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黒い魔剣使い  作者: マクドフライおいもさん
絶望が哭く夜
36/77

絶望が哭く

 リッチを倒したレグスだったが、それを喜んでいられるような暇など彼にはなかった。

 ここは敵陣奥深く。

 不浄の王を倒し悪霊を消滅させたといっても他の魔物共は健在である。

 それを斬り進み、城へ戻らねばならなかったのだ。


 周囲を取り囲む肉ある魔物達は、不浄の王のまさかの敗北に束の間動揺らしきものをみせてはいたものの、戦意を失ったわけではない。

 警戒こそすれど距離を詰めてくるオーク達。


 それを相手しようとレグスは黒き魔剣を構えなおすが……。


「くっ……」


 よろめき、膝を地につく。


 無理もない。

 想定を上回る激戦続きのせいで精神も肉体もひどく消耗していたのだ。

 手にする魔剣からもリッチを討ち取った時のような強い力を感じ取るが出来ない。


 満身創痍。

 それでも気力を奮い立ち上がる男に、オーク共は容赦なく襲いかかった。

 一体、二体、三体……。

 四方八方から襲ってくる敵をレグスは斬り続けた。

 鈍い剣速、重い足取り。

 リッチを倒した者とは思えぬその戦いっぷりは、彼の苦境を如実に表している。


 多勢といえどオーク相手に苦戦を強いられるレグス。

 泥臭く戦う中で、彼の脳裏に声が響く。


――レグス、レグス!!


 セセリナの声。

 死の淵の世界で、魔石の誘いから救い出した精霊が彼を呼んでいた。


――どうした、セセリナ。


 剣を振るいながらも、念じ彼女に返答するレグス。

 その応答に青き精霊は少しだけ安堵する。


――無事なのね。

――今のところはな。

――そう……。すぐにそっちへ助けにいってあげたいところだけど……、そうもいかないの。


 深刻さを含んだ思念に男は嫌な予感を覚える。


――何があった。

――魔法陣が限界よ、結界が消えるわ。


 レグスを死の淵から連れ戻した代償は決して安くはなかった。

 セセリナから十分な補助を受けられなかった魔法陣は、機能不全を起こし始めていたのだ。

 もはや修正の効くような段階にない。城を守る結界はじきに消失する事だろう。


――俺のせいか。


 もとから不安定だったからといっても、リッチが討たれた頃を見計らい丁度結界が消えるなんて偶然はまずありえない。

 あの混沌の闇の中に届いた少女の声がいったい何を犠牲にしていたのか……、誰に言われなくともレグスとて見当がついていた。


――上手くやるつもりだった。あなたの意識を戻すのも、魔法陣の方も。


 言い訳にならない言い訳。


――馬鹿な事をした。

――仕方がないじゃない!! どのみち不浄の王を倒さなければ、多少時間を引き延ばしたところで無駄だった。私があなたの精神を引き戻したから、奴を倒せたのよ。正しい選択だったわ!!


 その主張をレグスが非難出来ようはずもない。

 彼女の選択によって救われたのは己の身だ。この事態は結局、レグス自身の弱さが招いた結果なのだ。

 責めるべきはリッチに不覚をとった自分の不甲斐無さ。

 その事を誰よりも彼は理解している。

 そして、今はそんな事を考えてる時間すらも惜しい状況だという事もだ。


――過ぎた事を論じてる時間はない。セセリナ、ファバ達を頼む。

――それはもちろんだけど、あなたは大丈夫なの?


 周囲を無数の敵に囲まれながら、レグスは念ずる。


――残るは雑魚相手だ。万に一つと不覚はとらん。


 それが仲間を心配させまいとした彼なりの気遣いにすぎぬ事を、セセリナも理解していた。


 二人の念話からほどなくして、城を覆っていた結界に異変が生じる。

 穢れを払う力が急速に弱まり、やがてその力は完全に消失。それを好機とばかりに魔物共は攻勢を強めた。


 結界からの束縛を受けぬ魔物達はそれまでの鬱憤を晴らすかのように暴れに暴れた。

 これまでの度重なる攻勢と悪霊の急襲により、壁の民の戦力は既に激減しており、結界の力があってこそなんとか防衛線を保てていた彼らに、この攻勢を防ぎきるだけの力は残されていなかった。


 城内のいたるところで怒号にも近い大男達の叫び声があがる。


「南東の三番側防塔にリザードマン達が雪崩れ込んだぞ!!」

「東壁の人手が足らない、援軍を!!」

「西の壁上がオーク共に占拠されているぞ!!」


 瞬く間に悪化する戦況に、打つ手などありはしなかった。

 四方の壁上にオーク共が押し寄せ、側防塔をハーピーとリザードマン達が次々と占拠。

 城門が破られ、そこからトロル達が雪崩れ込む。

 壁の民達も数少ない戦力で必死の抵抗をするものの、それは戦局を変えるようなものにはなりえない。

 ここにきての数に物を言わせた攻勢に、壁の守護者達は次々と討ち取られていった。



「報告!! ゴゾッグのトロル隊が城門を突破。アドゥガ率いるオーク隊が西の城壁を完全に占拠。東と北の城壁も間もなく落ちるとの事。今度ばかりは敵に反攻する力は残されていないかと……」


