第二話
そして一番の目玉話が、先ほど朝倉村の不思議話で説明した。とある話の1つ。
朝倉一族の男が、とある神様一族の長女様に一目惚れされ。押せ押せの肉食女子パワーでアタックされた後、めでたく夫婦になり。
新婚生活をおくる。その長女様が生活していた巨大な館が立つ。
神様の世界へと移住する事になり。
人間の身で有りながら、不老不死の長女の女神様と末永く一緒に生きる為。
2人力を合わせ。生身の人間から不老不死の半神人へと、長女様の力も借りたりしながらレベルアップし。人間界とはまた違う次元で、2人仲良く新婚生活を始めたそうな。
そうして、さぞや幸せな新婚生活を送っているかと思いきや
父親の神様には20人ほどの子供達が居るのだが、朝倉村の男と結婚した女神様は長女になり。
始めての娘の結婚とも有り。父親の神様からは結婚を反対されるわ。
反対するなら来なきゃいいのに、しょっちゅう新居にやって来ては、まるで小姑のように。
夫のする事なす事、プラス過保護かと言うほどに、やら怪我したら危ないだの。ちゃんとご飯は食べさせているのか、あの服の色は夫君には似合わない等。
小さい事からをネチネチとうるさく。夫ではなく妻で、娘の女神様にブツブツと言い放ち。
母親の女神様や20人も居る。沢山の兄妹の兄、義姉、妹、弟、甥っ子、姪っ子達にしても問題が有り。
そもそも神様一族の者達は、10才の子供ながら既に150cm以上の身長が有り。
女性の女神様達にしても200cm以上がざらな高身長ばかりの者達になり。
老若男女問わず。皆、アスリート並のソフトマッチョなしっかりした体型の者達ばかりで
一目逢ったその日から、朝倉一族特有のちまっとして、小動物系の夫の可愛らしさにメロメロになり。
代わる代わる毎日のように新居に遊びに来られ。
最初は、それとなく。最後の方は直球で、帰宅を促していたのだが、気付いているのになかなか帰ってはくれず。
夫を独り占めできない事にイライラが爆発した長女様は、密かに夫を連れ。見つかりにくい。見知らぬ神様が管理する異世界へと駆け落ちしたのであった。
◇◇◇◇◇
それから20年。誰にも邪魔されず。夫との仲も新婚生活の時のまま良縁で、子供も10人も産まれ。
満ち足りた毎日を送っていると、ある日父親の神様がひょっこり異世界の家へ訪ねて来る。
そんな父親の神様を前に長女様は、あ~ぁ、とうとう見つかってしまったのかと、しかめっ面になって天を見上げていると
何やら訪ねて来たのは父親の神様だけではなく、見た事もない老人と一緒で、長女様は渋々ながら客室へと2人を招待し。
父親達の話を聞くと、父親の神様が連れて来た老人が話し始め。
その老人改め。今住んでる世界を管理している神様になり。
その神様の話では、20年前から急に管理してる世界の邪気や呪い等が、急激に減っていてるのに気が付き。
逆に幸福の数値が上がっていて。争いの少ない、パワーバランスのとれた。実に管理しやすい。安定した住みやすい世界にひとりでに変わってきたとの事。
その事を不思議に思った、この世界を管理する。目の前に座る老人の神様が調べてみると。
ある男性を中心に邪気や呪いがひとりでに浄化されていき。
さらには本人や、その回りに居る者、関係者達の幸福度もドンドン上がっていき。
目に見えないキラキラした物が、その者達の回りに溢れていって。何もしていないのに関わらず。その者達の幸福度が少しずつ上がっているのだとか。
で、その理由が知りたい神様は、その男性の事や家族の事を調べていき。
その男性の産まれた育った朝倉一族の者全てに、異世界限定で不思議なノ~ホホンパワーという。
産まれた育った世界以外の異世界で、普通に生活しているだけで、特に何もしなくてもひとりでに邪気や呪いなどを浄化していき。
本人も見えないのだがキラキラした不思議な幸福オーラが出ているらしく。
そのオーラに触れた者は、少しずつ幸福度数が上がっていき。最後には、争いの少ない住みやすい世界へと変えていくことが解り。
その事を調べていく関係で、男性の奥さんが、昔からの友人の(長女様の父親の)神様だっと解り。今に繋がったらしい。
◇◇◇◇◇
そうしてその後、この世界の神様から大変感謝され。いろいろな贈り物を夫や子供達の分など沢山貰ったのだが。
どうやら夫の不思議なノ~ホホンパワーも有るが、半分だけ朝倉一族の血が流れている。
10人の子供達にも不思議なノ~ホホンパワーが少し有るらしく。
1人だと緩やかな浄化になるのだが、子供達のパワーも有り。急激に邪気や呪いが浄化され。
これから後7000年は、何もしなくてもパワーバランスの安定した世界になるとの事。
そして父親の神様からも母親の女神様や兄弟、その家族達も新婚生活なのに大変迷惑かけた事を反省しており。
自分も結婚を許すので、帰って来てくれないかと言われ。家族皆で話し合い。長女様家族は、自分達の館に帰る事にしたのであった。