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after story   作者: かつどん
狡猾な裏切り
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狡猾な裏切り 8

ども、かつどんです。


いきなりですが、この小説は滋賀県が舞台になってますが、滋賀県ではあの石田三成のCMはやってませんよ。

阿部「流石に警戒され過ぎだと思うけど」


大通りで激戦が行われている中、それ以外の場所でも戦闘は起きていた。

既にいくつかの山田 千忍の部隊が壊滅したり、レースの何人かが家に帰ったりしている。


藤原「そうか?」


そんな中、酒々井側の阿部は大通りとは外れた場所を歩いているが、一切レースと出会わないでいた。

一応ボディガード的な役割りで藤原が隣にいる。

彼は須奈と同じ粉師であり、第二世界の藤原一族のトップが須奈になった事で家を出た粉師である。


阿部「いや、だってささっきからジロジロ見られているんだよ?他の場所では結構激しい戦闘があるのに俺ら何も無しかよ」

藤原「きっと俺の能力は分が悪いって思ってるんだろうよ、レース達も流石に粉師の能力は知ってるだろうし」

阿部「そうだろうけどさ…」

川澄「ならば私が相手してやろう」

藤原「ん?」


突如二人の前に現れたのは短髪で槍を持った女の子だった。


阿部「ありゃりゃ、流石に予想外だよ、レースじゃないやつが出てくるなんて…」

藤原「あー、あんたか、火神の所にいた奴だな」

阿部「気を付けなよ君そこでこの娘に負けてるんだよ?」

藤原「うるせえ、俺には負けっちゅう物がないからセーフだ」

阿部「それに君はこの娘の兄の仇でもあるから本気で来るよ」

藤原「仇だ?よしてくれよ、俺だって須奈の野郎を仇だと思ってるんだぞ」


そんな藤原の言葉を聞いているのか聞いていないのか、川澄は槍を構えた。


川澄「川澄 昌、参る…」


そう川澄は言ったが川澄はすぐには動かなかった。


川澄「どうしました?第二世界なら名乗り出るのではないですか?」

藤原「生憎…」


藤原の周りに粉が集まって行く。


藤原「俺はそういうお固いの嫌いなんでな」


藤原の粉が川澄に襲いかかった。

だが川澄の速さからすればそれは遅過ぎた。

川澄は簡単に粉を避け、藤原の身体を槍で一刺しした。


藤原「だが俺たち粉師には…!?」


藤原は風化をしていた。

しかし風化は濡れていては出来ない。

そして川澄の槍は水槍と呼ばれる水属性の武器である。

その槍は常に濡れているのだ。

だから藤原は身体を粉にする事が出来ず、生身の身体で槍を受ける事になった。


藤原「ちっ、だがよ、粉師はこれだけじゃない」


すると、川澄の後ろの二箇所に粉が集まって行く。

そして粉は藤原自身を作り出した。


川澄「知ってますよ」


しかし川澄はそれを知っていた。

須奈と戦った事があり、なおかつ勝利した川澄は粉師がどう戦うか既に知っていた。


藤原「ぐっ!」

藤原「ぐはっ」


だから川澄は藤原の分身ができる前に分身を攻撃した。

その川澄の速さがあれば簡単である。

しかし藤原も負けていない。

分身が殺されればまた次の分身を生み出して行くだけである。

だが、


川澄「どれたけ増えようが、全員殺せば良いだけです」

藤原「ちっ」


この二人の戦いも長引きそうであるが、この時川澄は藤原しか見ていなかった。

だから阿部が既にどこかに行った事に気付いていないし、そもそも興味無かった。


木吹「しかし、レースの幹部共は未だに現れないか」


そこから少し離れた場所で、酒々井側の忍の一団体がいた。


山田「もしかしたら本当に尾島ちゃんの電撃に吹っ飛ばされたとか?」

木吹「いや、もしそれならレース達とこんな戦をしていないだろう」

山田「ですよね」

木吹「だが須奈が現れないとなると、もしかしたら幹部はこの戦に参加していない可能性がある」