 部下のダークエルフから城内突入の報を受け、魔軍を指揮する枯れ森のエルフの長は複雑な表情を浮かべた。


 信憑性を疑っているわけではない。

 むしろ彼自身この戦いでの勝利を確信してすらいた。

 それでもシュドゥラの口から出る言葉は、苦々しさが込められたものだった。


「ようやくか。無駄に手こずらせおって」


 彼が戦況を素直に喜べない理由は単純。受けた損害があまりに大きかったからだ。

 その懸念を抱くのは部下達も同じらしく、不安げな面持ちで彼らは長である男に尋ねる。


「シュドゥラ様、大丈夫でしょうか。煉撰隊やノフラのリッチすらも討たれた今、もしボルドフ達が反乱を起こせば、それを抑えるだけの戦力が我らにあるかどうか……」


 ボルドフはエルフ嫌いの魔物達の中でも一際シュドゥラ達に反抗的なオークであった。

 彼はカガンの黒鉄山の王として多くの兵士を従えているだけでなく非常に野心的で、隙あらば連合軍の主導権をエルフ達から簒奪しようと目論んでいた。

 シュドゥラもその事は重々承知している。

 だからこそ煉撰隊やノフラの禁術をもしもの時の切り札とするはずだったのだが、その計画は邪剣使いの出現と壁の民の奮闘により四散した。


 だが、それに代わる対応策を枯れ森の長たる男は既に考えついている。


「わかっている。心配するな。この戦いが終わればすぐにでも使いを遣ってゾブル高原の蛮人共を動かす」

「ゾブルの奴らをですか?」

「そうだ。一癖も二癖もある連中だが戦争には役立つ。特にロウガルの連中ならば、ボルドフの軍勢にも引けは取るまい」


 灰の地には魔物だけでなく多くの蛮人達が暮らしており、ゾブル高原に住まう狼の亜人『ロウガル』もその一つであった。

 高原を駆ける狼を自称する彼らは武勇に優れ、味方に付けられれば大きな戦力になる事は間違いなかった。


 しかし事がそう簡単に運ぶとは、シュドゥラの部下達には思えない。


「ですが、奴らはそれこそ黒鉄山のオーク共とは不倶戴天の敵同士。今のロウガルの大族長ファングンは父親と二人の兄をボルドフによって殺されていますし、とてもこの連合に加わるとは思えません」

「誰が連合に加えると言った?」


 シュドゥラが意味深に笑みを浮かべて言う。


「物は考えようだ。たしかにこの戦いで我らは大きな痛手を負ったが、それは魔物連中とて同じ。敵の救援軍との戦いの後となれば、いったいどれほどの戦力が残る。丁度いい手切りの機会だとは思わんか?」

「それは……」

「所詮は汚れた魔の血を引く者共よ。いずれは邪魔になる存在だ、掃除の時間が少しばかり早まっただけの事」

「上手くいくでしょうか?」

「いくさ。もとから争う事しか能のない連中だ。まとめ役である我らが抜ければ連合は瓦解する。そうなればボルドフとて敵ではない」


 シュドゥラの見立ては恐らく正しい。

 壁の民との戦いで戦力を損耗させたうえに連合が瓦解したとなれば、ファングンにとってボルドフを殺すにこれ以上とない機会となる。ならば、あのロウガルの男は必ず動くだろう。

 それは他の蛮人達も同じだ。

 この戦いをこれまで遠巻きに見てた者達すらも、壁越えの又とない機会に動かずにはいられない事だろう。


 そんな蛮人達を上手くまとめ上げれば、枯れ森の民は新たな連合体の中で再び主導権を握る事すら可能かもしれない。

 眷属の異なる魔物達を見事まとめ、連合を築けた男の手腕ならば、それも難しい事ではないように思えた。


「だが何をするにしても全てはこの城を落とし終えてからの事だ」


 シュドゥラが気を引き締めなおすようにして口調をあらためる。


「蛮人共を確実に動かす為にも、よもやゴルゴーラの首を取り逃す事のないよう、注意しろ」


 その命に彼の部下達は頭を垂れて返答する。


「包囲網は万全です。鼠一匹逃げ出す隙間もないかと」

「まぁ、あの男が無様に戦場から逃げ出すような真似をするとは思えないがな。だが、できれば我らの手で奴を討つのだ。愚鈍な連中には王殺しというわかりやすい成果が効く。ボルドフへの牽制と、新たな連合での主導権を握る布石にもなろう」

