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after story   作者: かつどん
狡猾な裏切り
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狡猾な裏切り 18

どもっ!かつどんですわ!


ふうふと言うと婦〜婦ですわよね!

さぁ、結婚話、はーじまーるよー!

酒々井「と言うわけでさっさと今後の方針を話し合いましょうか」

風早「姫様欲望丸出しね」

小川「いや、それよりももっとツッコミを入れるべきことが…」

酒々井「何よ、せっかく勝ったのだからこんな会議さっさと終わらせて部屋でイチャイチャじゃなかったダラダラしたいじゃない?」


何で最後言い直した?

いや、それより…


櫛原「ああ」

小森「そうだな」

川須「全くだ」

小川「何故お前らがいる!」


そして極めつけは…


財府「ひゃあ!ちょっと兎!どこ触ってるのよ!」


何でレースのリーダーが対立してる酒々井のリーダーの膝に座ってるんだよ!?


酒々井「ん?どこって、芦亜のお尻」

財府「ちょっと!そんなはっきりと言わないでよ!皆に聞こえてるでしょ!」

酒々井「大丈夫よ、皆には聞こえてないわ、ねぇ聞こえてないでしょ?」

櫛原「ああ」

小森「そうだな」

川須「全くだ」

財府「聞こえてるじゃない!」


………一体どう言う状況なんだ。


小川「木吹さん、こんなのって…」

木吹「まぁ予想出来たことだからな」

小川「あ、はい」


そうなのかよー!

いやいや、殺し合いをしていた相手と手を組むってのはよく話であるけど、殺し合いを今でもしている人たちが特に手を組んだ訳でも無いのに今後の方針を

決める会議に出席してるってどう言うことなの?


木吹「それより、呼ばれたのはこれだけですか?我々忍なら兎も角、侍方も少ないですが…」


木吹さんの発言により俺は今いる人たちを見回した。

確かに酒々井十六忍武と言う割には人が少ない、レースの4人はおいといて、そこにいるのは酒々井の姫様、風刀の風早、火刀の日影、土刀の土屋、水刀の波打、居合の畝、忍は木吹と山田さんが五人。

酒々井十六忍武と言いながら今いるのはその半分だけだ。


酒々井「あら、戦力を一点に集中させるのは愚かな戦略よ」

木吹「失礼しました、今のは私の失言でした」

酒々井「それより早く終わらせましょうよ、話し合うべきことはレースがこれからどうするか、それに対する策略でしょ?」

櫛原「ああ」

小森「そうだな」

川須「全くだ」


え?レース本人の前で話し合うの?


酒々井「で?レースはこれからどうするの?」


そしてレース本人に聞くの!?


財府「えっ、えーと、それは…」

酒々井「早く答えないと~、こーちょこちょこちょ」

財府「ひゃあ!ははは!や、やめて!ははは、言う!言うから!ははは!あんっ、ってどさくさに紛れてどこ触ってるのよ!」

酒々井「ん?私はどこを触ってたの?」

財府「それは私の…!」

酒々井「芦亜の~?」

財府「何やらせるのよこの変態!」

酒々井「ろ、芦亜に変態って言われると、ちょっと感じるわね…」


顔を赤らめる姫様。


財府「うわー!ガチの変態だー!」


その姫様の膝で暴れるレースのリーダー。


小川「…これじゃあ会議終わらないですよ…」

櫛原「ああ」

小森「そうだな」

川須「全くだ」

小川「………」


お前らも何なんだよ!


