150/150
150.暖かい日差しに祝福されて
四人で全ての木を見て回った後で、エレナさんが「あのさぁ」と切り出した。
「何?」
「ちょっと話したいことがあるんだけど」
「どんな話?」
「私――いや、私たちのこと」
彼女は、テレーザさんとカレンさんに目配せする。
すると、テレーザさんは「私も伝えたいことがあるの」とモジモジして、カレンさんも「私も」と言ってからはにかんだ。
私はその意味をすぐに理解した。
そして、決心する。
「ちょうどよかった。私も話したいことがあるの。コテージに戻らない?」
「そうだね」「そうしましょう」「うん」
この時、空がみるみる晴れ上がり、暖かい日差しが私たちを包み込むと、風が四人の背中を優しく押した。
まるで、これからの私たちを祝福するかのように。