「兵達もゴルゴーラの首の重要性はよくよく承知済みのはず。最善を尽くしてくれる事でしょう」


 オークやトロル、リザードマン、その他の魔物達に先んじてより多くの首級をあげる必要がダークエルフ達にはあった。

 特に壁の民の王ゴルゴーラの首は格別重要なものである。

 この戦いに参加している魔物達だけでなく、灰の地の蛮人達にもゴルゴーラ王の武名は轟いており、その武名高き王を討ったとなれば、誰もが枯れ森のエルフ達に対して一目置く事になるだろう。

 そしてそれは連合という組織の中において、他の者達に対しての大きな優位性となる事は間違いない。


 枯れ森のエルフ達にとってここからの戦いは戦争ではなく競争だった。

 より多くの成果を挙げる為、壁の民の王の首を取る為の競争。


 彼らの中に、この戦いでの勝利を疑う者など一人として居はしなかった。



 枯れ森の民が今後の動きについての算段すらも立て始めていた頃、敗色濃厚な戦場を一つの集団が駆けていく。

 ロブエル・ローガに仕える面々、ベルティーナ、ミルカ、グラス、トーリの四人。

 彼女らは勝敗の決した戦場より急ぎ主を脱出させようと、彼のもとへと向かっていたのだ。


 しかし、既に城内はあちらこちらから侵入した魔物共がすき放題に暴れまわっている。

 その魔物達を排除しながら突き進むも、ベルティーナの焦り様は傍から見ても明らかだった。


「邪魔よ!!」


 加減なく放たれる炎の魔法が敵を粉砕する。

 その威力は過剰と言えるもので、それを見たグラスは彼女に注意を与える。


「ベルティーナ。そんな術の使い方じゃすぐに魔力が底をつく」

「大きなお世話よ!! えらそうに他人の戦い方に注文付けるぐらいなら、貴方が私より早くこいつらを掃除しなさい!!」


 いくら剣の腕が立つグラスであっても、魔術師の殲滅力に及ぶはずがない。

 無茶を言う兄妹に半ば呆れるグラス。これ以上の注意は無駄と彼は悟り、あとはベルティーナの好きにやらせる事にした。

 ミルカや師であるトーリも同様らしい。

 ベルティーナ自身、己の感情的な術の使い方には魔力の浪費がある事を承知していたが、それでもそんな乱暴な術の使い方をやめる気にはなれなかった。

 一刻でも早くロブエルのもとへ辿り着く、その為には魔力の消費を惜しんでなどいられなかったのだ。


 襲い掛かってくる敵を払いながら城内を走り抜け、やがて四人は主がいるはずの部屋へと飛び入る。

 しかしそこには既にロブエルの姿は無く、部屋は無人となっていた。


 それもただの無人ではない。

 部屋の中には血の臭いが充満し、一面が赤く染まっていたのだ。


 いったいこの部屋でどのような惨劇が起きたのか、否応にも想像させられるその光景にベルティーナは声を震わす。


「何よ……、これ……」


 妹のミルカは言葉すら失っていた。


「遅かったか」


 部屋に散る血肉が意味するものを想像し、神妙な口調で呟くグラスをベルティーナが睨む。


「遅かった? いったい何が遅かったっていうの?」


 病的な興奮を滲ませたその口調は、グラスが言わんとする事を彼女が理解している証拠でもあった。


「ねぇ!!」


 問いただそうと詰め寄る少女の足が部屋に落ちていた何かを蹴り飛ばす。

 音を立てて転がったそれに、自然と四人の視線が向けられる。


 そこには赤く染まった金属の物体が転がっていた。


「これは……」


 ベルティーナが手にしたそれは、変形し潰れた指輪だった。


「嘘よ……」


 彼女は絶句する。この潰れた指輪に覚えがあったからだ。

 何年も前にミルカと二人でロブエルに送ったこの世に二つとない厄除けの指輪。

 それが赤く血に染まり、無惨にも潰れ、破損している。

 まるで持ち主の身に何が起きたかを暗示するかのように……。


「どうして……」


 愕然とする少女の頭の中を悪い想像が支配する。

 ロブエルの遺体が部屋の中に見当たらないのは、食い意地の張った卑しい魔物共が骨ごと喰らい尽くしてしまったからではないか。

 実際、部屋のおびただしい血の量に対して、散らばる肉片や骨の数は少なすぎた。彼女の想像が考えすぎなどという事はない。

 むしろ、そう考える方が自然と言えるほどに、部屋には凄惨な光景が広がっている。


「失敗した……。最初から私が傍にいるべきだったのよ……」


 力なくその場に座り込むベルティーナに、他の三人は掛ける言葉を見つける事が出来なかった。

 どのような気休めの言葉も今の彼女には届き得ない事を、彼らはよくわかっていた。


「マシューなんかに任せたのが間違いだった……」


 冷たく震える少女の声が血塗れの部屋に空虚に響く。


 ベルティーナにとってロブエル・ローガは育ての親以上の存在だった。

 妹のミルカと異なり、それは病的な依存と言えた。彼女にとってロブエルは世界の全てと言っていいほどの存在だったのだ。

 そんな存在を失う喪失感はどれほどのものであろうか。


 血を分けた兄妹とて、その喪失感を埋める事など出来はしない。