酒々井「コホンっ、で?言う気に

なった?」

財府「兎にどこを触られてたかってこと?」

酒々井「えっ?」

財府「へっ?」


駄目だこりゃ。

ってか十六忍武の皆さんも止めてやって下さいよ。


風早「うんうん、姫様がこんなに楽しくしてるのって本当に久しぶりね、お姉さん微笑ましいわ」

日影「偶には悪くないだろう」

土屋「ニヤニヤしますね」

波打「良い」


おい、後半になるにつれて、別の事を言ってやがるぞ。


酒々井「それで、何か自滅してすごく可愛いことになってるレースのリーダーさん、これからレースはどうするのかな?」

財府「余計な事を言わないでよ、レースはしばらく動かないわ、と言うより動けないの、ねっ皆」

櫛原「ああ」

小森「そうだな」

川須「全くだ」

木吹「そうなのか?」

櫛原「うん、なんてったってリーダーを捕獲されたんだ、こちらから動くことは出来ないよ」

小森「だがこれはレースの意思で動けないと言うことだ」

川須「つまり別の勢力の意思でレースが再び酒々井十六忍武と戦うことは十分ありうる、と言うよりそうなる」

酒々井「じゃあその別の勢力っていうのは?」

財府「第一世界」

酒々井「よく出来ました」

財府「ぬ?」


第一世界、かつて全ての世界に対して戦争を起こした世界。

そして全世界最強の一番目がいる勢力…。


風早「確かにあそこで六番目が来るなんて完全に予想外だったわね」

土屋「その、俺はまだ浅いので分からないのですが、やはり第一世界は強いのですか?」

日影「全世界最強だな」

土屋「そんなとこがこれから攻めてくる訳ですか…」

波打「手強い相手だ」

畝「一つ聞いておくが、レースはその時第一世界に味方するんだよな」

櫛原「うーん、そうなんだけどねぇ」

小森「俺たちは頭を人質にされている、一番目もそれを考えて動くだろう」

川須「もしかしたら俺たち無しで第一世界だけが攻めてくるかもな」

酒々井「それは手強いわね」


レースいない方が強いのだろうか?


川須「なんたって火神が死んだからな」

小川「………」


うっ、やっぱり俺のした事ってかなり重要だったのだろうか。

いや、人が一人死んでるんだから当たり前だろうけど。


櫛原「でもね、僕たちが参戦できる状況ならあるよ」

酒々井「それは?」

櫛原「簡単さ、君たちから攻め込んで来たらいいんだよ、そしたら僕たちも参戦せざるを得ないからね」

木吹「ただでさえ殺し屋たちが第一世界の依頼で動いているが…」

小森「その時は塚一同盟とガチで戦ってもらうしかないな」

畝「そのくらい我々は覚悟の上だ」


すごい、敵同士なのに、殺し合うべき相手同士なのに、一緒に作戦会議をしている。

こんなのって普通あるのだろうか?


酒々井「うん、じゃあ次は第一世界との戦いになるから攻める準備をしておくこと、これで決まりね」

「「「はっ!」」」

櫛原「ああ」

小森「そうだな」

川須「全くだ」


お前ら今関係ないだろ。


酒々井「と言う訳で~、行くわよ芦亜」

財府「えっ?どこへ?」

酒々井「言っておくけど今芦亜は私の人質、捕虜よ捕虜、つまり私の言うことは絶対に聞かなければならないってわけ」

財府「な、何それ…」

櫛原「ああ」

小森「そうだな」

川須「全くだ」

財府「あんたたちは黙ってなさい!」

酒々井「うーん、何をしてもらおうかな~、キス100回は前にやったし~、一晩中貝を合わせるのだって何回かやってたものね~」

櫛原「えっ、今のはセーフなの?」

小森「セーフ…なはずだ」

川須「セーフだセーフ!」

財府「私的にはアウトよ!」


何の話なんだろう…。


木吹「理解出来ない奴は理解しない方がいい」

小川「わ、分かりました」

酒々井「そうだわ!」


酒々井は何かを閃いた様に笑顔になった。


酒々井「結婚しましょう!」

財府「えっ?」

「「「ぶふううううぅぅぅぅぅぅ!!!」」」


レースの三人が血を吐いた。

その時だった、いきなり扉が開かれた。


浅井「そういうことならこの浅井 理沙ちゃんにお任せあれ!」

酒々井「あら?」

日影「おいおい…」


皆さん、いきなり入って来た女の子の方を見て驚いている、と言うより呆れている?


