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メグ美農園の収穫祭へようこそ(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
第3章 収穫の時
131/150

131.果樹園作りは簡単にはいかない

 私がやるとほとんどオークさんたちの邪魔ばかりしていたような収穫の手伝いだったが、キツネさんが運転する大型トラックの荷台に野菜を詰めた箱を乗せ、無事に出荷が完了した。


 時刻は16時30分。私はゲームの時間をクイックモードで早めようとすると、オークさんに止められた。


「先に苗木を買いに行かんと」


「そうでした……」


 慌てるオーナーはもらいが少ない、でした。


「1回2時間はかかるのじゃが、あそこを全部果樹園にするには、3往復せんと」


 つまり、6時間だ。


「では、そこからクイックモードに――」


「植えて肥料をやるまでに、さらに2時間かかる。それから3年じゃ」


「ガクッ。ということは、今から6時間プラス2時間の8時間を加えた明日の午前0時30分に肥料やりが終わるのですね。夜中も作業されるのですか?」


「オーナーの指示とあらば」


 これじゃ、ブラック企業も真っ青だ。オークさんたちを一日中、休みなしに重労働させることになる。


 ゲームだからそこは大目にみてもらうとして、実際にいつ収穫が始まるかを計算してみた。


 まず、今は、現実世界では土曜日の16時30分。ゲームの世界では日曜日の16時30分。時計を24時間進めたので、曜日が一つずれている。


 3年はクイックモードで58時間24分なので、現実世界の土曜日の16時30分にクイックモードを始めたと仮定して火曜日の午前2時54分が3年後になる。


 午前3時頃にゲームにインして実を見るのは辛い。


 それより、もっと大きな問題がある。


 クイックモードを止めないと、どんどん月日が経ってしまう。だから、午前2時54分の前にゲームにインして待機し、54分ジャストに止めないといけない。


 450倍速で進む時計を止めるのだから、これは難易度が超高めである。


 さらに問題がある。


 エレナさんたちがいつ来れるかが未定であること。退院予定日にすぐにやって来るかどうかはわからないので、実を収穫する時期を決定するのが難しく、逆算して植える日程が決まらない。


 私は、果樹園作りの作業を少し先延ばしにすることに決めた。


「今から苗木を買いに行くのは、やめましょう。エレナさんたちが来てから果樹園作りの作業を依頼します」


 オークさんは目を細めて頷いた。



   ◆◆◆

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