「許さない。絶対に許さない」


 鬼気のこもったその口調に次いで、重苦しく静かな間を置いてベルティーナは言う。


「ねぇ……、私を一人にさせてもらえないかしら」


 ミルカ達は己の耳を疑った。

 こんなところに一人で残ったら城内に溢れる魔物共の恰好の餌食だ。

 そんな自殺行為、認めるわけにはいかない。


「何を言ってるのベルティーナ!? こんなところにいたらあなたまで!!」


 背を向け座り込む姉に駆け寄ろうとするミルカだったが、振り返ったベルティーナの顔にギョッとしその足は止まる。


 くすんだ灰色でも輝く紫色でもなく、彼女の瞳は赤々と燃えていた。

 燃える瞳から煮えたぎる涙が頬を伝い零れ落ち、石造りの床を焦がしている。


 その異様な光景にミルカ達は尋常ならざる何かがベルティーナの身に起きている事を知る。


「ベルティーナ……、あなた大丈夫なの? 火が……」

「火? そうよ……。火が足りないの。寒くて寒くて……、もっと火が必要なの、全てを燃やし尽くすほどの炎が」


 心配するミルカに対してベルティーナの返答はどこかずれている。もはや彼女が正気でない事は明らかだった。


「お願いだから三人共、私の前から消えて頂戴。じゃないと、貴方達まで一緒に消し炭にしてしまいそう……」


 ベルティーナの言葉に戸惑うミルカの手を、トーリが引く。


「行くぞ二人共、すぐにここを離れるのだ」

「離れるって……、でもベルティーナは」

「恐らくは血が目覚めようとしておるのだ。ぐずぐずしておれば、お前達とて巻き添えを食らうやもしれん!!」


 老魔術師の言葉にミルカとグラスは驚いた。

 彼の言う血が意味するもので思い当たるのは一つしかない。

 自分達にも流れる禍難の民の血。

 一国を一夜にして滅ぼしたという伝説を持つ流浪の民『フラーマ』人の血だ。


「トーリ様、だけどあれは伝説の話。御伽話だったのでは」

「そう思っておったよ。今まさに、この瞬間まではの。だが伝説はどうやら真だったようじゃ」


 信じ難き事態に動揺していたのはトーリとて同じ。

 それでも老魔術師には知識に基づく確かな予感があった。

 何かとてつもない事が起ころうとしているという予感が……。


「この娘には確かに流れておった、クガニアを滅ぼした古き炎の民の血が……。行くぞ、これから何が起こるのか、私とて想像尽かん」

「でも……」


 ベルティーナを心配し、なおも動こうとしないミルカ。

 そんな彼女にグラスが言う。


「トーリの指示に従おう。ここにいたら危ない、そんな予感がする」


 それはミルカも同じであったが、それでも姉を一人このような場所に置いていくのは気が引けた。


「いいから、さっさと消えて頂戴……」


 心優しい妹の背をベルティーナが押す。


「邪魔なのよ……、貴方達……」


 そこまで言われてようやくミルカは決断する。


「ごめんね……」


 詫びながら彼女はグラス達と共にその場から離れた。


 去りゆく三人の足音。

 それを耳にしながらベルティーナが呟く。


「これでようやく……、私の中に見える炎に身を任せられる……」


 その呟きと共に、美しき魔術師の娘の意識は己の内に燃ゆる炎の中へと呑まれていった。



「いたか?」

「いや、この辺りはトカゲ共が食い荒らした後だ。これじゃあ死体の確認なんてしようがない」


 乱戦続く城内を数人のダークエルフが忙しなく駆け回る。

 彼らが探していたのは星読みのマルフス、小さな壁の民の預言者だった。


「くそっ!! 王殺しより手堅く評価を稼げると思ったんだかな……」


 城の一角に立て籠もりしぶとく抵抗を続けるゴルゴーラ王とその兵士達を相手にするよりかはずっと楽であろうという、さもしい考えで彼らは動いていた。

 だが思惑は外れ、なかなかマルフスを見つける事が出来ない。


 苛立ちを募らせ、ほとんど手当たり次第に探し回る中、彼らはその女と出会う。


「なんだ、あいつは……」


 一糸纏わず、燃ゆる髪をなびかせながら近付いてくる異様の娘。

 どこを見つめているかもわからぬ瞳を灼々とさせながら歩む彼女の周囲には陽炎が見える。


「壁の奴らじゃないな、壁の西側の者か……」

「おい、こんな女がいるなんて話聞いてたか?」


 背丈、肌の色、瞳の色、どれ一つとっても壁の民の特徴とは異なる外見。

 これほど特異な風貌の者がこの戦場にいるなどという話はまったく聞いていない。


「さぁな。でも報告に上がってないってことは、たいした事ないってことだ。あの女が何者だろうと、気にするほどの事でもねぇ!!」

「そうだな。大方、この戦況でイカれちまったに違いねぇ」


 武器を構えるダークエルフ達。

 その内の一人が剣を手に、いち早く斬りかかる。


「こいつは俺様がいただきだ!!」


 だが、凶刃が異様の娘に届く事はなかった。

 斬りかかった男の体が突然、炎に包まれ燃え上がったのだ。


「なっ!!」


 炎に焼かれ崩れ落ちる同胞の姿に、残りのダークエルフ達は驚き固まった。