山田「参加していない?」

木吹「もしそうだったら我々の目的が果たせないな」

山田「レースの殲滅ですか、確かに幹部を倒さないと殲滅とは行きませんし…」

木吹「いや、姫様の真の目的の事だが…」

山田「真の目的?」

木吹「姫様は一言も我々には言ってないが、我々には考えている事がお見通しってわけだ、多分他の連中も知っている、と言う訳で幹部を見かけたらすぐに姫様に知らせろ」

山田「了解…だけどどうやら土屋がやべえ奴らと会った見たいだぜ」

木吹「やべえ奴ら?」

山田「瀬滝田中学校の奴らだ」


瀬滝田中学校、それはレースの発祥の地であり、今でも幹部クラスのレース達が数人ほど通っている。

拠点を持たないレースにしては拠点って言っても良いかもしれない場所である。

そんな奴らに、


狩野「レディースアンドジェントルメーン」

山田「現れやがった」

山田「来やがったか…」

土屋「あいつらは?」

山田「瀬滝田中学校の奴らだ」


土屋が大通りから外れてすぐに数人の忍と合流して小部隊を作った。


狩野「あー、ったくよー、いきなり戦争とか面倒だぜ、なぁみんな」

角絵「あら、そう言っていつも楽しそうに協力するの私は好きよ」

数崎「それより俺がここまで辿り着いたこと褒めてくれる?」

能登「数崎君、フラグは良くないですよ」

阿霧「先輩方、早くしないと囲まれますよ、ねぇ先生」

穴沢「ええ…」


瀬滝田中学校の生徒約三十人と、一人の先生がそこにいた。


穴沢「生徒を一人亡くしたのは悲しいですが、生徒が勇敢に戦う姿を見るのは先生、嬉しいです」


先生はハンカチを取り出して目頭を拭いていた。


狩野「おいおい、その生徒が死ぬように仕向けたのは先生だろ、ちゃんと電気女の部屋に上がり込んでもらうためにさ、それより俺なんてその生徒の死に巻き込まれて住む所無くしてるんだぜ」

角絵「仕方ないわねぇ、私の家で引き取るわ」

狩野「数崎、世話になれるか?」

数崎「ああ?まぁそう言うことなら別に大じょ…」

角絵「てぃ♡」

数崎「ぐぎゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああ!!!!!」

能登「数崎君!?」

レース「数崎が死んだ?」

レース「数崎が死んだだと」

レース「数崎が死んでしまったか」

レース「数崎、お(か)しい人を亡くした」

阿霧「先輩方、マジで展開されてます」


レース達が話している間に、酒々井側は横に展開し、既に戦闘態勢を取っていた。


狩野「あー、ったくよー、これだから無意味だってんだ」


狩野はぐっと手を握る。

すると、狩野の手から伸びた糸が引っ張られる。

そして蜘蛛の巣の中心が引っ張られる様に、狩野の罠が作動した。

蜘蛛の巣、そこに等間隔でナイフがぶら下がっていた。

その巣は一つだけではない。

蜘蛛の巣の中心が引っ張られる事で、その巣にぶら下がる全てのナイフが酒々井側のターゲットの方を向いた。

酒々井側は土屋と6人の忍の7人、全ての巣のナイフの刃が7人全員に向けられている。


狩野「スパイダーズウェブ!」


ピンっと音が鳴った後、その全てが射出された。


狩野「あー、ったくよー、やっぱ生き残る奴は簡単に生き残りやがる」


六人の忍は全員死んだ。

狩野の巣にやられた者もいれば、重傷を負った所を他のレースに止めを刺された者もいた。

しかし、土屋だけは生き延びていた。生き延びたと言うより、無傷だった。


土屋「土刀 神楽(かぐら)既刀!」


土刀神楽、鞘が無く、鍔もないその刀に手を添えた構えを土屋はしていてた。


狩野「………」


狩野は土屋がどうやって防いだのか分からなかった。

だってあの武器はただの刀だ。

鍔も鞘もないが、確かにそれはただの刀にしか見えない。

風早の風刀なら真空波でナイフを弾くことが可能だろう。

しかしこの土刀は特にそんな能力は見られない。

何か見えない能力なのか?


