表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メグ美農園の収穫祭へようこそ(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
第3章 収穫の時
126/150

126.お見舞い

 翌朝、ネットサーフィン中に寝落ちしていたことに気づく。


 寝覚めは良くないし、体のあちこちがどことなく痛いが、とにかく登校する。


 教室は欠席者が多数いたが、頼りになるユウとアカネは登校していた。私は彼女たちに、朝からずっと考えていた提案を切り出した。


「週末、お見舞いに行く?」


 彼女たちは快諾した。


 すると、周りで話を聞いていた友達が私も私もと手を挙げてきた。林間学校に行く前は三人をなるべく避けていた同級生が、である。


 やはり、(しい)さんの歌声が彼女たちを深く感動させたからだろうか。


 結局、病室に入れる人数とは思えないほどの団体になったので、お見舞いに行くのは私とユウとアカネとあと二人の合計五人とし、他はお花とかの費用を任意に供出してもらった。任意ではあったが、全員がお金を出してくれた。


 その日の夜も、次の日の夜も、ヘッドギアを被るとちょっと頭痛がする。なので、オークさんたちには申し訳ないけど、しばらく農場経営を頑張ってもらうことにした。



 土曜日。私を含めた代表の五人が、花束を抱えて救急病院の受付の前に集まった。


 まずは担任の先生のところへお見舞いに向かう。


 何を言われるかビクビクしながら四人部屋の扉を開けると、普通に喜んでくれて、人が変わったように接してくれた。


 同室の患者の目耳を気にしていたのかも知れないが、それは復帰すれば態度でわかるであろう。



 次は(えい)さんと(びー)さんと(しい)さん。たまたま四人部屋で三人分のベッドが空いていて、そこにみんなで担ぎ込まれたとのこと。


 手足の打撲がひどく、歩行困難なため入院したらしいが、(えい)さんは「こんな怪我なんかで大げさ。家で寝っ転がってればよかった」とみんなを笑わせる。おっと、他の患者さんがいらっしゃるので、笑いは控えめに。


 (びー)さんも(しい)さんも元気そうだった。笑顔も見せた。ただし、私以外のみんなの目が気になるらしく、緊張の色を隠せなかった。


 話し方も、班行動したときよりは、やや他人行儀。それは、仕方ないこと。いきなりみんなに心を開くのは、かなりの勇気が必要だし。


 怪我は痛々しかったが、元気そうで、私たち五人は安堵した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