 何が起きたのか彼らにはわからない。

 術の詠唱は聞こえなかった。その他、術を使いそうな素振りすらも見えなかった。

 それなのに……、炎が突然に同胞の体から燃え上がったのだ。


「くそっ!! よくわからねぇが術を使わせる前に殺っちまえば一緒だ!!」

「一斉にかかって殺るぞ!!」


 恐怖し、混乱した頭のままダークエルフ達が女を襲う。


「待て!!」


 ただ一人その無謀を止める者もいたが、動揺著しい者達の耳には届かない。


「くたばれ!!」

「死ね!!」


 声を上げながら斬りかかるダークエルフ達、しかし結果は同じ事。

 彼らの体が一斉に炎に包まれ、あっという間にその全員が絶命する。

 身を焼かれる苦痛に叫び声を上げる暇すらない。

 一瞬の決着だった。


「お前は……いったい……」


 唯一生き残った男の問いに女が答える事はない。

 燃ゆる髪と瞳を揺らめかせながら、己が焼き殺した者達の遺体を気にも留めず、その女はただ無表情に歩み近付いてくる。


 男は動けなかった、まるで蛇に睨まれた蛙のように……。

 いや、蛇は蛙を睨んでなどいない。

 彼女の瞳は身を竦まし立ち尽くす男の事など、まるで見ていないのだ。


 ダークエルフの男は直感する。

 彼女にとって自分は蟻なのだと。

 踏み進む道に這いずり怯える一匹の蟻の存在など、彼女の眼中に留まるはずがないのだと。

 同胞が焼け死んだのは、蟻が噛み付いてきたから。だからそれを払い、踏み潰しただけの事。

 自分達はその程度の存在でしかない。


 散った蟻の命の事などいったい誰が気にしようか。


――そうか、あの炎か……。


 女の瞳に揺らめく炎を見て、彼は本能的に理解する。

 瞳に宿るあの炎こそが同胞を焼き殺した力そのものなのだと。

 それもただの炎ではない、世を焼き尽くすほどの大火であるのだと。


 そして女は、何をするわけでもなくただすれ違う。

 男の存在を歯牙にも掛けず、ただすれ違う。


 そのすれ違いざま、肌が焼けるほどの熱風を浴びながら固まる男は女の目的と、この戦いの行く末をも直感する。


――ああ、劫火を宿す灼眼の魔女よ。お前は私達に破滅をもたらすのだな……。


 その絶望の中で、彼の命もまた、魔女の炎に呑まれて消えた。



 死屍累累。

 血風香る暗き闇夜の戦場においても、それは異様に目立つ光景であった。

 赫々たる炎を纏う裸の女が城塔の最上階、その縁に立ち戦場を睥睨している。


「何だ、あれは……」


 敵も味方も無く、皆一様にその女を見上げていた。


 彼女がいったい何者であるか、それを知る者がこの戦場にどれだけいようか。

 女と血を分けた兄妹すらも、まるで見た事のないその風貌に戸惑うしかなかったというのに……。


「ベルティーナ、あなたいったい何をしようというの?」


 微塵も恐れなく、ただ一人敵前に立つ姉の姿にミルカは不安を覚えた。

 姉の身を心配する不安。当然それもあったが、それ以上に別の大きな不安を彼女は抱かずにはいられない。

 見守る妹の視線の先で、ベルティーナは詠唱を開始する。


 その始まりと共に、この地この夜に不釣合いな風が吹いた。

 心地良さなどまるでない異様の温かき風。

 風が吹き抜けると同時に、戦場の空気までもが変わる。

 どこか重く息苦しい空気。何かが起ころうとしている、そんな空気に……。


 ベルティーナの詠唱はミルカが一度たりとも聞いた事のない言葉で為されていた。

 彼女だけではない。兄も師すらも知らぬ詠唱だった。

 されどそんな詠唱、その言葉の意味を、おおよそ理解する者がこの戦場にいる。

 古き精霊のセセリナだ。

 人が忘れし歴史すらも記憶している彼女だけが、ベルティーナの口から漏れ出る言葉を理解していた。


 そして理解しているからこそ、彼女はその意味に戸惑わずにはいられなかった。


「何だよ!! あいつ、どうしようってんだ!!」


 よからぬ予感を抱き叫ぶファバに精霊は言う。


「呼び掛けている……、いえ、呼び出そうとしている……」

「何をだよ!!」


 醜顔の少年のその問いに、自分でも信じられぬといった表情を浮かべながら彼女は簡潔な一言を以って答えた。


「神を……」

「はっ?」


 少年は自分の耳を疑った。

 しかしどうやら聞き間違いなどではないらしい。

 セセリナは言う。


「人がユピアの軍勢と共に滅ぼし封じた古き神を、あの娘は呼んでいる」

「古き神だと?」


 セセリナの言葉にファバだけでなくカムも驚く。


 天の神々を信仰する以前、人々が崇めていた神々の多くは今や忘れ去られている。

 わずかに残り伝わる神々すらも、『古き神』の総称にて一まとめにされ、フリアの地の人々の厚い信仰の対象になる事はない。


「いったい何の神を呼び出そうと……」 

「『イファート』。『始まりの大炎』より生まれし大神『ファラ』の子にして、大地の太陽の眷属たる者。かつてミダンディアの炎の王国に暮らすフラーマ人がイファートを神の一柱として崇めていたけど……」