木吹「もう少しは隠れてると思ってたぞす…」

浅井「そんなことより!この扉の向こうでは式の準備が出来ていますよ」

財府「いやいや、そんな今言って瞬間に…」


ガチャ


財府「出来てる…」

浅井「のりツッコミありがとうございます新婦よ」


扉の向こう側には既に明るく装飾された教会の様な部屋が完成していた。


財府「し、新婦って…ってあれ!?何時の間にか私着替えられてるし!」


財府は既に花嫁衣装になっていた。


酒々井「可愛いわ、芦亜…」

財府「兎…ってえっ!?」


酒々井も既に花嫁衣装となっていた。


財府「か、かわいい…って見惚れてる場合じゃなくて!」

酒々井「行くわよ私のお嫁さん」

財府「うん、私のお嫁さん」


何だ今の即落ち。


浅井「「「パパパパーん、パパパパーん、パパパパんパパパパんパパパパんパパパパんパパパパーパーパー以下略」」」


たくさんの浅井 理沙に囲まれて、二人の花嫁が教会の真ん中を歩く。

ってか浅井さん分身するんだ。

前に戦った粉師のせいで当たり前に思ってしまう。


川須「あの姿で出るから少し悩んだが、あれは馬鹿の方だな」

櫛原「ああ」

小森「そうだな」


そして二人の花嫁は教会の壇の前で立ち止まり、


浅井「新婦、酒々井 兎樹よ、貴女はいかなる時も新婦、財府 芦亜と苦楽を共にすると誓うか?」

酒々井「誓います」

浅井「新婦、財府 芦亜よ、貴女はいかなる時も新婦、酒々井 兎樹と苦楽を共にすると誓うか?」

財府「ち、誓うわ」

浅井「よろしい、ではここに二人の誓いのキスを…スパイ超高画質のカメラとビデオで撮影してる?」

川須「もちろんだ」


いや、今ので雰囲気台無しだろ。


酒々井「芦亜…私今とっても幸せよ」

財府「兎樹…私も、私も幸せだよ!」


そして二人の顔が近付いて、唇が触れ合い…


「ちょぉぉぉおおおおっと待ったーーーー!!!」


いきなり大声が上がった。

声の方を見ると、それは俺もよく知っている人だった。


浅井「あん?今最高の結婚式やってんだよ邪魔すんなボケ!」


浅井さん口悪!?


浅井「ってああ、あんたか」

尾嶋「あんたかってあんたこそやっぱり生きていたのね」

小川「生きてたって…え?」

尾嶋「言っておくけどあれ、須奈 真紅よ」

浅井「バラすの早くない?死んでから一日でやっぱ生きてたってことが分かった人物になっちゃったよ…」

小川「ええっ!ちょっ皆さん!」

木吹「ああ、多分お前以外のここにいる全員知っているぞ」

小川「ええっ!?」

浅井「まぁそんなことより結婚式だよ結婚式!ってうほぃ、既にティープなキスしてやがるぜくばぁ…」


浅井さん、いや須奈が口から血を吐いて倒れた。


櫛原「ああ」

小森「そうだな」

川須「全くだ」


何がだよ!


