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五円硬貨

作者:安達邦夫
カーテンを開くと、庭の芝生が見えた。
警視庁特殊捜査班の相良は、朝まだき携帯電話の着信音に叩き起こされた。
都内の世田谷区に慌ただしく鑑識が、到着し綿密な作業にかかっていた。
「警部、ガイシャは会社役員。昨日は、深夜帰宅。泥酔状態でした。奥さんの証言で、ここ数年家庭内別居状態だということです」と、補佐役の牛島健吾が、スポーツ刈りの頭をなぜながら報告した。
相良は、静かに首肯いた。
牛島健吾は、元丸暴にいたが、本人のたっての望みを入れて抜擢したのは、牛島の熱意からである。それ以外にも、別に理由があったのだが……。
ともあれ、殺人事件では初動捜査が、結果を左右する。科学的な捜査と小さなことも見逃さない綿密さ。それに大胆な行動である。一番の敵は、馴れである。
必ず犯罪には、犯人がいる。

鑑識のリーダー松橋博己が、ちょっと見てもらいたいものがあると透明なビニールの袋を、蛍光灯の光りにかざして見せた。まだ朝の4時だ。
「五円硬貨」
「ガイシャが寝ていたベット。仏さんが手に握っていました」
「調べてくれ」
松橋が、軽く頷いて立ち去る。
頭の中で、何かが引っかかったが、それはまだ形にならなかった。
死体は、語ると誰かが言っていた。
ちなみに、志望推定時刻は深夜2時前後。つまり帰宅した深夜1時から3時。

妻は、別室にいて夜中にガイシャが帰宅した物音を聴いている。12時過ぎだったらしい。シャワーを浴びていた。
夫婦関係がそんな状態なので、顔は見ていない。
死因は青酸カリ中毒死だ。独特のアーモンド臭がした。
争った形跡はない。しかも、寝室は内側からロックされていた。
つまり密室である。普通だったら、遺書があれば、自殺ということでお仕舞いになるのだが、遺書の類いは一切なかったのである。
(つづく)







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