 膨大な知識を思い出しながら語る精霊はベルティーナに流れる血の正体に気付く。


「そうか、あの娘フラーマ人の生き残りね。どうして気づかなかったのかしら……。だけど国を失い流浪の民と化した彼らに古き神を呼び出す力なんてあるわけが……」


 神と呼ばれる者を召喚しようなど、誰にでも出来るような事ではない。

 たとえ一流の魔術師や賢者であろうと、その才覚のみで古き神を呼び出す事など出来はしないのだ。


 資格が無ければ、……資格。


 嗚呼、決まっているではないか。

 大地の太陽の眷属にして古き炎の神を呼び出せる人間など、この世に一人しか存在し得ない。


「まさか彼女……、女王の血が目覚めたとでもいうの!?」


『王権は神より与えられた不可侵にして絶対の権利である』。

 そう主張する王家は大陸にも数多く存在するが、果たしてその中に本当に神より王権を授かった者がどれだけいる事だろう。

 多くの王にとって王権神授の謳い文句など、己の権威を高め、自身を正当化する為の方便にすぎない。

 聡い者は気がついている。

 神と呼ばれるほどの存在が、長い歴史の中で見れば、雨後の筍のように生まれる一介の人の王の事などそうそう気にかけているわけがない事に。


 されど、真に神より王権を授かる者もこの世の中にはたしかに存在する。

『光焔の女王』。

 大神ファラより王権を与えられ、古の炎の王国を治めたフラーマ人もその一人だった。


 炎の大神に選ばれし女王は偉大な恩寵を得て、絶大な力を有していたという。

 大炎を自在に操る魔術、霊術。

 一睨みするだけでその瞳を覗いた者を灰と化す炎の魔眼。

 彼女の力は一軍にも優る強大な力だった

 しかも古の王国の女王が持っていたのは、そういった殺むる力だけではない。

 彼女にしか持ち得ない最も際立った特性。それが女王をして偉大なる炎の女王たらしめたのだ。


 それは神々の召喚者としての資格。

 光焔の女王は『大地の太陽の眷属』と呼ばれる炎の神々を召喚する事が大神ファラより許されていた唯一の人間だった。


「女王の血って何だよ」


 ファバが惑いながら問うと、セセリナは掻い摘まんで答えた。


「ミダンディアの炎の国の女王は大神より王権を与えられた者。彼女だけが古き炎の神々を呼び出す事が出来るの」

「ミダンディアの炎の国? 聞いた事もない国だ」


 カムの問いに精霊は言う。


「古の時代に滅びた国よ。だけど光焔の女王の血を受け継ぎ宿す者が生き残っていた……、私達の目の前に」


 塔に立つ炎を纏いし娘の詠唱が仰々に響き続ける中、魔物達もそれを黙って眺めているわけではない。

 空からはハーピーが襲い掛かり、地上からはオーク共が塔上の娘目掛けて矢を射るが、そのどれもがベルティーナに傷一つ負わす事が出来なかった。


 悪意を持って近付くモノ、全てが女王の炎に焼かれ、燃え尽きながら落ちていく。


 何人も寄せ付けぬ圧倒的な力。

 古き神に選ばれし者のその力を目にして、カムはあらためて精霊に問うた。


