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メグ美農園の収穫祭へようこそ(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
第3章 収穫の時
140/150

140.和解

 ギャラリーから地鳴りのような(どよ)めきが巻き起こり、割れんばかりの拍手がそれに続く。


 結界を解除した私は、そんな祝福に応えることなく、真っ先にジャンヌさんの元に駆けつける。


「ジャンヌさん!」


 私の呼びかけに意識が戻ったのか、うつ伏せ状態から頭を少し動かしたジャンヌさんは、私の方を向いて睨み付ける。


「笑いに来たの?」


「いいえ。もうこんなことは、やめましょう」


「それは、やめることになるでしょうね。アカウントを削除するのですから」


「その条件を撤回します。もう二度と決闘をしないと約束してくれたのなら」


「何? 私に恥をかかせるの?」


「いいえ。そもそも、このゲームの運営側が決闘を禁止していないことに問題があります。私たちはその犠牲者です」


「犠牲者?」


「ゲームはクエストをクリアするから楽しいのです。人の憎悪を増幅させる決闘なんか、必要ありません。仲間の(かたき)とばかり、復讐が連鎖的に広がっていきます。それは不幸なことで、ゲームを辞めていく人が増えるでしょう」


「…………」


「一緒に楽しくプレイしませんか? この『アール・ドゥ・レペ』の世界で」


 ジャンヌさんがゆっくりと上半身を起こして、立ち上がった。


「でしたら、私のパーティーに入ってくださるなら、決闘をなかったことにするという提案を呑みましょう」


「それは出来ません。私には仲間がいますから」


 ジャンヌさんがフッと笑った。


「では、その仲間ごと私のパーティに引き入れましょうか?」


「それは定員オーバーなことは知っていますよね?」


「冗談よ。それくらい、欲しいの、あなたのことを」


「お気持ちだけ受け取ります」


「では、早くあなたのパーティーが()()()()()()()()()()()()()()()、上位三傑に入れることをお祈りいたします。首を長くしてお待ちしておりますから」


「はい」


 私とジャンヌさんは、固い握手を交わした。

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