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Yellow Roze

遅れて申し訳ございませんでした(血涙)。

こーちゃんの話でヴェールくんの一人称が変わっていたので、逆手にとって書いてみました。思ったより長くなりそうです....





初めは”命の恩人”だった。

親を亡くして、途方に暮れていた自分を救ってくれたひと。

そんな彼を、”護りたい”という気持ちが湧くまでそう時間はかからなかった。

といっても、腕のある狙撃手でかつ何年も軍に配属している彼は、自分の力が必要なほど弱くなくて。

強くなりたかった。彼を護れるほどに強く。彼のように、強く。

かつ、一番近いところに居ることができるように。

「.....弟子に、してくれませんか」

十歳の誕生日。狙撃訓練が終わり、帰寮して夕飯の支度をし始めた彼に伝えた。

本で読んだため知っていた、弟子という言葉。師の教えを受けるもの。

彼の狙撃技術を受け継ぎたいという純粋な気持ちもあったが、なにより捨てられてしまうことが怖くて。

一つでも、関係を持っていたかった。結び付けておきたかったのだ。

声が震える。

「だめ、ですか...?」

ぎゅっと瞑っていた瞼を開けて、目に入った彼は豆鉄砲を食らった鳩のようで。

刹那。声をあげて笑い出した。

「あははははっ」

「っ!?」

張りつめていた緊張の糸が一気にほどける。というか吃驚したんだけど。なんなんだこの人。

「いやー、ごめんね。真剣な顔してたからってきり怖い話されるのかと思って身構えてたんだけど、なんだそんなことかぁ!」

そんなこちらの心情など露知らず、彼はくっくくと、のどの奥を鳴らすだけの笑いをしばらく続けたのち。

「うん、もちろんだよヴェール。お前はとっくに俺の弟子だし、家族の一人だ」

満面の笑みで受け入れてくれたのだった。

金色の髪と、青い瞳。

整った顔の彼が笑った姿は印象的で。

僕は多分、この時。師匠に恋をしたんだと思う。

かなわないと分かっていた恋愛感情は、心の奥底にしまわれて。

「ありがとうございます、師匠」

無邪気な笑顔にかくされた。



”僕はあくまでも彼の「弟子」で、「対等な人間」にはなれない。”


*****




気づいたのは、何年か前。

あれは確か...戦勝の記念で祝杯をあげた時だったか。

三年前に狙撃部隊に正式配属された僕は、師匠の教えを生かし着々と戦績を上げていった。今回も後衛に専念、特攻の援護をしつつ、最後には敵の司令塔を撃ち殺すことに成功したのだった。

最後の一手を下した僕が上層部から誉をもらったことで、師であるイルはそのことをまるで自分のことのように喜び、褒め称えてくれた。

「ヴェール、本当によくやったね。入隊してまだ数か月なのに、ここまでやるとは思わなかったよ!

この調子じゃ、もう俺の指導なんていらないかもねぇ」 

大きなビア樽ジョッキを煽りつつ金髪は笑った。 酒にはつよいものの、調子に乗って三杯目を頼んだ彼はほんのりと顔が赤くなっている。

「ふふ、言いすぎだよ師匠。それに、まだまだ未熟ものですので。戦場についてはわからないことだらけだから、教えてもらいたいこと沢山あるんだよ?」

と、口では控えめに答えておいたものの、本心では褒められることが堪らなく嬉しくて。

同時に、束の間でも忙しい彼の視線を独り占めできたことが嬉しくて。

もっと話を聞いてもらいたいと、強く思った。

「ししょ、」

「あっ!!ディオー!!!」

そんな僕の気持ちを壊したのは、聞きなれた名前だった。兄のように慕う、師匠の士官学校時代からの友人。自分が知らない彼をたくさん知っている、彼が本当に頼れる相手。

「…っ、」

ちくり、と。心に何か、刺さるものがあった。とげのような、はたまた針のような。傷口は小さいが、確実に痛みを与えてくるものが。

「きいてきいて、ヴェールがねー」

痛い。

自分の話をしてくれているはずなのに、こちらを見てくれていないことが堪らなく嫌だった。

否、慕っているはずのディオに嫌悪感を感じてしまう自分自身が嫌だった。

湧き上がってきた嫉妬の感情に驚く。自分が思っているよりもずっと、僕は真っ黒で汚い人間だったようだ。

“邪魔、しないでよ”

言いかけた言葉を必死で飲み込んで。

「…ちょっと、トイレ行ってくるね」

僕はたまらずに席を立った。




相も変わらず文章能力が低いね僕。うん。(読みにくい??知ってた)

もうちょっとだけ続きますのでお付き合いください....


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