「彼女が呼び出そうとしているもの、古き神は……、私達の味方なのか?」

「それはあの娘に聞いてちょうだい。もっとも既に正気を失っていて、私達の声など届きはしないでしょうけど」


 ベルティーナの炎は彼女が持つ理性すらも呑み込んでしまっている。

 古の血に目覚めた塔上の娘はただ望みのままにその力を揮うだけだろう。


「正気を失ってるって……」


 言葉を失う少年に神妙な面持ちでセセリナは答える。


「怒りと絶望が炎となり渦巻いている。もしかしたら彼女はこの城ごと全てを灰燼に帰すつもりなのかも……」


 そしてそれだけの力がある、彼女が呼び出そうとしている古き炎の神には。


「そんな……、急いで止めないと!!」


 焦る少年に精霊は諦めにも似た口調で告げた。


「もう遅い……」


 ベルティーナの詠唱の終わりと共に、城に配置された篝火が何をされたわけでもなしに消える。

 その直後、ドシンと大地が揺れ、空が赤く焼けた。

 夜明けにはまだ早い。


 異常事態に城中城外の者達が慌てふためく中、赤焼けの夜空を見つめ青き精霊の少女は冷静に呟いた。


「門が開く」


 赤き虚空が燃え上がり、焼け落ち現れた大穴よりそれは顔を出す。

 地上の者達にはそれを太陽と見紛う者もいた。それほどに巨大な炎の塊だった。

 そしてのそりと、まるで大男が穴をくぐるようにして、その神は光臨する。


『福音にして災厄』、『クーナ・ティロスの炎の巨神』、『顔のない炎の巨人』。


 かつて大陸に生ける者達は恐れ、様々な名でその神を呼んでいた。

 彼の者の神名はイファート。

 ミダンディアの炎の王国に崇められし神の一柱にして、大神ファラの子、大地の太陽の眷属たる者。


「でけぇ……」


 ファバの眼前に降り立ったその神は、二十フィートルを優に超える大きさだった。

 牛頭の巨人ミノタウロスすら彼の神の前ではまるで大人と子供だ。


 いったい誰がそれほど巨大な神の力に抗える。


――ウボオオォォ!!


 牛の鳴き声をさらに低くしたような声が、戦場に響き渡る。

 それは古き炎の神の咆哮。


 そしてそこから、怒れる炎の神による一方的な殺戮劇が始まる。


「ありったけの矢を射掛けよ!!」

「魔力を惜しむな!! 最大火力の魔法を以って応戦せよ!!」


 当初、突如現れた巨大な炎の神を前にして、城外のダークエルフや魔物達は抵抗を試みた。

 果敢に攻撃を仕掛け、神を討たんとする者もいたし。


「障壁を張れ!!」

「盾をかまえろ!!」


 魔法の障壁を張り、大きな盾に身を隠して耐え凌ごうとする者もいた。


 それは大いなる存在に対する矮小な者達の必死の抵抗。

 そんな光景を城から見やりながらセセリナは言う。


「馬鹿な事を……。その程度の攻撃で神と呼ばれる者を倒せるはずがない。それにあの程度の障壁術では、竜をも焦がす大炎を止められるはずもない。ましてや、ただの矢だ盾だなど……」