尾嶋「ちょっ、だから酒々井はお姫様なんでしょ?だったら結婚相手は選ぶべきでしょ、それに女同士なんて…」

酒々井「ぷはっ、あら?何が不満かしら」


酒々井が財府から口を離して答える。

二人の舌からは銀色の橋がかかっていた、


尾嶋「え?」

酒々井「私の奥さんになった人はこの第三世界の王、レースのリーダーよ、つまりこれは恋愛結婚であり政略結婚でもあるのよ」

浅井「それに、女同士だなんて…最高じゃないか!」

櫛原「ああ」

小森「そうだな」

川須「全くだ」


お前らさっきから何なんだよ。


浅井「むしろそれ以外死ね」

櫛原「ああ」

小森「そうだな」

川須「全くだ、と言うわけで須奈 真紅死ね」

浅井「違うもん、美夜ちゃんは理沙ちゃんと結婚したんだもん、須奈とか言うクソじゃないもん」

川須「うるせぇ、百合詐欺だ」

浅井「私だって、苦しいと思ってるよ…」


あの人自分のことクソとか言ってるけど。

ってそう言えばあの姿見たことあるな、あの時の俺は混乱しっぱなしだったからあまり覚えてないけど、確かに須奈の一人だった。

それこそ、火神と一緒に行った時だ。


尾嶋「でもこれじゃあ敵であるレースと手を組むってことじゃ」

酒々井「違うわ尾嶋ちゃん、敵だからするのよ、政略結婚って言うのは人質を出すこと、つまりレースは人質として芦亜を差し出したってことよ、これでレースは私たちに攻め込むことは出来なくなったわ」


差し出したって…持って帰って来たんじゃ…。


浅井「いや、結婚は今考えたことで…」

川須「黙ってろ!」


そう、これでレースは酒々井を攻撃出来ない。


尾嶋「じゃあ私は、レースをぶっ倒す為にあんたたちの元にいる私は去った方がいいってわけ…」

木吹「それは違う」

櫛原「僕たちぶっ倒されるみたいだよ」

小森「その時は櫛原からぶっ倒した方が後々楽になるぞ」

櫛原「小森君ひどーい」


さっき会議にもあった、レースが酒々井を攻撃することは出来ない、でも、


酒々井「私たちはレースを一方的に攻撃する事は出来るわ」

櫛原「つまり僕たちは攻撃されて初めて戦うことが許されるんだ」

尾嶋「ってことはまだレースとは戦うってことね」

日影「それだけではない」

尾嶋「!」


後ろで黙っていた武士達が立ち上がった。


風早「第一世界とも戦うことになるわ」

尾嶋「第一世界…」

波打「君の古巣になるが?」

土屋「だ、大丈夫なんですかそんな所と戦っても」

尾嶋「いいえ」

土屋「!」

尾嶋「第一世界と戦うなんて絶対大丈夫じゃないわ、あなたたちこそそれで良いの?」

木吹「良いも何も我々は姫様の意向に従うだけだ」

尾嶋「小川、貴方は?貴方は本当に何も関係ないのよ」


思わぬ質問が来た。

確かに俺はただ火神の元バイトってだけしか繋がりがない。

新井さんだって木吹さんに召喚されたんだ、俺とは違う。

でも、


小川「でも近くで大切な友達が頑張っているなら見過ごせないよ」


そう、例えそれが間違っている選択肢でも俺は決めたんだ、新井さんを守る、そして尾嶋さんを助けるって。


川須「そしてそれは本当に間違った選択肢なんだけどな」

浅井「なになに~?窓際の洗濯機?」

川須「は?」

浅井「へ?」


そして尾嶋さんは、


尾嶋「いいわ、レースがまだ敵であるなら私は酒々井十六忍武に味方するわ、それに第一世界に挑むだなんて相当の覚悟が無いと出来ないわよ」

浅井「じゃあここでへんっしん!パパラッパラ~」


自分でBGMを言いながら浅井は粉に包まれた後、須奈に姿を変えた。


須奈「誰だ今戻してって言った奴」

櫛原「ああ」

小森「そうだな」

川須「全くだ」

須奈「あぁん?」

尾嶋「言っておくけど、私は全力であんたたちを殺しにいくから」

須奈「へいへい、楽しみに待ってやすぜ」


対峙する二人。


櫛原「バン!」

小森「バン!」

川須「バーン!」


自分たちで効果音を言う三人。


小川「俺ももっと仮面を使いこなさなければ…せめて戦えるようにならないと」


そう決意する俺。

そしてこの後レース達は、


須奈「んじゃあ、やることなくなったんで失礼します」

櫛原「ああ」

小森「そうだな」

川須「全くだ」


リーダーの財府を残して普通に帰って行った。

女性同士でも子供が出来るとなるとどっちが相手の子供を産むかって問題が出て来ると思います。

なんて尊い争いなんだぁ!


まぁどっちも産んだら良いんでしょうが。

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