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after story   作者: かつどん
狡猾な裏切り
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狡猾な裏切り 6

ども、かつどんです。


かなりお久しぶりです。

最近別のサイトで活動してたらそっちで少し人気が出てしまって…(自慢話


酒々井「はぁ…」


憂鬱だ。

と言ってもここ最近憂鬱だ。

ずっとため息ばっかりしてる気がする。

何で私がこんな事をしなければならないんだって考えてしまうことは何回もある。

でも誰かの上に立つなんてやりたくてもやれない人の方が多いし、私の場合はやりたくてやってる訳じゃ無いけど。

元々兄が継ぐはずだった酒々井十六忍武、でも兄は家を出て行った。

私以外の家族を殺して。


酒々井「はぁ…」


またため息が出る。

でもそれは何年前だ?

兄が家を出て行ったっていつだった?

今はもう兄は死んでいる。


酒々井「と言っても私も一度死んでるけど…」


あのマッドサイエンティストに無理矢理生き返らせられたのだ。

そのマッドサイエンティストも時間は違ったけど兄と同じ場所で死んだ。


酒々井「はぁ…」


でもこのため息の理由って聞かれるとどう答えるのが正解だろうか。

兄が死んだこと?いや、兄の事なんてどうでもいい。

酒々井十六忍武を率いていかなければならないこと?それもあるだろうが、そんな昔からの事今更である。

レースと戦うこと?かなり正解に近いだろうけど、でもあいつらと戦うのは苦痛には感じない。

だって私もレースだし。

じゃあ何だろう?って自分では分かってるんだけど…。

でもそう思いたくないのかな。

認めたくないのかな。


酒々井「はぁ…」


何度目だろうか、私はまたため息をついた。

だけどそれは最後のため息となった。

阿部が私の部屋に来たからだ。


阿部「さぁお嬢様、戦の準備が整いました」

酒々井「その呼び方やめて」

阿部「今回の戦の大将なんだから別におかしくは無いと思うけど」

酒々井「でもあんたには呼ばれたくないのよ」

阿部「ひどいなぁ、あっそうそう知ってるとは思うけどあの拠点潰されたよ」

酒々井「知ってるわよそんな事、でもどうしてあまり使ってなかったあの場所を拠点だなんて言ってレースと塚一同盟を引きつけたの?別に塚一同盟を無力化するならわざわざ遠くまで行かなくても近くでも良かったんじゃない?それにもっと人員を動員しても良かったんじゃないの?」

