転生
小説を書くのは初めてです。温かい目で見てもらえると助かります。
俺は今、不思議な体験をしている。
とても不思議だ、意識ははっきりしているし体は現実のように動く、だがいる場所が問題だ、ただ白い地面が続くだけの空間にいる。
「あなたは如月 樹さんですね」
後ろから声をかけられた。振り向くと、そこにはすごい美人がいた。
「これはどういうことだ?お前は誰だ?」
冷静を装い、質問した。
「私は運命神です。覚えていませんか?あなたは死んだのですよ」
ああそうだ、突然通り魔に刺されたんだ。最近ニュースになっていたから気を付けてはいたんだけどな…
「それで?俺は死後の世界にでも送られるのか?」
「随分冷静なんですね。普通は私が神だということに驚いたり、自分が死んだということを受け入れられずに泣きわめくか、興奮したりして手が付けられないことが多いのですよ、特にあなたのように突然死んでしまった人はほとんどがそうです」
「現実味がないからかもしれないな、いざ消えるとなれば泣きわめくのかもしれない」
「消えたりはしませんよ」
は?
「あなたには、異世界に行って邪神を滅ぼしてほしいのです」
「異世界?小説などで読んで憧れたことはあるが、冗談だろ?」
「本当ですよ、実はあなたを殺した通り魔は、邪神と契約していたのですが、通り魔が人を殺し続けることで邪神の力を強化していたのです。そして奴は私の支配力の弱い異世界でついに実体化に成功してしまいました。なので、あなたにはそれを止めてほしいのです」
「待て待て、確かに興味はあるが、何故俺なんだ?地球では武術の経験とかがあったわけでもないのに、もっと他にいいやつがいるだろう」
「それは、あなたの魂が運命に愛されていたからです。また、戦闘に関しては問題ありません。あなたには戦闘に関するスキルを付与します」
「運命に愛されているってどういうことだ?」
「人にはある程度の運命というものが決まっているのです。それは行動によって変化はしますが、自分の望んだものになるかはその人次第なのです。しかしあなたはその運命に愛されていました。思ったことはありませんか?やけに自分の都合のいいことが起きたりするとか、なんとなく危険がわかるとか」
言われてみれば、テストなんかは直感みたいなのが当たることは多かったかもしれない。あとはやけに運がいいとかそれくらいだけどな。そういえば
「だとしたら、なんで俺は殺されたんだ。そんなことは望んでいないぞ」
「それはおそらく、邪神の影響でしょう」
邪神め、俺の人生を滅茶苦茶にしやがって、絶対滅ぼしてやる。
「それで、何のスキルがもらえるんだ?」
「それはこちらに一覧表があるので、ご自分でお選びください」
そう言うと、運命神は辞書のようなものを渡してきた。
多いな、まあせっかくの異世界だ。魔法に関するものにしよう。そうして俺は小一時間ほどスキルを考えた。
「決めたぞ、1つ目は魔法威力増大、2つ目は魔力無限、3つ目は全属性魔法だ」
「分かりました。では付与と同時に異世界に転送しますね、準備はいいですか」
「ああ、いいぞ」
俺がそう言うと、足元に魔法陣のようなものが描かれ、それが輝きだした。