表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メグ美農園の収穫祭へようこそ(改訂版)  作者: s_stein & sutasan
第3章 収穫の時
118/150

118.ヘビーなVRゲーマーに絡まれた

「戦闘系は、今パラレルでいくつかやっているの。これでも――自慢しちゃうけど――全部上位にいるのよ」


 自慢するのが嬉しそうだが、目は鋭い光を放ち、私を射すくめる。


「VRMMOですよね? そんなにいろいろとプレイされていらっしゃるのですか?」


「そうよ。RPGは私の生き甲斐。全ての時間を捧げるの」


「そうなんですか」


「あなた、そのVRMMOなんてサラッと言う感じ。もしかして、あなたもそっち系のRPGプレーヤー?」


 言葉の調子から、私に急接近してきた感じがする。グイグイと身を乗り出してきて彼女の体が迫ってくるから、なおさらだ。


「あなた、何をやっているの?」


 もちろんこれは、担任の先生が得意の叱責ではなく、ゲーム名を尋ねているのだが、最近先生に怒られてばかりなので、この言葉で条件反射的に私の心臓が跳ね上がった。


 言うか言うまいか迷っていると、彼女が「ねえ、ねえ」と()いてくる。


「あ、あ……」


「ちょっと待って。当ててみましょうか? えーと、……『あ』だから……『アール・ドゥ・レペ』! どう? 当たり?」


 ギョッとして目が泳いだ。


 これはもう、白状したようなものだ。


 その時、何人かの生徒の集団がそばを通りかかった。みんなこっちを見ている。「あの恵美と話している」「つかまったみたいね」「大変だわ」とヒソヒソ声が遠ざかる。


(ヤバい……。どうしよう……)


 もしかしたら、ヤバめのゲーマーに関心を持たれたのかも知れない。


 目の前にいる恵美さんは、私の怖い夢の中で登場したのが単なる偶然ではないような気がしてきた。


 どこかで接点があったのだろうか? いや、まるで記憶がないから、初対面のはず。


「その顔は当たりね。私、『アール・ドゥ・レペ』の上位3パーティーにいるのよ。当ててみる?」


 これは恐ろしい話だ。


 上位3パーティーは4位以下の一桁上を行くパーティーで、三つ巴でしのぎを削っているので、他をどんどん引き離していく上位三傑だ。


「うわー、当てられそうだなぁ。なんか、知ってるって顔しているし」


 恵美さんの唇が、キューッと三日月のように曲がった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