狩野「もしかして俺らここで足止め受けてる?」


スパイダーズウェブが終わってからも土屋が攻撃してくる気配はない。

と言うことは間違いなくこちらの攻撃を全て防ぐつもりだ。

数崎は角絵にやられたため、こちらから攻撃をするタイプのレースは俺くらいだろうか。

俺もその場から動いて戦う様なことは出来ない。

動けばスパイダーズウェブが崩れてしまう。


狩野「ちっ、次弾装填」


狩野は手首をくねくねと動かした。

すると、蜘蛛の巣になっている狩野の糸に再びナイフが吊るされていった。

そしてそれはナイフが射出される前の状態と同じになった。


土屋「ああ…それ何度でも出来るんだね、流石に一回だけだと思ってた」

狩野「その割には落ち着いているな」

土屋「いやいや、ものすごく慌ててるよ」

狩野「何にだ?」

土屋「忍者が全員殺されたことに」

角絵「あいつ…もしかして」

能登「ええ、間違いありませんね」

狩野「まぁ慌ててようが慌てなかろうがもう一度やるだけだ、スパイダーズウェブ!」


再び全てのナイフが射出された。

今回は他の忍者はいない。

そのため全てのナイフの刃が土屋に向いていた。

そして狩野は自分の攻撃に集中していたため気付かなかったが周りのレースは全員気付いていた。


角絵「彼はレースね」

能登「ええ、レースみたいですね」


またしてもナイフは土屋には当たらなかった。


狩野「なるほどねぇ、当たらないんだ」

土屋「ききき気のせいじゃないかな?」

狩野「じゃあ無理だ、つーわけで角絵!」

角絵「分かったわ」

狩野「能登!」

能登「分かってますよ」

狩野「数崎!」

数崎「どりゅりゅりゅ!」

狩野「霧島ぁ!」

霧島「了解です!」

狩野「…(絶対誰も分かってねぇよ)」

土屋「くっ、流石の連携力、話さずに分かり合えるなんて」

狩野「遠距離攻撃は絶対当たらないから近接攻撃しか倒せないけど近接戦闘なら強い侍さんに近接攻撃持ってない俺らが勝てる訳ない」

能登「唯一の近接タイプの数崎君はこんなですし」


能登は倒れている数崎を持ち上げた。


角絵「どうするダーリン、なんなら私が出るけど」

狩野「誰がダーリンだ、俺はダーリンと呼ばれる筋合いはねぇ、そして俺らがこれからするのは決まっている」

角絵「何かしら?」

狩野「撤退だ!帰るぞお前ら!」

「「「おおー!!」」」

土屋「えぇ!?」


いきなりレースが撤退し始めた。


土屋「………」


土屋はそれをただ見守っているだけだった。

レース達の撤退はわずか1分ほどで完了した。

あの張り巡らされていた狩野の糸も10秒ほどで撤去された。

準備は大変だけど片付けるのは簡単な様である。


土屋「ん?でもこれって…」


そこで土屋は気付いた。

今回の戦の目的はレースの殲滅。

つまり撤退して生き残られたら目的は達成しない。


土屋「しまったー!」


既にレースが撤退した場所で土屋は叫び声を上げた。

俺はキスも恋愛もしてないのに百合とは言えないだろっていつも思うんですよね。

あ、でも、Q.けもふれって百合アニメ?A違うよ、Qかばんちゃんとサーバルちゃんは?Aできてるよ。

って受け答えは好きです。

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