 彼女の言う通りだった。

 城外の軍勢の必死の抵抗、そのどれもが無意味。悪あがきにもなりはしない。

 彼の神がその炎に燃ゆる両脚を踏み出せば、熱波が起こり、たちまちに足元の魔物共が燃え死んでいく。

 彼の神がその大火から成る両腕を振るえば、トロルやミノタウロスすらもいとも簡単にはね飛ばされた。

 そして、彼の神がその業火渦巻く巨躯を震わせば、火弾の雨が降り、空を舞う怪鳥達も燃え落ちていく。

 誰も抗えず、何も抗えず。

 神の業火の前に等しく全てが灰燼と化していく。


 戦況の急変は炎の巨神が暴れる城外にとどまらない。

 城内に攻め入った者達もこの一方的な虐殺劇に動揺激しく、恐れを知らぬはずの魔物共が我先にと戦場から逃げ出していくではないか。

 戦場のあちらこちらから角笛の音が響き聞こえた。

 それは退却を知らせる魔物達の角笛の音だった。

 無論、この一戦に全てを賭けていた連合の総指揮官たるシュドゥラが退却の許可など出そうはずもない。

 各魔物の酋長達が勝手に軍を退かし始めたのだ。


 連合軍はもはや統制が取れる状態にはなかった。

 オークもトロルもエルフも、誰もが逃げ惑い、燃え死んでいく。

 壊滅。

 たった一柱の古き神の出現によって、シュドゥラ達枯れ森の民が築き上げた連合軍は完全に瓦解したのである。


「赤耳のロドガ戦死、オノフの子モーガ戦死、トノン山の王オッド戦死、マーダンのトロル隊退却開始、青暗洞窟のゴブリン達も退却を始めたとの事!!」


 凶報がシュドゥラのもとへ続々届く。

 いや、そんなものを聞かずともこの戦況、誰の目にも明らかだった。


 シュドゥラの部下の一人が明白な事実を叫ぶ。


「シュドゥラ様、我が軍総崩れにございます!!」


 声を震わしながら彼は言葉を続ける。


「もはやこれ以上の戦闘の継続は不可能、我らも退却の号令を!!」


 部下の進言にシュドゥラは声を荒げて問い掛けた。


「退却だと? では教えてくれ!! どこへ逃げるというのだ、我らに、どこに逃げ場があるというのだ!!」


 彼らの故郷は死にゆく土地。

 だからこそ彼ら枯れ森のエルフ達は生き残る為、この決死の戦いを挑んだのだ。


「一度森へと戻り、態勢を立て直しましょう!! シュドゥラ様の計画にあったようにゾブル高原の奴らを始めとして、蛮人共と手を組み直せば、……次こそは必ず!!」

「次だと!? そんなものあるか!! むしろ奴らはこの機に我らの森へと攻め入り、殺し、奪い、焼き払うだろう!! 蛮人共はもとより、壁の奴らもこのまま黙ってはいまい!! 新たな連合の結成など、全てはこの戦いでの勝利あってのものだったのだ!!」


 次はない。

 次などあろうはずもない。

 絶対に勝たねばならぬ戦いだった。


「なのに!! 奴が……、奴が全てを!!」


 燃ゆる巨体を睨み、失意の怒りをぶつけるようにシュドゥラは叫ぶ。


「何故だ!! 何故お前が、大地の太陽の眷属である者が奴らの味方をする!! お前を、お前達を、この大陸より追いやったのは他ならぬ傲慢なユピアの神々とその信奉者達であろう!! お前達を忘却の彼方へと葬ったのは、壁の先に住まう人の子らであろう!!」


 あらん限りの大声でダークエルフの長は叫び続ける。


「この戦いは、お前達にとっても望むべきものであろう!! 偽神を祀る西の地を辱め、蹂躙するは、奴らに辛酸を嘗めさせられた全ての者達の悲願であろう!!」


 体裁など捨て去り、心のままに彼はただ叫び続ける。


「私は覚えているぞ、お前の名を!! 人が忘れし名を!! 私は知っているぞ!! 祖国を滅ぼされたその無念を!! お前達の事を我らは覚えているぞ!! なのに、何故だ!!」


 シュドゥラは叫び、問う。


「答えろ!! 顔のない炎の巨人よ!!」


 声を震わせ、涙を浮かべて彼は問う。


「答えてくれ……、イファートよ……」


 だが彼の神は答えない。

 ひたすらに暴れ、全てを燃やし続ける。

 光臨せし神が蹂躙するのは軍勢だけではない。

 そこに託された欲望、野望、悲願、希望。

 その全てが炎に呑まれて消えていく。


 消えていく……。

 シュドゥラ達枯れ森のエルフ達、その未来が、炎に焼かれ消えていく。


 だが、それが何だというのだ。

 大いなる視点を以って語れば、永き時の流れの中で滅んでいった数多の存在に一つ、彼らが加わるにすぎない事ではないか。

 そう、たったそれだけの事。何度も何度も繰り返された滅びの光景。

 それがいま一度繰り返されるにすぎない。

 そんな事はわかっている。


 だがしかし……、だがしかし、それが全てだ。

 矮小な存在にとっては、それが全てなのだ。


「天よ!!」


 シュドゥラが天と呼ぶのは教会が崇める神々などではない。

 もっと大きな存在。

 遥かなる根源の大道にして、全てが帰する無上の理。

 それを運命とも、宿命とも呼ぶ者もいよう。

 その存在に彼は問う。


「何故これほどにも不条理を与える!! 我らが何故このような苦難を味わうはめになる!!」


 戦いに敗れ、嗚咽する同胞に代わり虚空に叫び、問い掛ける。


「そんなに我らを苦しめたいのか!! 何のわけあってそれほどまでに我らを辱め、踏みにじる!!」


 嘆かずにはいられない。呪わずにはいられない。

 断末魔の叫び。


「天よ、そうして俺達を笑っているのかぁ!!」


 天は笑いなどしない。笑おうはずもない。

 ただそこにあり、そこに広がるだけ。



 赤焼けの夜空に滅びゆく者達の絶望が哭く。

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