阿部「言ったろ?俺たちはもうすぐここを出て行く、そのための置き土産をプレゼントしたいってさ、絶対君たちのためになるプレゼントだし」

酒々井「あのでっかい機械のこと?潰れたけど…」

阿部「あれは第五世界の技術があるからプレゼントしても使いこなせないと思うよ、それこそ尾嶋ちゃんを使わないと」


尾嶋、最近こいつらに加わった女の子だ。

それともう一人いた。


酒々井「あの仮面の男って」

阿部「あ、うん、どうやら帰って来たみたいだよ、出陣には間に合わないと思ったけど案外速いね」


あの使ってない拠点での戦いはすぐに終わった様だ。

確かに早すぎる、私も間に合うとは思ってなかった。

でもまぁ、塚一同盟にそちらを攻撃させて、レースだけを敵にするのが今回の目的だからこちらの作戦通りと言えばその通りか。

何故レースだけにするかはもちろんこいつ、阿部の策略だ。

レースキラーなんて呼ばれてたり呼ぶはずの前のレースが壊滅したから呼ばれなかったりしてる奴だ。


阿部「それよりさ、号令出してよ、出陣だーってさ」

酒々井「分かってるわよ」


はぁ…もう一度心の中でため息をつく。

心の中でもつくなんてもう精神病にでもなったのだろうか。

いや、かかってるなこれは。


阿部「そういやさ、出陣前の景気付けに何か言ったりするの?」

酒々井「今まで言ってたかしら?」

阿部「いや、言ってなかったね」

酒々井「たまに言ったりするけど」

阿部「あ、言うんだ」


酒々井は部屋を出る。

阿部もその後を追って部屋を出る。

その向こう側には一千人を超える集団がいた。

と言ってもこの中から出陣するのは三百人ほどである。


酒々井「みんな、お待たせ…行くわよ」

「「「はっ!」」」


はぁ…ともう一度心の中でため息をつき、そして息を吸う。


酒々井「出陣!目標、大津島の関!」

「「「はっ!!!」」」


そして三百人ほどの集団が動き出した。


阿部「あ、言わないんだ」


纏まった集団を形成してる中、数人だけが集団と外れて行動していた。

その数人とは酒々井十六忍武ではない、もう一つの勢力である。

今は阿部が率いている様であるが、実はリーダーが存在しない集団である。

いるとすれば前に死んだ野木博士だろうか。


阿部「あ、お疲れ鏡の仮面君」

鏡の仮面「あ、阿部さん」

阿部「かなり速かったね」

鏡の仮面「いえ、レースの足止め出来ずにすいません」

阿部「レースの足止め?そんなの出来ると思ってるの?」

鏡の仮面「えっ?」

阿部「もし君たちがまだレースと戦っていたとしても状況は変わらないよ、そんなの一緒さ」

鏡の仮面「そうなのですか?」

阿部「うん、そういやさ、君は酒々井達がこれからどうレースを攻めるか知ってる?」

鏡の仮面「えっと、どこかの拠点に向かうのでしょうか、島の関ですよね」

阿部「レースは拠点なんて無いよ?」

鏡の仮面「ええ?じゃあどうやって…」

阿部「君さ、空気とか水を殺せる?」

鏡の仮面「空気?水?」


そんな無機物、殺せるわけ…


阿部「生きてない物なんか殺せないって思ってる?」

鏡の仮面「え、まぁ」

阿部「逆に考えてみてよ、命が無いから殺せないなら命を与えたら殺せるじゃん」

鏡の仮面「命を、与える?」

阿部「そう、君はレースの拠点を攻めるって考えてる、しかしレースに拠点なんてない、だったらレースに拠点を作らせたらそこを攻めたらいいって訳じゃん」

鏡の仮面「あー、なるほどー」

阿部「だから酒々井たちはレースを炙り出す、まるでレースの拠点を攻めている様にすればレースの場合はそこがレースの拠点になるんだ、勝手に集まってくるからね」

鏡の仮面「わざわざ攻められるためにですか?」

阿部「彼らは遊びと思ってるかもしれないね、そこはちょっと分からないけど」

鏡の仮面「変な集団ですね」

阿部「まぁ、それでも空気とか水を殺せるとは思わないけど」

鏡の仮面「えっ?ごめんなさい、今の聞き取れませんでした」

阿部「いや、別にいいよ、それより君には別の任務を与えるよ」

鏡の仮面「別の任務?」

阿部「うん、念には念をってね」


すると阿部は仮面の男のポケットに何かをすぽっと入れた。


鏡の仮面「………」


聞かなくても分かる。

外から触るだけで形が分かる。

これは、


阿部「うん、新入りの君だからこそ頼める任務かな、いや、君にしか頼めないと言っても過言じゃないよ」

鏡の仮面「………」


そして阿部は任務の内容を言った。

それは仮面の男の予想通りの内容だった。


阿部「じゃあよろしくね♪」

鏡の仮面「分かりました」


そして仮面の男は一人集団から離れて行った。


蝶野「あいつに行かせて良かったのか?」


すると、阿部の元にもう一人の仮面の男が現れた。

彼の仮面は先ほどの鏡の仮面とは異り、蝶の形をした仮面を着けている。


阿部「あ、パピヨンじゃん、やっぱ気になる?」

蝶野「もちろんだ、あいつが候補かもしれないからな」

阿部「候補?何か選挙でも行うの?」

蝶野「いや、その場合立候補と言うから違うな、それよりあいつ上手く行くと思うか?」

阿部「さあね、でも出来るとしたら彼しかいないでしょ」

蝶野「奴がそうなら俺は奴と敵対しなければならないが」

阿部「うん、だから今回の任務を与えたんだ、もし成功したら彼に決定してもいいし、失敗して死んだら万々歳だ」

蝶野「ほう、成功する可能性はどの位だと思う?」

阿部「流石にこればかりは分からないよ、難易度は高いけど彼なら成功するかもって希望があるからね」

蝶野「ほう、あいつ、強いな」

阿部「へぇ、彼は褒めるんだね、じゃあ俺は俺は?」

蝶野「お前は弱い」

阿部「ショック…」


そんな会話をしながらも彼らは足を止めない。

酒々井十六忍武と一緒にレース殲滅へと向かった。

本当はどの話を先に投稿するかを迷っているから投稿遅れていると言う言い訳。

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