話をしないといけない状況を待つしかないようだ。義務感で話をしていませんよ、どうしても必要だからですよって。


 その日は、いつになったら来るのだろう。



 夜中にモヤモヤしたまま「アール・ドゥ・レペ」をプレイしていたら、その気持ちが体の動きに出てしまい、ミスが続いた。仲間からは、昨日暴れすぎたせいだとからかわれたが、そうじゃないと言えなかった。原因となっていることも相談できなかった。ゲームの場はそういう場ではないと思うし、相談される方も困るだろうし。


 大型の魔獣をみんなで倒した後、私――ノアールがボーッと立っていると、仲間に声をかけられた。


「ノアール氏。イヤなことは思いっきりイヤだと言うのが一番ですな」


「急に何を?」


「今日の動きを見ていると、そのことで悩んでいるように見えますぞ」


「そうか?」


「イヤなことを我慢して、耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、なんて時代遅れなことをやっていると、いきなり沸点を通り越して爆発してしまいますぞ。くれぐれも注意なされ」


「うむ。心にとどめておこう。おぬしの心遣い、痛み入る」


 ちょっとは気が楽になった。仲間のアドバイスは、とてもありがたいことだ。


 「アール・ドゥ・レペ」から抜けて時計を見ると23時だ。さあ、急いでカボチャのその後を見に行かねば。



   ◆◆◆

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