20.開墾のお手伝いをしてみました(2)
雑草の方は、およそ1メートル四方の部分だけ残されていた。シュッシュッと伸びるイネ科の雑草は、簡単に抜けそうな様相を呈している。なあに、簡単に終わるわよ、と高をくくって屈んだ。根を残すとまた生えてくるので、引き抜くのが一番。
試しにひとつかみを引き抜いてみる。スルッと抜ける。ほらね、簡単じゃんと思ったら、途中から抜けただけ。まだ三分の一が憎たらしく残っていて、こちらの顔に向かって地面から突き出して挑発している。
もっと根元から抜かないと駄目みたい。ならばと地面すれすれの部分をガシッとつかんでググッと引き抜くと、土が絡んだ根の塊ごと抜けた。習字に使う太い筆がボサボサに広がったような感じ。
コツがつかめたので、一つ一つ抜いていく。疲れてきたので、いくつかをまとめて引き抜く。
すると、今までの力加減では抜けない雑草にぶち当たった。「何……これぇ……」と声を上げながらグイグイと引っ張ると、ボコボコと音を立てて太くて白い根っこが地面から出てきた。この長いこと。どうも、横につながって生えているタイプみたい。
この地中を横に張った根に連なって生えている雑草は、面白いように抜ける。根を抜けば、それに付いている草まで取れるのだ。途中、根がブチッと切れると「しまったぁ!」と思うけど、続きを引っ張ればまた次々と抜けていくから面白い。
これも手際の善し悪しは聞きません。何分かかったかも聞きません。それより、自分の力で雑草を全部引き抜いたことに達成感を強く覚え、こんな広い土地の雑草を4時間で引き抜いてしまうマシューズ夫婦の素早さに今更ながら感動した。